触手系な彼女と半吸血鬼な彼氏の性事情

琴葉悠

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半吸血鬼の彼氏から見て

半吸血鬼の私と、触手系な彼女

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 私はクルス。
 とある大企業を運営する吸血鬼である父と、その補佐をする人である母の間に生まれた半吸血鬼。
 美貌――と言われるとエルフ、吸血鬼、ニンフ、等色々上がるが、半吸血鬼も美貌の持ち主ばかりだ。
 皮肉なことに、私はその通りの容姿通りに育った。
 その容姿ゆえ、私は何度も誘拐され――性的な暴力を振るわれた。
 力も上手く使いこなせないような子どもを誘拐して、犯すことなど簡単なのだろう。

 度重なるその行為の所為で、私の体は「普通」と大きく異なる状態にされた。
 何度も治療を受けた、何度も、何度も、だけれども――
 つけられた「傷」が深く、完治させることは誰もできなかった。
 表面上は傷は何処にもない、だが「体」に「精神」に爪痕は残った。

 家族以外誰にも言えない、否。
 家族以外、怖くて、私は近寄りたくない。
 近寄れない、特に男は、淫魔や、オーク等は。

 性的な暴行によって、私の「性」の部分は自分ではどうすることもできない状態になっていた。
 医療的なそういう行為も受けた、男も、女も――だが、どれも吐き気がして、苦しくて、耐えられずいつも中断した。

 だから、自分は一生この歪にされた「性」を抱えて生きていくのだ、抑え込んで生きていかなければならないのか、と憂鬱になりながら、毎日を過ごしていた。


 大学に入るとき、両親には反対された、それはそうだ、誘拐され犯され、それで傷を負っている一人息子を、すぐに守ることができない一人暮らしさせるなど、普通反対するだろう。
 でも、正直一人になりたかった、両親はずっとそのことに責任を感じ、自分を腫物のように扱うのが苦しかった、悲しかった。
 何とか説得して、一人暮らし――もちろん父が選んだ防犯設備が整っているマンションに暮らし、バイトはせず、二日に一回は連絡する、何かあったらすぐ連絡する、という条件で許された。

 両親から離れて気分は少し楽になったが、別の問題が起きた。
 半吸血鬼は珍しい、そしてどうやら私の容姿は性別、年齢、種族問わず魅了する物だったようだ。
 結果、頻繁に男に告白され、飲み会で女集めに使われ、男女問わず追い掛け回され、告白され、鬱陶しい日々が始まった。

 一年が経過した時、男共に絡まれている新入生らしき学生を見た。
 桃色の髪に、桃色の目、人ではないが淫魔のような感じはしない不思議な女性。
 非常に困った顔をしているが、ちょうど私以外学生がいない。
『何をしている、強引な勧誘は、禁止されているはずだ』
 と、スマートフォンを手に持ちながら警告すると、男共は舌打ちして逃げていった。
 この大学は禁止行為をしている学生を見つけた場合報告する部門がしっかりしているので、報告されれば色々と面倒なことになると分かっているのか、男共は逃げていったのが分かる。
『法務部に連絡すれば、対処してもらえるのに、どうしてしなかった?』
『す、すみません、今日スマートフォン忘れてしまって……』
『それはすまない……君は新入生か?』
『あ、はい。園芸学部一年のマナと申します。助けてくださり有難うございます』
『そうか、次からはスマートフォンを忘れないように』
『はい、有難うございます! ああ、もうすぐ講義がはじまる!! お、お礼もできずすみません、失礼します!!』
 その子はそう言って駆け足でその場を去っていった。
『……』
 今までの場合なら、女達なら講義など放置して私の連絡先を聞いたり、お礼をするから何処か行こうなど誘ったりするのだが、どうやら生真面目で外見で判断するような子ではないのか、謝るように去っていったのは初めてだった。
『……真面目な学生もいるものだな』
 その時はそういう認識だった。
 だが、他の女達と違う為、何故か彼女の事は忘れられなかった。

 それから二年が経過し、問題が無ければ私は卒業できる学年になった。
 就職先も考えなければいけない、指定した会社にしろと父が言うだろうか、とかそういう事を考えながらその日も過ごしていた。
 その日は嫌な日だった、半淫魔の女が回りを自分の味方で囲んで、私を恋人にしようとしてきた、しかも「魅了」や「誘惑」まで使用して。
 抑え込んでいた「熱」が歪な「性」が体を苛む苦しみに耐えながら、女の行為の内容とかを冷静に否定し、拒絶してその場を立ち去った。
 やかましい喚き声が聞こえたが、知った事ではないし、法律で特定の「仕事」や「夫婦間」以外では使ってはならないそれを使った件を法務部に連絡して、その日必死に耐えていた。
 どうやって耐えていたか、あまり記憶がない。
 気が付いたら裏路地に迷い込んでいた、あまり良くないと立ち去ろうとしたら声がした、良からぬ声が。
 そちらの方に向かうと、ああ、二年前助けた新入生――マナが居た。
 男達に囲まれている、中にはオーク種の血を引いてるらしい男もいる。
 恐怖心はあったが助けなければと動こうとしたその時だった――


「ええ、いいですよ」

「これでも、よろしければ」

 その言葉と同時に、彼女のスカートや服の隙間から無数の触手が現れた。
 男達は悲鳴を上げて逃げ出した。
 その触手に、体がざわついた。

 男の物ではない、偽物でもない、それでいて、自分を貫いてくれる物。

 体が勝手に動いて、その場所にあった、棒みたいなものと接触しそれが倒れた。
 音がして彼女がこちらを振り向いた、明らかに動揺した顔で。

「君は……園芸学部の……マナ、さん。だったか?」
 近づいて、声をかけてしまう。
「……は、はいそう、です……」
 彼女は何処かばつわるそうな顔をしながらこちらをうかがっている。
「今のは……触手……君は、触手族の……血を引いてる?」
「……は、はい……あ、あのできれば、他の――」
 彼女の言葉に、私は無意識に彼女の肩を掴んでしまった、藁にもすがるような思いだった。
「――君に質問したい、君の性的欲求は『触手族特有』のものか?」
「……は、はい」
 あまり良くないのは分かっているが吸血種特有の術で正直に話してもらった。
「……君に折り入って頼みがある」
「……はい?」
 彼女は何がなんだかわからないような顔をしていた。


 その場で話すのもどうかと思い、私は彼女をマンションの自室に連れて行った。
 彼女は、逃げるという行動も、自分に襲い掛かるという行動も何もせず、自分についてきている。

 やはり、変わっている。

 部屋に着くと、彼女を普段自分が座っているソファーに座らせ、私はベッドに腰をかける。
 彼女は少し緊張した面持ちで聞いてきた。
「あ、あの、私に頼みってなんでしょう?」
「――私の彼女なって欲しい、それが嫌ならセフレになって欲しい」
 我ながら、酷い内容の頼み事だと思う。
「……はい?」
 まぁ、そうなるだろう。

 正直に言うのは辛いが、言わなければ、多分彼女は拒否するだろうと思い私は自分の事を話した。
 正直、話すのは辛かったが、あの半淫魔の術が質が悪かったのか、「熱」が時間がたつごとに悪化していく。

 早く、早く、楽に、なりたい。

「できれば、早い答えが欲しい」
 話し終える頃、もう私はかなり限界だった、呼吸も乱れ、体が熱くてたまらない、腹の奥が疼く、苦しくてたまらない。
 絶望するなら早く絶望させてくれ、楽にするなら、早く楽にさせて欲しいそんな思いが心を占める。
「――いいですよ、彼女、でも。ああ、でもお願いが一つ、私、教授とか学校には触手族の血を引いてるのを報告してますが、学生の方々は私がそうなのを知らないんですよ、だからそれを内緒にしてくれるなら」
 彼女の言葉は私にとって嬉しい事だった、それにその程度のお願いなど、お願いと呼べない、もっと言ってもいいとすら思った。
「ありがとう、それでは――」
「ああ、その、良ければ今すぐ、抱いていいですか?」
 彼女は私の言葉を遮るようにそう言って、スカートと一緒にショーツを下ろし、下半身を触手状態にして私に訊ねてきた。
 私は驚いた、自分が願う前に、彼女の方からそう言ってくるとは思わなかったのだ。

「先輩がいやなら、我慢します」

 彼女の触手が、私の唇を触る、押し付けるようにではなく、ふにふにと感触を確かめる様に触ってきた。
 ぞわぞわと口の中にも「熱」が生まれ、その熱の望むままに舌を出して舐め、咥え、口淫を始めていた。
 腹のナカが早くこっちもと言わんばかりに疼きが強くなり、男性器――睾丸が張って苦しい、射精したい、出したいという欲も出る。
 少しすると、口から触手が抜かれた、もっと咥えていたい、出してほしいという願望が声にならない声になって零れた。
「先輩、そのままだと服を破くことになってしまうので、もし先輩がしたいなら、着ている物を脱いでいただけませんか?」
 彼女の言葉に慌てて服を脱ごうとするが、上手く脱げない、ああ、破いてしまいたい!
「先輩、急がなくても逃げませんから」
 彼女が触手で私の頬を撫でる感触に少し落ち着いて、服と下着を脱ぐことができた。

 裸になると余計に鼓動が五月蠅い、熱が酷くなる、早く触れてほしい、早く早く!!

「あ、先輩、私の手で触れないほうがいいですよね。触手だけで触ったほうがいいですよね。あ、それとも全身触手にしたほうがいいですか?」
 彼女の優しさ、気遣いがまるでお預けに感じて苦しい、でも言わなければ言わない。
 そう、だな……確かに性器は人とか道具だと、気持ち悪いが、それ以外は落ち着く……。
「……い、いや、性器とか以外は、人の手で触れてもらえる、と……落ち着く……」
 私が答えると、彼女は少し考えて口を開いた。
「わかりましたでは」
 彼女は触手の量を増やし、形状を変えて、椅子の形にした。
「はい、どうぞ先輩座ってください」
 私は恐る恐る、そして酷く興奮しながらその触手の椅子に座る。
 彼女は私の頬を手で撫でながら、触手でゆっくりと体を触り始めた。
「怖かったら言ってくださいね、すぐ止めますから」
「……ありがとう」
 優しいのが嬉しい反面、寸止めをされているように感じて苦しい。
「いえいえ」
 彼女はそういうと、性器を避けて触手で私の体を触り始めた。
 人型や淫魔や道具などとは異なる愛撫に体が快感を感じ始める。
「っ……」
 気持ちよいのに、寸止めなのが苦しくてたまらない、イケないのが苦しい、早く早く!!

 漸く性器を触られ始めると、快感が増す、でもまだイケない、勃起できてない私の雄からは容量を超えたらしい精液が零れていた、ああ、それすらも気持ちよくてたまらない。
 そう思った直後、後孔を触手が触る感触がした、それだけで酷い快感を感じ、疼きが悪化する、もう私の頭の中はぐちゃぐちゃだった。
「先輩、ほぐしますね」
 彼女の言葉に私は頷く、ああ、漸くもらえる、と体が悦んでしまっていた。



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