先生たちとの出会い

sora

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小学生中学年

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3・4年生時の担任Sは絵を描くのが上手く、特にキャラクターを描くことに関してはピカイチだった。
そのキャパシティーは某国民的アニメの○型ロボットやその登場人物、ル○ン三世や私の知らないアニメまで様々だった。

当時の私は変な子どもだったように思う。
小学校の裏に山があり、その山には小さめながらも神社があった。
教室から見える山には石碑やらお地蔵さまやらがポツポツとたっており、私はそこで白い狐のような動物を時折見かけた。

担任Sにその事を話すと馬鹿にしたり疑ったりすることはなく、どの辺で見たのか、綺麗だったか、どう感じたかというのを見たことを伝える度に聞いてくれた。
その事と関係しているのか分からないが、学外授業で裏山の神社とその周辺を探索することになった。
担任S以外に白い狐のことを話しておらず、その事をみんなに言われてしまうのではないかと心配になったが、そのようなこともなくただただ周辺の探索や神社を管理している人に話を聞いたりするだけで終わった。
その時に学校の裏に流れている用水路に飼育小屋から逃げ出した鶏や野生のキジが発見された。
キジを見た私たちはクジャクがいた!とはしゃいでいたことを覚えている。

後日、放課後の教室で居残りをしていたら、担任Sに神社を管理してる人から有力な情報が手に入ったと言われた。
少しだけ興奮しているように見えた。
聞くと裏山にある神社は稲荷神社の系列で、白い狐を祀っているらしく時折姿を見せるのだそうだ。
何年か前に管理人を引き継いだ時、前任者からこう言われたらしい。

「白い狐を見たらすぐに手を合わせて一礼するように。
ごく稀にその姿を現すから管理は怠らないように」

今の管理人はまだ姿を見たことはないが、前任者が冗談や嘘を言っているようには見えなかったらしい。
それを聞いた私はすぐに白い狐を見た場所に向かって、手を合わせ一礼した。

その話を聞いたからなのか、一礼したからなのかその日以降に白い狐を見ることはなくなった。
それでも小学校を卒業するまで、放課後に神社をお参りすることが習慣化していた。
思えばあの頃は不思議と体調を崩すことが少なかった。

信仰とまではいかないが、なにかしら信じるものがいてもいいのかもしれない。

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