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第五章:結ばれた縁と謎
長期休暇と色んなことの始まり?(お前の性格の結果が出るぞfrom神)
しおりを挟む「はー……」
私はベネデットに「全てを救うなんて不可能だ」と告げたその夜、疲れてベッドに横になっていた。
――昔から言うじゃないか、誰かの幸せは誰かの不幸の上にあるって――
ヴィオレ家の連中の幸福は、エリアの不幸の上にあった。
今はそれが逆転している。
クレメンテの不幸の上には、クレメンテの生みの親の幸福があった。
これも逆転している、というかもうクレメンテの生みの親はいない。
父母共に処刑された。
アルバートとカルミネは?
エドガルドは?
考えれば色々と分からなくなる。
「ああ、もう」
まだ、やる事は山ほどあるのに、それが何か分からなくて、何から手をつければいいのか分からないというよくない状態だ。
案件は山ほどあるのに、その案件の内容があやふやでどうしたらいいのか分からないのと似ていて嫌になる。
『とりあえず、お前は長期休み期間まで過ごせばいい』
なんて、神様は言うが、そうそう簡単にいくものかと、頭を抱える。
――ん?――
――長期休み期間って……来月じゃね?――
――どういう事だ――
頭を抱えて考え込んでいると、ノック音が聞こえた。
複数の手の音。
「はい? どうしましたか?」
そう答えれば、扉が開き――以前のあのだるま落とし状態で乗っかり合ってるエリア達がいた。
しかも乗っかってる順番も前回と一緒だ。
「どうしたんですか一体?」
私は慌てて駆け寄り、全員をその状態からちゃんと立たせる。
「ダンテ様に、お話があって……」
エリアはかつてのようなおどおどとした言い方はせず、ゆっくりとそれでもはっきりとして言うようになっていた。
おどおどしているエリアはそれが私達限定でこの二ヶ月の間になくなっていた。
エリアの件は色々あった。
ヴァレンテ陛下の方に、エリアに直接危害……最終的にいわゆる強姦をした連中の関係者が労働監獄所にぶち込むことを望んだ。
エリアがインヴェルノ王国の次期国王の「客人」だということが広く伝わり、その「客人」を穢す様な行為をした輩を家に置いておけば何が起きるか分からないからという事で、エリアの事の関係者は全員牢獄行き。
前世で言えば刑務所にぶち込まれ、死ぬまで出られない事になる。
なので、カリオさんと会えるような安全な状態になり、つい先日カリオさんとエリアは再会した。
白髪交じりの老齢の男性だった。
魔力は其処迄高くない、比較的一般的な人なのだろうと思った。
前世的に言えば60程のナイスミドルに、エリアは泣いて抱き着いた。
『もう、会えないかと思ってました……!!』
泣いて抱き着くエリアを見て、私はほっとした。
あまり泣けない彼が泣くということは、安心できる状況という事だからだ。
『エリア様、無事でよかった……!!』
カリオさんはそう言ってエリアを抱きしめてから、私達を見た。
『本当に、何とお礼を……!!』
感極まって、言葉に詰まるカリオさんに私は「お気になさらず」と返した。
しばらく抱き合う二人を見て、私もちょっともらい泣きした。
そんな私にフィレンツォはハンカチをくれたので有難かった。
が、その後、何故かカリオさんを連れて行ってしまった。
連れて行った理由が私には教えられず、その後フィレンツォが戻ってきてエリアを連れて行ってからカリオさんは先ほどとは全く違う酷く真面目な表情で私に言った。
『どうか、エリア様を大切にしてくださいませ』
大切にするつもりだから「大丈夫です、大切にします」みたく言ったら、なんかフィレンツォが「やれやれこの人なんも分かってねーや」と言いたげな顔をして私を見た。
解せぬ。
その後カリオさんは何故か母国のプリマヴェーラ王国ではなくインヴェルノ王国へと向かったらしい。
――わけわからん――
こうして、エリアの件は解決した。
次はクレメンテ。
いや、これは正直思い出したくない。
というか現在進行形だからしんどい。
拗れた兄弟関係に巻き込まれるとかもう二度と御免だと思うけれどもアルバートとカルミネの件で巻き込まれる可能性があったので憂鬱になった。
もう少しフォローとかすりゃよかったのにエルヴィーノ陛下コミュニケーション能力私以下で、メンタル実はくそ雑魚ナメクジじゃないかとすら思う。
とディスることは表ではしない。
クレメンテと手紙とやり取りをしているし、たまに会いに来るときがあるが――
大体土下座してる。
クレメンテはそれを冷めた目で見てる。
――これどうしようもねぇな――
これが私の感想である。
ちなみに、ここでも不可思議なことがあった。
私がちょっとだけクレメンテのエルヴィーノ陛下へのディスり具合の過激さについて、クレメンテとあれこれ話していた間、エルヴィーノ陛下とフィレンツォが話し合ってたらしくその結果――
『ダンテ・インヴェルノ殿下!! 貴方は私の弟を弄ぶおつもりですか?!?!』
と、首の襟掴まれて揺さぶられた、意味が分からなかった。
いや、だってまだクレメンテとは友人関係だし、そういう関係じゃないし。
ちなみに、クレメンテがその後――
『兄上、最低です』
と吐き捨てて、私を引きずっていった。
私は真っ白に燃え尽きた灰になって崩れ落ちる様に、その場で体勢を崩して膝をつく様を見ながら私はその場から引き離された。
ちなみに、この一件でクレメンテとエルヴィーノ陛下の仲は更に悪化したらしい。
――一体どういうこっちゃい?――
で、アルバートとカルミネ。
こちら、何故か今二進も三進もいかない。
フィレンツォ曰く。
『今のダンテ様では進めることはできないでしょう』
との事。
まぁ、そうだろうなぁ友人としか思われてないし。
そんな風に私が日々を過ごし学院が長期休暇所謂夏休みに入って一週間経過した日の事――
『さぁ、覚悟しろ、ダンテ。お前のその性格故の結果が出るぞ』
寝ようと思っていたその時、神様の言葉が降ってきた。
――はい?――
――行動の結果じゃなくて、性格故の結果?――
――あと、まだ一年経ってないんだけど、どゆこと?――
私はしばらく混乱し続けた。
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