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爵位を返していただきます
しおりを挟む「な!? どうして、セイド様がマリアと婚約をするのですか!?」
三男とはいえ、ブリューゲル公爵のご子息で騎士の爵位を持っている。
そして何より、ブリューゲル公爵と姻戚になりたいものは多く、セイドには沢山の縁談が来るほどだった。
そのセイドが、ずっと蔑んで来たマリアの婚約者になるなど、モニカには許せなかった。
「マリアは仮面をしないと、生きていけないほどの醜い顔をしているのですよ!? 」
「仮面をしていても、していなくても、マリアには変わりない。彼女がそこに居てくれるだけで、俺は癒される。」
セイド様に、まだ私の素顔を見せてはいません。それでも、セイド様は私と婚約したいと仰ってくださいました。
そろそろ、私も反撃しようと思います。
マリアは壇上へと上がり、
「私からも、ご報告があります。
マリア・クラントは、今日からクラント伯爵となります!」
と、宣言をした。
ザワザワザワザワザワザワザワザワ……
「何を言ってるんだ?」
「クラント伯爵、これはどういう事ですか?」
会場にいる貴族の中には、マリアが言ったことに焦りを隠せない者もいる。
「どういうつもりだ! 私の爵位を奪うとでも言うのか!? 不憫だと思い、養子にしてやったのに、この恩知らずが! お前は、クラント伯爵家から追放する!」
「私はもう、叔父様の養子ではありません。先日、籍を抜かせて頂きました。私達は、家族ではありませんし、叔父様はクラント家から追放された方ですので、伯爵の爵位の正式な継承者は私です。」
叔父様は、お祖父様が生きていた頃に、クラント家を追放され、平民になっていました。
お父様が自分に何かあった時のために、ゴードンに書類を預けてくれていました。お父様が亡くなってすぐに、ゴードンは役所に書類を持って出かけたそうなのですが、そこにはすでに叔父様がいたそうです。役所の役人を買収し、役所に保管してあった書類は破棄させていた。5歳の私には、叔父様と戦うすべがなく……時が来るまで、ゴードンは書類を大切に隠し持っていてくれました。
「追放って……クラント伯爵には、伯爵を継ぐ権利がなかったってこと!?」
「爵位を乗っ取るなんて、大罪ではないか!」
「まさかそんな大それたこと……」
この中に、叔父様の協力者は何人いるのでしょう?
領民から搾り取ったお金で、買収された最低な貴族。
「ふざけるな!! 小娘の分際で、伯爵になるだと!? 証拠はあるのか!? 私が追放されたという証拠を見せてみろ!!」
「証拠は既に、私が確認した。」
声の主はセイド様のお父様、ブリューゲル公爵。
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