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強く…
サラはキャシディが嫌いだった。キャシディに近づいた理由は、醜いキャシディのそばにいれば自分が引き立つという事もあったが、キャシディの全てを奪いたかったのだ。
仲良くなったのは3年前だが、サラは幼い頃からキャシディを知っていた。
美しいだけでなく、誰にでも優しい伯爵令嬢のキャシディは、周りから愛されていた。サラも美しかったが、キャシディがいる事で霞んでしまっていた。そんな時キャシディは病にかかり、醜い姿になったのだった。
サラはキャシディの包帯まみれの顔を見て、心底幸せを感じた。その快感をもう一度味わいたくて、キャシディに近づき親友となったのだった。
邸に戻り、婚約を破棄された事を伝えるとホワイト伯爵は激怒した!
「なんてやつだ!ルーズベルトに抗議を……」
「やめてください!私は大丈夫です。」
「そ、そうか?お前がそういうのなら仕方ない。」
ホワイト伯爵はキャシディがとても大切だった。美しかった時と変わらず、キャシディを愛していた。その愛情があるからこそ、キャシディは誰にでも優しくなる事が出来たのだ。
「お父様……私はお父様の娘に生まれて、とても幸せです。私がこんな姿になっても、変わらぬ愛情をくださったこと、感謝しております。」
ホワイト伯爵は娘の言葉に涙した。
「隣国の学校に転入するか?この国にいるよりもいいんじゃないかと思うのだが……。」
「お父様、私はこの国から逃げたくはありません。」
「キャシディ……お前は強いな。私も見習わなければな!」
強くなんかありません……ですが、こんなにも想ってくれているお父様に心配かけたくはないのです。
翌日、何事もなかったように学校へ来たキャシディを周りの生徒が噂している。
「婚約破棄されたんですって!」
「婚約者は親友のサラに奪われたそうよ!」
「あの顔じゃね……。」
噂を広めたのはサラだった。
「キャシディ!待って!」
サラがキャシディへと駆け寄ってきた。
「許してキャシディ!あなたを裏切るつもりなんてなかったの!リドルフ様が無理やり……。本当にごめんなさい!ごめんなさいキャシディ!」
サラは顔を両手で覆い、泣き出した。 もちろんこれは演技だ。キャシディも気づいている。
「……」
サラの迫真の演技に何も言えずにいると、
「あんなに謝ってるのに可哀想!」
「許してあげればいいのに!」
「性格まで醜いのね!」
大丈夫……悪口言われることには慣れている。
キャシディは黙ってその場から去り、学校の裏手にある丘に上がり腰を下ろした。
「はぁ……。授業サボっちゃった……。」
悪口を言われることは慣れているけど、やっぱりつらいな。いつもはサラがいてくれたけど、もういないからかな。
「今は授業中じゃないのか?」
後ろから声をかけられ振り向くと、眩しいほど美しい男性が立っていた。
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