小さな星屑

イケダユウト

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第二章

小さな星屑 第七話

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 蒼太が真矢とダンスを始めてから一週間が経った。朝練が終わった後、蒼太はふと疑問に思っていたことを真矢に投げかけた。



「ところで俺たちは、一体何に向かって練習しているんだ?」



これまでは真矢が練習していたダンスを蒼太が教わっていたのだが、振りも覚えて二人で合わせることも出来る様になってきた。日本中を元気にすることが夢だとはいっても、明確な目標はあった方が良い。



「それがまだ決めてないんや。目標があった方がええのは分かってるんやけど、まだまだ練習足らへんし。それにコンテストに出るにしても、もうちょい人数欲しいとも思うしなぁ」

「人数か…」



蒼太は腕を組み少し考えた。



「一人誘いたいやつがいるんだ。同じ中学でずっと一緒に行動していた奴がいて。音楽のことにも詳しいし、メンバーに入れたいなぁって」

「おぉ‼︎ほな、早速誘いに行こうや‼︎」



二人は屋上を後にして、蒼太が言うメンバー候補がいるクラスへと向かった。







「それでどいつや?」



真矢は連れられて来た2年A組のドアのそばで蒼太に尋ねた。



「ほら、あそこでヘッドフォンして音楽聴いてるやつだよ」



そう言うと蒼太は、窓際でヘッドフォンをしながら音楽を聴いている、少しクセ毛で髪の長い男子に近づいていった。



「よう純、元気か?」



蒼太のことに気が付いた早乙女 純(さおとめ じゅん)は、ヘッドフォンを外して振り向いた。



「蒼太君、どうしたの?」

「ちょっと純に話があるんだ。突然だけど、俺たちと一緒にダンスしないか?」

「えっ?」



あまりに突然の問いかけに純は驚いた様子だった。そんな純の様子にもお構いなしに蒼太は話を続けた。



「ダンスだよダンス。純、音楽とかエンタメとか好きだろ?」

「…無理だよ。確かにダンスは好きだけど、僕運動苦手だし…」

「そんなこと言うなよ、一緒にやろうぜ‼︎」

「出来ないって」

「大丈夫だって。俺らも一緒に練習するからさぁ」

「出来ないって」

「出来るって。俺、お前と一緒に…」

「だから出来ないって言ってんじゃん‼︎」



しつこく誘ってくる蒼太に、純は思わず机を叩いて大声を出してしまった。驚いた蒼太や周りの様子を見て、純はふと我に返った。



「…ごめん、次教室移動しなきゃいけないから」



純はそう言って、気まずそうに教科書を持って立ち上がると、足早に教室から出て行ってしまった。



「おい、純‼︎」



蒼太は呼び止めたが、構わず純は行ってしまった。



「どうやら勧誘失敗やな」

「畜生…何でだよ純…」







蒼太たちが純をダンスに勧誘している頃、隼人と比奈は教室に居た。



「蒼太、ダンス始めたみたいだね」

「そうみたいだな。ったく、素直じゃないんだからあいつは」



隼人はあの朝、楽しそうに踊っていた蒼太の姿を思い出しながらクスッと笑った。



「隼人君は?一緒にやらないの?」

「ん?あぁ…俺は良いかな」



隼人は比奈から目線を外すと、何かを考えるように遠くを見ながら言った。



「やっぱり、あのことが…」

「それは関係ない…第一、気にしてるのなら親友にダンスしろなんて言わないよ」



隼人はすぐさま否定をしたが、二人の間にはほんの少しだけ重い空気が漂っていた。


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