小さな星屑

イケダユウト

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第二章

小さな星屑 第八話

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 純の勧誘に失敗した蒼太と真矢は、二人して廊下で腕を組みながら眉間にシワを寄せていた。



「純のやつ、一緒にやってくれると思ったんだけどなぁ」

「なかなか上手い事いかんなぁ。それにしても純って、身体は細いし色も白いから、まるで一反木綿みたいやなぁ」



真矢はそう言いながら蒼太の前に立つと、腕をクネクネさせて一反木綿の真似をしてみせた。案の定、蒼太は何をやっているんだと呆れた顔で見ている。



「…冗談やんか。でも、ダンスが出来るようには見えんかったけどなぁ」



そう言って真矢は再び前を向き直した。



「確かに純は昔から走るのも早くなかったし筋力もあるタイプではなかったけど、バランス感覚は良かったし楽器も弾けるからリズム感はめちゃくちゃ良いんだ」

「へぇ~そうなんか。でも、やりたないって言うてるやつを無理やりやらせんのは、どうかと思うけどなぁ」



どうやら真矢は自分がしつこく颯太のことを誘っていたことは、すっかり忘れてしまっているようだ。



「そんなことない。純も俺と一緒で、やりたいけど一歩踏み出せていないだけなんだよ」



先ほどの雰囲気から蒼太は、純も自分と同じようにやりたいことにちゃんと向き合えていないだけだと感じていた。



「そうか……よっしゃ‼︎ほな、俺にええ考えがある‼︎」



そう言うと真矢は純を勧誘する為のアイデァを意気揚々と話し始めた。






 午後になって数学の授業を聞きながら、純は蒼太たちとの朝のやり取りのことを考えていた。



「怒鳴るのは流石にまずかったかな……」

「おい、早乙女。手が止まってるぞ」



蒼太に対して悪いことをしてしまったなぁ、と考えているとノートを書く手が止まっていたようで、先生に注されてしまった。



「あっ、すみません」

「じゃあこの問題、前に出て解いてくれるか」

「はい、わかりました」



先生に指名された純は、黒板にすらすらと答えを書いていく。



「……うん、正解だ。流石、学年成績トップだ」



先生にそう言われてると、純は静かに自分の席へと戻った。純は幼い頃から勉強が出来て、中学も高校もずっと学年で一番の成績だった。蒼太のことはひとまず置いておいて、今はしっかり授業を聞かないと。そう思い、純は黙々とノートを取り始めた。




 

 放課後になり、純は蒼太たちに朝のことを謝ろうと、2年B組の教室に来た。しかし、蒼太たちの姿がどこにも見当たらない。



「あれ?純ちゃん、どうしたの?」



辺りを見回して探していた純に気付いた比奈が声をかけた。



「比奈ちゃん。蒼太君は?」

「蒼太ならやることがあるって、弓瀬君と一緒に急いで帰って行ったよ。何かあった?」

「いや、帰ったならいいや。ありがとう」



謝る機会を逃してしまったのは良い気がしないが、居ないものはしょうがない。純は教室を後にした。






 純が蒼太たちを尋ねていた頃、蒼太と真矢はとある場所に来ていた。



「なぁ、弓瀬。確かに良い考えなのは分かるんだが、ほんとに…」

「勿論やるで‼︎ダンスの良さを伝えるんやったら、これが一番や‼︎」

「そうだけどよぉ……」

「ずべこべ言ってやんと、早よ行くで‼︎」



真矢は渋る蒼太の腕を強引に引っ張っていった。


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