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第二十三話 旅ゆかば、酔狂
旅ゆかば、酔狂 二
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「それじゃ早速行こうさね!」
ライブラは準備万端でここに来ていた。森の入り口にはすでに馬車が用意してあり、中には三人分の食料と、簡単な旅支度がしてあるという。
「わたしが断ったらどうするつもりだったんだ?」
「なんとしてでも連れ出したさね」
すごく強引なひとだ。案外ライブラは楽観的なのかもしれない。このときばかりはレオも本気で呆れていた。
「アーサーは剣を持ってきな。銀混じりのヤツだよ。それからレオは防衛呪術の本。着替えはいらないけど、気になるようなら用意しな。向こうに着いたらいい温泉があるから、そこで一泊して英気を養おうじゃないのさ」
さすがは風呂好き。こんなときでもお風呂のことを考えている。
「しもべはいらんのか?」
とレオが訊くと、
「ああ、連れてこない方がいいね。なにせ殺しの仕事さ。口封じされないとも限らないし、連れて行くとしたらレグルスだけど、あの子は小さくなれないからねぇ」
なんでもこの手の仕事をするときは、雇い主にいのちを狙われる恐れがあるという。まあ、そうか。秘密を知ってる人間は少ない方がいいもんね。死人に口なしだ。
「まったく、因果な商売さね。頼まれて仕事をして、ヘタすりゃ金ももらえないどころか殺されちまうんだから」
「そうだな……」
なぜかレオは一瞬暗いため息を吐き、
「わたしはごめんだ」
と妙に冷えた笑みを見せた。なんだろう。レオは殺しが好きじゃないと言ったけど、以前なにかあったのかな? 少なくとも、ぼくと出会ってからは殺しの依頼は受けてないけど……
「ま、とにかく行くとするか。何日かかるんだ?」
「三日もあれば着くさね」
「わりと遠いな」
「旅にしちゃ短いもんだよ」
そんなわけでぼくらは馬車に乗り込み、依頼主の元へと向かった。
御者はライブラだ。一頭立ての馬車で、荷台はホロ付きだがかなり狭い。ふたり向かい合って腰掛ける段差があるものの、あとは荷物で埋まっている。
「横になれそうもないな」
「すまないね。愛馬にあまり負担をかけたくないのさ。本当なら馬車なんて引かせたくないくらいでね」
ライブラはいつも馬と旅をしている。名をブラキウムという。聞けば彼女が旅をはじめたときからの相棒で、十年もの年月を共にしている。
「出会ったのは十六のときでね。最初はあたしもガキだったし、ずいぶんナメられたけど、いまじゃ双子の弟みたいな感じでさ。こいつがなにより大切なんだ」
ライブラがそう言うと、馬がうれしそうに鳴いた。まるでライブラがなにを言ったかわかってるみたいだ。
「ハハハ、その通りさ」
え、言葉がわかるの!?
「いいや、そこまではわからないよ。だけど長くいっしょにいると、お互いの気持ちがわかるのさ。声でも、顔でも、それこそ背中合わせで眠っていてもね」
へえ~、すごいなあ。……ところでライブラって二十六歳だったんだ。十六歳で出会って十年間って言ってたもんね。ぼくてっきりもう少し上かと思ってたよ。趣味も年寄り臭いし——
「アーサー、あんたいま失礼なこと考えただろ」
ドキーッ!
「う、ううん!? 仲がよくていいなあって!」
「へえ、そうかい……」
あ、危なかった。このひと勘がいいからすぐわかっちゃうんだもん。あんまりヘタなこと考えないようにしよう。
「しかし、横になれんとなると野宿か?」
とレオが訊くと、
「途中小さな街があるから夜はそこで泊まるよ」
そう言ってライブラは使い込まれたボロボロの地図を見せ、予定を話した。出発前にしっかり予定を立てており、何日目の何時ごろにどこに着き、何時に出発するかまで事細かに決まっていた。
「さすがに旅慣れているな」
「風来坊さね。これくらいのことがスッとできないようじゃ仕事にならないよ」
「ヤサはないのか?」
「あるよ。だけど家にいない日の方が多いね。ほとんど倉庫みたいなもんさ」
呪術師なんてしょせん旅鴉——そんなふうに言ってライブラは笑った。よく笑ってられるなあ。旅暮らしなんてぼくなら絶対いやだ。毎日ちゃんと自分の部屋で眠りたいし、落ち着いて暮らしたい。
だけど彼女はそれほど苦じゃないという。
「あたしも最初は大変だと思ったよ。だけど慣れちまえば悪くないもんでね。いろんな土地のものを食べたり、温泉を見て回れるのはいいもんだよ」
そうかぁ……そう聞くと悪くないのかもしれない。温泉はともかく、食べ物は魅力的だ。
「ま、生き方はそれぞれさね。あたしからしたら、あんたらみたいに森に隠れ住む方が大変だよ」
ああ、それはちょっとわかる。ぼくはいまの暮らしに満足してるけど、とはいえ街から遠くて不便だとは思う。徒歩一時間という距離は、無理なく絶妙に遠い。
だけどレオは気に入っている。
「魔術師としてこれほど楽な生活はないぞ。世の大半の魔術師は、顔を隠したりこそこそして、息苦しそうだ」
そっか、そういえばレオは魔術師だ。魔術師は仕事の顔を見られないよう仮面をかぶったり、魔法で隠したりしている。なぜなら常に同業者からいのちを狙われ得る恐ろしい業界で、身バレ防止のために素性を隠して生きなければならない。プライベートにも気を使うし、おちおち同僚を家に呼ぶこともできない。
「言われてみりゃ、あんたはあの暮らしの方が楽かもねぇ」
「それにわたしは森が好きだしな。人混みもないし、緑に囲まれて気持ちがいい。なんなら川もあるしな」
「自然が好きなんだね。案外あんた、旅に向いてるかもしれないよ」
「いや、それはないな。外だと昼までだらだら寝ていられない」
そう言ってふたりはアハハと笑った。怠惰なレオらしいや。彼女は仕事以外じゃ全力でだらけてるしなぁ。
「ところで、これから行くのはどんなところだ?」
「温泉街さぁ」
ライブラはキラリと目を輝かせて話した。
行き先は山沿いの田舎町。温泉を売りにした歓楽街だ。規模は小さいながらも行楽で成り立っており、とくに食に力を入れている。
「隣町で畜産が盛んでね」
山を背にして反対側、広い平原に隣町があり、そこから食料の大半を仕入れている。肉質は上等で種類も豊富、ミルクやたまご、チーズやバターなどといった乳製品も手に入り、山の幸にも恵まれて、ついでに酒も揃えてある。
「なるほど、観光には持ってこいだな。温泉に浸かってのんびりして、夜は名物に舌鼓か」
「そうさね。あたしゃあの街の温泉たまごが好きでねぇ」
温泉たまご?
「温泉の源泉で茹でた、ぽくぽくのゆでたまごさ。湯の成分が染み込んで、カラの表面なんか真っ黒になっちまうんだけど、それがうまくてねぇ」
言葉の終わりにジュルッとよだれ音が鳴った。そ、そんなにおいしいの?
「ああ、うまいよ。そのまま食ってもいいし、塩とマヨネーズをかけてもいい。どういうわけか温泉だと、ふつうの水で茹でるよりうまくなるんだ」
へえ……食べてみたいなぁ。
「もっとも、あたしのイチオシは半熟たまごだけどね。トロッと半熟のヤツに軽くしょうゆダレを垂らして、そいつをチュルっとすすってさ、そこに冷えたのをキューッとやるともう最高なんだよ!」
うわあ、聞いてるだけでぼくもヨダレが出てきちゃった! 早く温泉街に着かないかなぁ!
「その温泉街が狙われているのか」
「ああ、狙ってるのは農村地区の貴族さ。畜産の儲けだけじゃ飽き足らず、卸し先を乗っ取って、利益を丸ごといただこうって腹さね」
「まあ、わからんでもないな。だが歓楽街のノウハウがあるのか?」
「さあね。ま、あせってるんだろうよ。最近じゃ商家の方が金持ってるからね」
ふーん……よくわかんない話になっちゃったなぁ。なんで貴族があせるっていうんだろ。
「権力の問題さね。貴族ってのは税で食ってるわけだろ。そのうえで領土の治安維持や裁判を担ってる。すると上の立場でいなきゃならない。それなのに領民の方が発言力を持っちまったら困るだろ」
なんで困るの?
「政治を変えられちまうだろ。でかい商家は納税もでかいけどその分ツラもでかくなる。したら司法にも介入してくるし、自分たちに都合のいい法律を作らせようとしてくる。街を仕切るレベルの大店となりゃ領民も顔色うかがうから無視できない。下手すりゃ謀反さ。そうならないためにも貴族は金引っ張ってきて、街全体を繁栄させなきゃならないのさぁ」
なるほど……よくわかんないけど大変なんだなぁ。それよりぼくお腹空いてきちゃった。この燻製肉食べていい?
「バカ! 保存食を食うんじゃないよ! バカなのは知ってたけど、どこまでバカなんだい!」
わあ! ごめんなさい!
「すまんなライブラ。あとでたっぷりお仕置きしておくから」
お、お仕置き!?
「そうかい。そういやアーサー、この前レオといっしょにいろいろやってくれたね。レオならまだしも、あんたのようなマゾ犬ふぜいがこのあたしにさぁ」
あっ、いや、それはその……だってそういう流れだったし……
「こりゃ、しつけが必要だねぇ」
ひえっ!
「フフフ……ライブラ、今夜の宿は何部屋借りる?」
「ひと部屋でいいさね」
「そうか、倹約家だな」
「仕方がないじゃないのさぁ。風来坊は金がかかるんだよ~」
「あはは! ならひとつの部屋で寝るしかないなあ! まったく、困ったものだ!」
ち、ちょっと待って……なんでふたりはそんなにたのしそうなの? どうしてそんなに笑顔が怖いの?
どうして宿でひと部屋しかとらないの!? ねえ!
ライブラは準備万端でここに来ていた。森の入り口にはすでに馬車が用意してあり、中には三人分の食料と、簡単な旅支度がしてあるという。
「わたしが断ったらどうするつもりだったんだ?」
「なんとしてでも連れ出したさね」
すごく強引なひとだ。案外ライブラは楽観的なのかもしれない。このときばかりはレオも本気で呆れていた。
「アーサーは剣を持ってきな。銀混じりのヤツだよ。それからレオは防衛呪術の本。着替えはいらないけど、気になるようなら用意しな。向こうに着いたらいい温泉があるから、そこで一泊して英気を養おうじゃないのさ」
さすがは風呂好き。こんなときでもお風呂のことを考えている。
「しもべはいらんのか?」
とレオが訊くと、
「ああ、連れてこない方がいいね。なにせ殺しの仕事さ。口封じされないとも限らないし、連れて行くとしたらレグルスだけど、あの子は小さくなれないからねぇ」
なんでもこの手の仕事をするときは、雇い主にいのちを狙われる恐れがあるという。まあ、そうか。秘密を知ってる人間は少ない方がいいもんね。死人に口なしだ。
「まったく、因果な商売さね。頼まれて仕事をして、ヘタすりゃ金ももらえないどころか殺されちまうんだから」
「そうだな……」
なぜかレオは一瞬暗いため息を吐き、
「わたしはごめんだ」
と妙に冷えた笑みを見せた。なんだろう。レオは殺しが好きじゃないと言ったけど、以前なにかあったのかな? 少なくとも、ぼくと出会ってからは殺しの依頼は受けてないけど……
「ま、とにかく行くとするか。何日かかるんだ?」
「三日もあれば着くさね」
「わりと遠いな」
「旅にしちゃ短いもんだよ」
そんなわけでぼくらは馬車に乗り込み、依頼主の元へと向かった。
御者はライブラだ。一頭立ての馬車で、荷台はホロ付きだがかなり狭い。ふたり向かい合って腰掛ける段差があるものの、あとは荷物で埋まっている。
「横になれそうもないな」
「すまないね。愛馬にあまり負担をかけたくないのさ。本当なら馬車なんて引かせたくないくらいでね」
ライブラはいつも馬と旅をしている。名をブラキウムという。聞けば彼女が旅をはじめたときからの相棒で、十年もの年月を共にしている。
「出会ったのは十六のときでね。最初はあたしもガキだったし、ずいぶんナメられたけど、いまじゃ双子の弟みたいな感じでさ。こいつがなにより大切なんだ」
ライブラがそう言うと、馬がうれしそうに鳴いた。まるでライブラがなにを言ったかわかってるみたいだ。
「ハハハ、その通りさ」
え、言葉がわかるの!?
「いいや、そこまではわからないよ。だけど長くいっしょにいると、お互いの気持ちがわかるのさ。声でも、顔でも、それこそ背中合わせで眠っていてもね」
へえ~、すごいなあ。……ところでライブラって二十六歳だったんだ。十六歳で出会って十年間って言ってたもんね。ぼくてっきりもう少し上かと思ってたよ。趣味も年寄り臭いし——
「アーサー、あんたいま失礼なこと考えただろ」
ドキーッ!
「う、ううん!? 仲がよくていいなあって!」
「へえ、そうかい……」
あ、危なかった。このひと勘がいいからすぐわかっちゃうんだもん。あんまりヘタなこと考えないようにしよう。
「しかし、横になれんとなると野宿か?」
とレオが訊くと、
「途中小さな街があるから夜はそこで泊まるよ」
そう言ってライブラは使い込まれたボロボロの地図を見せ、予定を話した。出発前にしっかり予定を立てており、何日目の何時ごろにどこに着き、何時に出発するかまで事細かに決まっていた。
「さすがに旅慣れているな」
「風来坊さね。これくらいのことがスッとできないようじゃ仕事にならないよ」
「ヤサはないのか?」
「あるよ。だけど家にいない日の方が多いね。ほとんど倉庫みたいなもんさ」
呪術師なんてしょせん旅鴉——そんなふうに言ってライブラは笑った。よく笑ってられるなあ。旅暮らしなんてぼくなら絶対いやだ。毎日ちゃんと自分の部屋で眠りたいし、落ち着いて暮らしたい。
だけど彼女はそれほど苦じゃないという。
「あたしも最初は大変だと思ったよ。だけど慣れちまえば悪くないもんでね。いろんな土地のものを食べたり、温泉を見て回れるのはいいもんだよ」
そうかぁ……そう聞くと悪くないのかもしれない。温泉はともかく、食べ物は魅力的だ。
「ま、生き方はそれぞれさね。あたしからしたら、あんたらみたいに森に隠れ住む方が大変だよ」
ああ、それはちょっとわかる。ぼくはいまの暮らしに満足してるけど、とはいえ街から遠くて不便だとは思う。徒歩一時間という距離は、無理なく絶妙に遠い。
だけどレオは気に入っている。
「魔術師としてこれほど楽な生活はないぞ。世の大半の魔術師は、顔を隠したりこそこそして、息苦しそうだ」
そっか、そういえばレオは魔術師だ。魔術師は仕事の顔を見られないよう仮面をかぶったり、魔法で隠したりしている。なぜなら常に同業者からいのちを狙われ得る恐ろしい業界で、身バレ防止のために素性を隠して生きなければならない。プライベートにも気を使うし、おちおち同僚を家に呼ぶこともできない。
「言われてみりゃ、あんたはあの暮らしの方が楽かもねぇ」
「それにわたしは森が好きだしな。人混みもないし、緑に囲まれて気持ちがいい。なんなら川もあるしな」
「自然が好きなんだね。案外あんた、旅に向いてるかもしれないよ」
「いや、それはないな。外だと昼までだらだら寝ていられない」
そう言ってふたりはアハハと笑った。怠惰なレオらしいや。彼女は仕事以外じゃ全力でだらけてるしなぁ。
「ところで、これから行くのはどんなところだ?」
「温泉街さぁ」
ライブラはキラリと目を輝かせて話した。
行き先は山沿いの田舎町。温泉を売りにした歓楽街だ。規模は小さいながらも行楽で成り立っており、とくに食に力を入れている。
「隣町で畜産が盛んでね」
山を背にして反対側、広い平原に隣町があり、そこから食料の大半を仕入れている。肉質は上等で種類も豊富、ミルクやたまご、チーズやバターなどといった乳製品も手に入り、山の幸にも恵まれて、ついでに酒も揃えてある。
「なるほど、観光には持ってこいだな。温泉に浸かってのんびりして、夜は名物に舌鼓か」
「そうさね。あたしゃあの街の温泉たまごが好きでねぇ」
温泉たまご?
「温泉の源泉で茹でた、ぽくぽくのゆでたまごさ。湯の成分が染み込んで、カラの表面なんか真っ黒になっちまうんだけど、それがうまくてねぇ」
言葉の終わりにジュルッとよだれ音が鳴った。そ、そんなにおいしいの?
「ああ、うまいよ。そのまま食ってもいいし、塩とマヨネーズをかけてもいい。どういうわけか温泉だと、ふつうの水で茹でるよりうまくなるんだ」
へえ……食べてみたいなぁ。
「もっとも、あたしのイチオシは半熟たまごだけどね。トロッと半熟のヤツに軽くしょうゆダレを垂らして、そいつをチュルっとすすってさ、そこに冷えたのをキューッとやるともう最高なんだよ!」
うわあ、聞いてるだけでぼくもヨダレが出てきちゃった! 早く温泉街に着かないかなぁ!
「その温泉街が狙われているのか」
「ああ、狙ってるのは農村地区の貴族さ。畜産の儲けだけじゃ飽き足らず、卸し先を乗っ取って、利益を丸ごといただこうって腹さね」
「まあ、わからんでもないな。だが歓楽街のノウハウがあるのか?」
「さあね。ま、あせってるんだろうよ。最近じゃ商家の方が金持ってるからね」
ふーん……よくわかんない話になっちゃったなぁ。なんで貴族があせるっていうんだろ。
「権力の問題さね。貴族ってのは税で食ってるわけだろ。そのうえで領土の治安維持や裁判を担ってる。すると上の立場でいなきゃならない。それなのに領民の方が発言力を持っちまったら困るだろ」
なんで困るの?
「政治を変えられちまうだろ。でかい商家は納税もでかいけどその分ツラもでかくなる。したら司法にも介入してくるし、自分たちに都合のいい法律を作らせようとしてくる。街を仕切るレベルの大店となりゃ領民も顔色うかがうから無視できない。下手すりゃ謀反さ。そうならないためにも貴族は金引っ張ってきて、街全体を繁栄させなきゃならないのさぁ」
なるほど……よくわかんないけど大変なんだなぁ。それよりぼくお腹空いてきちゃった。この燻製肉食べていい?
「バカ! 保存食を食うんじゃないよ! バカなのは知ってたけど、どこまでバカなんだい!」
わあ! ごめんなさい!
「すまんなライブラ。あとでたっぷりお仕置きしておくから」
お、お仕置き!?
「そうかい。そういやアーサー、この前レオといっしょにいろいろやってくれたね。レオならまだしも、あんたのようなマゾ犬ふぜいがこのあたしにさぁ」
あっ、いや、それはその……だってそういう流れだったし……
「こりゃ、しつけが必要だねぇ」
ひえっ!
「フフフ……ライブラ、今夜の宿は何部屋借りる?」
「ひと部屋でいいさね」
「そうか、倹約家だな」
「仕方がないじゃないのさぁ。風来坊は金がかかるんだよ~」
「あはは! ならひとつの部屋で寝るしかないなあ! まったく、困ったものだ!」
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