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触手系な彼女から見て
自己嫌悪はやめる、そしてデートへ
しおりを挟む先輩との行為をちゃんと始める前に自己嫌悪しまくりました。
傷を治す気ないとか思ったけど、治す勇気がないだけだろ自分とか。
拒否されるのが怖いから何でも無い顔とか優しい顔してるだけだろ自分。
という風になりました。
そんなのはいけない、今は先輩とちゃんとしないと。
「先輩そろそろ挿れますね」
「はや……く……」
先輩はかなりじらされていたようです。
色々考えて最終的に自己嫌悪した結果がこれだよご先祖様。
「では、失礼します」
触手の一本をゆっくりとほぐれた後孔に挿入します。
「お゛お゛」
濁った喘ぎ声が聞こえますが、先輩の声はそれでも綺麗で心地が良いです。
「あ゛、あ゛ー……!!」
前立腺を優しく撫でながら、奥をどちゅどちゅと刺激してあげれば先輩は射精して体を震わせました。
触手じゃないとできない芸当、えへん。
「もっと……」
「はい、先輩」
おねだりする可愛い先輩はたっぷり可愛がってあげましょう。
「先輩ごめんなさい」
「いや……いいんだ、やめてくれと言わなかった私に非がある」
はい、先輩の体力がそこを尽きる程やっちゃいましたー!
私の馬鹿!
大馬鹿!!
と心の中で自分を罵ってもやっちゃったことは変わらないのでとりあえず、冷蔵庫から血液パックを取ってこようと立ち上がろうとすると先輩が私の腕を握りました。
「側に……いてくれ……」
「──分かりました、側にいます」
そう答えて座り、先輩の顔を撫でます。
撫でながら触手を伸ばして冷蔵庫から血液パックを取ってきました。
「先輩、飲めますか?」
先輩はそれにこくりと頷いて、少しだけ体を起こしたので、私は補助をしました。
先輩はちうちうと可愛らしく飲み始めて、ちょっと可愛らしすぎてやばいです。
「マナ……」
先輩は血液パックをゴミ箱に捨てて、私に抱きつきました。
「何ですか?」
「ありがとう……」
そう言って眠ってしまいました。
眠ってしまった先輩をベッドに寝かせます。
困りました。
側にいて欲しいといわれたのだから、起きるまで側にいないといけない。
いなくなったらきっと傷つく。
私は仕方ないので先輩が起きているまで、ベッドの横にいることにしました。
先輩も疲れていたようですが、私も疲れていたので眠ることにしました。
ベッドに頭を乗せるだけの寝方ですが仕方ありません。
「マナ、すまない……」
「いえ、いいんですよ先輩」
土下座する先輩に私はそう答えます。
「先輩に無理させちゃった私が悪いんですし……」
「だが……」
私は先輩の手を握って言います。
「失敗は誰にでもあるものです、次に生かしましょう?」
「……」
「もし気にしているというなら、今度私とデートをしませんか?」
「な……?! で、でーと?!」
「と、言っても買い物して、カフェでのんびりとかするだけですよ。あ、それよりもおうちデートがいいですか?」
「い、いや! き、君と外で一緒に歩きたい!!」
「本当ですか? いつにします?」
「明日!!」
「え」
早くないですか?
「んー……分かりました、では明日。先輩の家まで迎えに来ますね」
「え、しかし……」
「また、先輩に近づく輩が私の家に来るまで出るのは嫌なんですよ」
「わ、分かった……」
「では先輩、今日はゆっくり休んでくださいね。明日の朝十時に迎えに来ますから」
「ああ」
私はそう言って先輩の居るマンションを後にしました。
家に着くと即座に電話。
『はい、こちら──』
「触手族のマナです、シュラさんに変わってください」
『! ああ、はい! 少々お待ちを!!』
少し電話を待つと男の人の声がしました。
『マナか、久しぶりだな』
「お久しぶりですシュラさん、今日はご報告があります」
『何だ?』
「明日、結婚前提の御方とデートをすることになりましたので護衛の方を分からないように配置してください」
『ああ、件の半吸血鬼の青年だな大企業グレイグの御曹司クルス』
「ええ、はい。私が大事にするのはアレなのでならないように補助をお願いします」
『分かった、手配しよう』
「ちなみにこんなコースを予定してますが、外れたら即座に対応お願いします」
『分かった』
シュラさんにデートの予定を事細かに説明して、そして護衛の方を用意して貰います。
「では、お願いします」
『分かった、マナ』
「何ですか」
『デートは楽しみなさい、いいね』
「はい」
とりあえず、デート中に近づいてくる輩を妨害する処置をとれました。
問題はデートで私がヘマをしないかです。
「……とりあえず、着く前に帽子を買っておきましょうか、先輩の美しいお顔に寄ってくる悪い虫さんは減らしておきしょう」
そんな計画を立てながら、私は明日までぐっすり寝ることができました。
翌日、先輩に被せる帽子を購入すると、そのまま先輩のマンションに向かいます。
鍵を開け、先輩の部屋に入ると、先輩はまだ眠っていました。
「先輩?」
私の声にはっと先輩は目を覚ましました。
「す、すまない……薬を飲んだのだが寝付けなくて……量を増やしたら……その寝ててすまない」
「いいんですよ、じゃあ先輩着替えてください」
「わ、わかった」
先輩は戸惑いながら着替えているようでした。
勿論見ていません。
先輩が着替え終わりました。
シンプルですが、ブランド物の服でした。
シンプルなのが助かりました。
黒い帽子をかぶって貰います。
「人避けになるかわかりませんが、ないよりはマシかもと」
「分かった、ありがとう」
「いえいえ」
先輩にそう言って、私達はマンションから出ます。
手はしっかりとつないで。
「お金は大丈夫ですか?」
「一応、現金と電子、カード全部持っている」
「分かりました」
とりあえず大丈夫そうなので、私は先輩を誘導するように手を掴んで歩きながら、朝のお茶を楽しむべくカフェに入ります。
「先輩大丈夫ですよ、吸血鬼用のメニューもありますから」
「そ、そうか」
私はそう言うと、季節限定のお茶を頼み、先輩はO型の血液を頼んでいました。
「店員が少し驚いていたようだが……」
「朝に吸血鬼のメニューを出されたからちょっと驚いただけかと」
吸血鬼がカフェなどを使うのは主に夜になります。
なので、半吸血鬼の先輩がそのメニューを頼んだのに驚いているだけです。
実際メニュー通りの物を持ってきてくれましたし。
お茶は美味しくいただけ、先輩も食事がとれてよかった感じです。
では、デートの続きと行きましょうか──
応援ありがとうございます!
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