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第十三話 急がば近道
急がば近道 七
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その晩、ぼくは悲しくて夕食がのどを通らなかった。
「アーサー、そろそろ機嫌を直したらどうだ」
「ごめん……ひとりにして」
レオはぼくを心配し、
「すまなかった。おまえがそんなに悲しむと思わなかったんだ」
と、なんども頭を下げたが、ぼくは元気になれなかった。
もちろんレオは好きさ。なにがあっても世界一愛してる。だけどいまは明るく返事なんてできない。
あんなにすばらしいひげの男がいのちを失った。それもレオのちょっとした不機嫌で実験道具にされてだ。
きっと彼なら魂を三つ取り込んだ時点で大会くらい優勝していただろう。もちろんすでにおかしくなっていたし、生命の危機におちいっていたが、レオがうまくやれば大会まで生きられたかもしれない。
そうすれば、たとえ死ぬにしても誇りを持って死ねた。それが騎士にとって一番大事なことだ。
……ううん、そんなことじゃない。ぼくが悲しんでいるのはきっと違う。
戦いたかった。あれよりも強くなった、本物の強者と剣を交えたかった。といってもそうなるには脳みそが溶けるほどの魂を取り込まなくちゃいけないわけだから、それはレオのせいじゃないんだけどさ。
はあ……やっぱりショックだなぁ……
ぼくは空きっ腹のはずなのに空腹も感じず、落ち込んだままベッドに潜り込んだ。相変わらずレオは謝っているし、頭を撫でたり、抱きしめたりしてくれる。ぼくも返事はするし、抱き返しはするけど、こころが冷え切っているせいか裸の体を合わせても一切熱くならなかった。
「わたしは罪びとだ。おまえを悲しませるなどあってはならないはずなのに……」
「いいよ、レオのせいじゃないよ。愛してるよ」
「ああ……どうすればおまえのこころを癒せるだろうか」
そんな、悲しげな夜の中、突如だれかがドアをノックした。
「すいませーん! おふたり、いまよろしいですかー!?」
「アルテルフ?」
アルテルフの声だった。レオは怪訝そうに顔を上げ、
「なんだ、入れ」
そう言って彼女を招き入れた。
「あっ、ごめんなさい! おたのしみでしたか!」
「いや、たのしめなくて困っていたところだ」
「あー、やっぱりー? なんかアーサー様変でしたからねー」
「わたしのせいで落ち込んでしまったんだ」
「あ、そうなんですか? なんかここのところ廊下をぴょーって叫びながら走り回ったりしてたじゃないですかー。それでとうとうおつむイカれたかと思ったら、こんどは落ち込んでるし、もしかして躁鬱病なのかなーって思ったんですよー」
お、おつむイカれてるって、なんだそれ……ひどいなぁ。
「それでー、あたしたちアーサー様を元気づけようと思って準備したんですよー。ちょっと来てくれませんかー?」
ぼくを元気づける?
……アルテルフ、ぼくのことを心配して気づかってくれてるの?
「ああ言ってるが、どうする?」
ぼくはレオにそう訊かれ、一瞬考えたけど、
「行ってみよう」
と答えた。
この気分はちょっとやそっとのことで持ち直すとは思えない。もし機嫌が直らなければ、せっかくの気づかいに対して申し訳ない。
でも行かないのはもっと申し訳ない。だって、話を聞くに、みんながいろいろしてくれてるようだ。ぼくのために準備したものを無下にするなんてできるはずがない。
ぼくらは服に着替え、アルテルフについて行った。行き先は応接間だった。
それにしても元気づけるってどんな準備をしているんだろう。そう思いながらぼくは扉を開けた。
瞬間、
「わ! わわわわわあ!」
ぼくは取り乱して大声を上げた。なんとそこには三匹の使い魔が貝殻水着でソファに座って待っていた。
しかも部屋が真っピンクだ。どうやらピンクに塗ったカンテラをたくさん吊り下げ、部屋を染めているらしい。それに甘いにおいのお香が焚かれている。
薄暗い、甘いピンクの空間に、褐色肌でスタイルのいいレグルス、ふくよかで爆乳のデネボラ、そして貧相ながら妙な気持ちにさせるゾスマがお酒を飲んでいた。
そんな三匹が立ち上がり、
「いらっしゃ~い!」
と両手を広げ、歓迎した。
ああ、なんて姿だ。貝殻は子供の拳よりもやや小さい。それが左右の乳房と下半身の大事なところだけを隠し、危なげにひもで繋がっている。ちょっと動けば取れて丸見えになってしまいそうだ。
いや、丸見えじゃなくったって十分いやらしい。こんなの裸とおんなしだ。ていうか下の毛なんて見えちゃってるし、デネボラなんて乳房の輪っかが広いから、あわわわ……
ぼくは固まって動けなかった。まるで色本の世界に飛び込んでしまったかのようだった。
「こ、これはいったい!?」
「だーかーらー、アーサー様を元気づけるための集まりですよー」
「げ、元気づけるって、これじゃまるでいかがわしいお店だ!」
「そーですよ。ここはいかがわしいお店でーす」
アルテルフがそう言うのと同時に、レグルスとデネボラがぼくとレオの腕をつかみ、
「二名様ごあんなーい」
と、ぼくらをソファに連れ込んだ。
ソファはふたつあり、奥のひとつはかならずレオが座る高級ソファだ。その真ん中に呆然とするレオを座らせ、左右にアルテルフとゾスマが座った。そしてぼくは対面のソファに座り、左右を胸の大きなふたりが挟み込んだ。
や、やわらかい! 両腕に抱きつかれてすごく大きくてやわらかいものが! わああ!
「なにやらすごい趣向だな」
レオは目をパチクリさせた。彼女も予想外の光景に戸惑っているようだった。
「驚いたでしょー」
アルテルフは自慢げに、
「あたしが考えたんですよー。アーサー様を癒すにはなにが一番いいかって。で、たぶんアーサー様はむっつりスケベだから、欲望を解放してあげればいいと思ったんです。破廉恥な格好の美女に囲まれたら、男は絶対癒されますからー」
とレオにウィスキーのロックを提供した。
レオはそれを飲みながら、
「なるほど、大正解だ」
と答えた。じ、冗談じゃない! 騎士のぼくがこんなことで癒されるはずがない! こんなんで元気になってたまるか!
「おいおい、なにを言っている。おまえの”そこ”は飛び出しそうなほど”元気”になってるぞ」
「へっ? ああっ!」
しまった! 元気になってる!
「アーサーしゃまぁ~、わたくしめでお元気になってくれてうれしいれしゅ~」
うっ! レグルスが思いっきり抱きついてきた! 酔っ払ってみだらになってる! ちょっと! み、みんな見てるのにそんな……!
「あらまぁ、お口塞いじゃって。それじゃお酒を飲めないでしょ。ほぉら、くちびるをどけてくださぁい。舌も離して、はぁい、わたしが飲ませてあげますよぉ」
うぷっ! このお酒濃い! ていうか貝殻ずれてる! わあっ、脚を絡ませて! わああ!
「おお、おお、いやがっている素振りだが、顔がとろけっぱなしだ。どうやらおまえの作戦は大成功だな」
「えへへー。ありがとうございまーす」
「しかしおまえは貝殻水着を着ないのか? あれはあと数種類は買ったはずだが」
「えー? いやですよー。あんなバカみたいな格好できるわけないじゃないですかー」
「あははは! そうか! しかしゾスマは着てるぞ。よく着たなぁ。ふだんはなにかと”どーでもいい”と言って拒否するくせに」
「うん、わたしは着るよ。アーサー様が元気じゃないのはどーでもよくないから、元気にするためならなんでもするよ」
「そうかそうか。ありがとうな、おまえたち。わたしは最高の使い魔を持った」
そんなふうにレオはご満悦だった。だけどぼくはご満悦じゃないよ!
「レオ! 夫が目の前でこんなことされていやじゃないの!?」
「おもしろいぞ」
「おもしろいぞじゃないよ! こんなことして、浮気じゃないか!」
「それがどうした」
「そ、それがどうした!?」
「前から言ってるだろう。別に構わんと。それにこいつらはわたしの魂の一部だ。つまりわたしだ。好きなだけ遊べばよかろう」
な、なにを言ってるんだ! ぼくには理解できない!
「ふにゃあ。にゃんだかここ、硬いれすぅ」
わっ! レグルスそこは!
「わたくしめのここでよしよししてあげたいにゃあん」
わああ! そ、そんなみんなの前で大股びらきで……! ああっ、貝殻が! 早く隠さなきゃダメだよ! 女の子がそんな!
「ちょっと、レグルス! やめなさいよ!」
あ、アルテルフ! 助かった。止めてくれるんだ。
「まだそこは早いでしょ! 最初は手とか胸とかで搾って、それからでしょーが!」
ええっ!? そういう問題!?
「ふにゅう、ごめんなしゃあい。それじゃお手手でするにゃあ」
わあー! 待って、待ってー!
「ほらぁ、暴れちゃダメですよぉ」
うぶっ! 顔が! やわらかいのを押しつけられて、むー!
「あっはっは! これはいい。もっとやれ。わたしのアーサーをかわいがってくれ」
「むぐー! レオー! レオー!」
「ああ、かわいいなぁ。そんなに叫んで。わたしならここだぞ。ここで見ててやるからいい声で鳴くんだぞ」
だ、ダメだ! やっぱりレオはイカれてる! そしてそのレオの性格を受け継いだこの子たちもイカれてるよ!
「ほーら、ズボン降ろしますよぉ」
「早くよしよしするにゃあ」
ああ、逃げられない……お酒が回って頭もふわふわしてきた。ぼ、ぼくはレオだけを愛してるっていうのに、ああ……
「ククク……なんて”元気”なんだ。血管が浮いてビクビクしてるじゃないか。しかし最高のショウだな。実に酒がうまい。こんなにうまい酒ははじめてかもしれん。そうだ、この店は定期的に開けてもらおう。我々の、我々による、我々のためのナイト・パブだ。……おっと、なんだもうか! あははは! 一分も経っていないというのに、早い! 早すぎるぞアーサー! こんなに短くちゃ酒をたのしめないじゃないか! まったく、おまえというやつは! ま、おまえは絶倫だからまだまだいきおいよく出せるだろう! せいぜいしぼまずにがんばってくれよ! あははは! あははははははー!」
「アーサー、そろそろ機嫌を直したらどうだ」
「ごめん……ひとりにして」
レオはぼくを心配し、
「すまなかった。おまえがそんなに悲しむと思わなかったんだ」
と、なんども頭を下げたが、ぼくは元気になれなかった。
もちろんレオは好きさ。なにがあっても世界一愛してる。だけどいまは明るく返事なんてできない。
あんなにすばらしいひげの男がいのちを失った。それもレオのちょっとした不機嫌で実験道具にされてだ。
きっと彼なら魂を三つ取り込んだ時点で大会くらい優勝していただろう。もちろんすでにおかしくなっていたし、生命の危機におちいっていたが、レオがうまくやれば大会まで生きられたかもしれない。
そうすれば、たとえ死ぬにしても誇りを持って死ねた。それが騎士にとって一番大事なことだ。
……ううん、そんなことじゃない。ぼくが悲しんでいるのはきっと違う。
戦いたかった。あれよりも強くなった、本物の強者と剣を交えたかった。といってもそうなるには脳みそが溶けるほどの魂を取り込まなくちゃいけないわけだから、それはレオのせいじゃないんだけどさ。
はあ……やっぱりショックだなぁ……
ぼくは空きっ腹のはずなのに空腹も感じず、落ち込んだままベッドに潜り込んだ。相変わらずレオは謝っているし、頭を撫でたり、抱きしめたりしてくれる。ぼくも返事はするし、抱き返しはするけど、こころが冷え切っているせいか裸の体を合わせても一切熱くならなかった。
「わたしは罪びとだ。おまえを悲しませるなどあってはならないはずなのに……」
「いいよ、レオのせいじゃないよ。愛してるよ」
「ああ……どうすればおまえのこころを癒せるだろうか」
そんな、悲しげな夜の中、突如だれかがドアをノックした。
「すいませーん! おふたり、いまよろしいですかー!?」
「アルテルフ?」
アルテルフの声だった。レオは怪訝そうに顔を上げ、
「なんだ、入れ」
そう言って彼女を招き入れた。
「あっ、ごめんなさい! おたのしみでしたか!」
「いや、たのしめなくて困っていたところだ」
「あー、やっぱりー? なんかアーサー様変でしたからねー」
「わたしのせいで落ち込んでしまったんだ」
「あ、そうなんですか? なんかここのところ廊下をぴょーって叫びながら走り回ったりしてたじゃないですかー。それでとうとうおつむイカれたかと思ったら、こんどは落ち込んでるし、もしかして躁鬱病なのかなーって思ったんですよー」
お、おつむイカれてるって、なんだそれ……ひどいなぁ。
「それでー、あたしたちアーサー様を元気づけようと思って準備したんですよー。ちょっと来てくれませんかー?」
ぼくを元気づける?
……アルテルフ、ぼくのことを心配して気づかってくれてるの?
「ああ言ってるが、どうする?」
ぼくはレオにそう訊かれ、一瞬考えたけど、
「行ってみよう」
と答えた。
この気分はちょっとやそっとのことで持ち直すとは思えない。もし機嫌が直らなければ、せっかくの気づかいに対して申し訳ない。
でも行かないのはもっと申し訳ない。だって、話を聞くに、みんながいろいろしてくれてるようだ。ぼくのために準備したものを無下にするなんてできるはずがない。
ぼくらは服に着替え、アルテルフについて行った。行き先は応接間だった。
それにしても元気づけるってどんな準備をしているんだろう。そう思いながらぼくは扉を開けた。
瞬間、
「わ! わわわわわあ!」
ぼくは取り乱して大声を上げた。なんとそこには三匹の使い魔が貝殻水着でソファに座って待っていた。
しかも部屋が真っピンクだ。どうやらピンクに塗ったカンテラをたくさん吊り下げ、部屋を染めているらしい。それに甘いにおいのお香が焚かれている。
薄暗い、甘いピンクの空間に、褐色肌でスタイルのいいレグルス、ふくよかで爆乳のデネボラ、そして貧相ながら妙な気持ちにさせるゾスマがお酒を飲んでいた。
そんな三匹が立ち上がり、
「いらっしゃ~い!」
と両手を広げ、歓迎した。
ああ、なんて姿だ。貝殻は子供の拳よりもやや小さい。それが左右の乳房と下半身の大事なところだけを隠し、危なげにひもで繋がっている。ちょっと動けば取れて丸見えになってしまいそうだ。
いや、丸見えじゃなくったって十分いやらしい。こんなの裸とおんなしだ。ていうか下の毛なんて見えちゃってるし、デネボラなんて乳房の輪っかが広いから、あわわわ……
ぼくは固まって動けなかった。まるで色本の世界に飛び込んでしまったかのようだった。
「こ、これはいったい!?」
「だーかーらー、アーサー様を元気づけるための集まりですよー」
「げ、元気づけるって、これじゃまるでいかがわしいお店だ!」
「そーですよ。ここはいかがわしいお店でーす」
アルテルフがそう言うのと同時に、レグルスとデネボラがぼくとレオの腕をつかみ、
「二名様ごあんなーい」
と、ぼくらをソファに連れ込んだ。
ソファはふたつあり、奥のひとつはかならずレオが座る高級ソファだ。その真ん中に呆然とするレオを座らせ、左右にアルテルフとゾスマが座った。そしてぼくは対面のソファに座り、左右を胸の大きなふたりが挟み込んだ。
や、やわらかい! 両腕に抱きつかれてすごく大きくてやわらかいものが! わああ!
「なにやらすごい趣向だな」
レオは目をパチクリさせた。彼女も予想外の光景に戸惑っているようだった。
「驚いたでしょー」
アルテルフは自慢げに、
「あたしが考えたんですよー。アーサー様を癒すにはなにが一番いいかって。で、たぶんアーサー様はむっつりスケベだから、欲望を解放してあげればいいと思ったんです。破廉恥な格好の美女に囲まれたら、男は絶対癒されますからー」
とレオにウィスキーのロックを提供した。
レオはそれを飲みながら、
「なるほど、大正解だ」
と答えた。じ、冗談じゃない! 騎士のぼくがこんなことで癒されるはずがない! こんなんで元気になってたまるか!
「おいおい、なにを言っている。おまえの”そこ”は飛び出しそうなほど”元気”になってるぞ」
「へっ? ああっ!」
しまった! 元気になってる!
「アーサーしゃまぁ~、わたくしめでお元気になってくれてうれしいれしゅ~」
うっ! レグルスが思いっきり抱きついてきた! 酔っ払ってみだらになってる! ちょっと! み、みんな見てるのにそんな……!
「あらまぁ、お口塞いじゃって。それじゃお酒を飲めないでしょ。ほぉら、くちびるをどけてくださぁい。舌も離して、はぁい、わたしが飲ませてあげますよぉ」
うぷっ! このお酒濃い! ていうか貝殻ずれてる! わあっ、脚を絡ませて! わああ!
「おお、おお、いやがっている素振りだが、顔がとろけっぱなしだ。どうやらおまえの作戦は大成功だな」
「えへへー。ありがとうございまーす」
「しかしおまえは貝殻水着を着ないのか? あれはあと数種類は買ったはずだが」
「えー? いやですよー。あんなバカみたいな格好できるわけないじゃないですかー」
「あははは! そうか! しかしゾスマは着てるぞ。よく着たなぁ。ふだんはなにかと”どーでもいい”と言って拒否するくせに」
「うん、わたしは着るよ。アーサー様が元気じゃないのはどーでもよくないから、元気にするためならなんでもするよ」
「そうかそうか。ありがとうな、おまえたち。わたしは最高の使い魔を持った」
そんなふうにレオはご満悦だった。だけどぼくはご満悦じゃないよ!
「レオ! 夫が目の前でこんなことされていやじゃないの!?」
「おもしろいぞ」
「おもしろいぞじゃないよ! こんなことして、浮気じゃないか!」
「それがどうした」
「そ、それがどうした!?」
「前から言ってるだろう。別に構わんと。それにこいつらはわたしの魂の一部だ。つまりわたしだ。好きなだけ遊べばよかろう」
な、なにを言ってるんだ! ぼくには理解できない!
「ふにゃあ。にゃんだかここ、硬いれすぅ」
わっ! レグルスそこは!
「わたくしめのここでよしよししてあげたいにゃあん」
わああ! そ、そんなみんなの前で大股びらきで……! ああっ、貝殻が! 早く隠さなきゃダメだよ! 女の子がそんな!
「ちょっと、レグルス! やめなさいよ!」
あ、アルテルフ! 助かった。止めてくれるんだ。
「まだそこは早いでしょ! 最初は手とか胸とかで搾って、それからでしょーが!」
ええっ!? そういう問題!?
「ふにゅう、ごめんなしゃあい。それじゃお手手でするにゃあ」
わあー! 待って、待ってー!
「ほらぁ、暴れちゃダメですよぉ」
うぶっ! 顔が! やわらかいのを押しつけられて、むー!
「あっはっは! これはいい。もっとやれ。わたしのアーサーをかわいがってくれ」
「むぐー! レオー! レオー!」
「ああ、かわいいなぁ。そんなに叫んで。わたしならここだぞ。ここで見ててやるからいい声で鳴くんだぞ」
だ、ダメだ! やっぱりレオはイカれてる! そしてそのレオの性格を受け継いだこの子たちもイカれてるよ!
「ほーら、ズボン降ろしますよぉ」
「早くよしよしするにゃあ」
ああ、逃げられない……お酒が回って頭もふわふわしてきた。ぼ、ぼくはレオだけを愛してるっていうのに、ああ……
「ククク……なんて”元気”なんだ。血管が浮いてビクビクしてるじゃないか。しかし最高のショウだな。実に酒がうまい。こんなにうまい酒ははじめてかもしれん。そうだ、この店は定期的に開けてもらおう。我々の、我々による、我々のためのナイト・パブだ。……おっと、なんだもうか! あははは! 一分も経っていないというのに、早い! 早すぎるぞアーサー! こんなに短くちゃ酒をたのしめないじゃないか! まったく、おまえというやつは! ま、おまえは絶倫だからまだまだいきおいよく出せるだろう! せいぜいしぼまずにがんばってくれよ! あははは! あははははははー!」
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