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第六章:こんなハーレムいいですか?
色々あったらしいが、言うべきことは決まってる(プッツン怖いなfrom神)
しおりを挟む目が覚めて、惨状に頭を抱える。
独特の匂いと、甘い香りとかが混じった空気。
ぐったりとしている五人。
首から下がキスマークだらけの私。
無論尻は痛くない、襲い受けされたのだから集団で。
部屋の隣に風呂場があるのを確認した私は全員を風呂に入れて洗ってから最初服を着せてそのまま寝かせ、私も風呂にはいってから着替えて、鏡を見て身を整えて息を吐く。
そして、部屋を出た。
「ダンテ殿下、おはようございます。昨晩はお楽しみになられましたか?」
などと平然と言い放つフィレンツォに私は――
「何がお楽しみだボケェ!! 奥さんに連絡するからな覚悟しろ!!」
と顔面に右ストレートをぶち込んだ。
渾身の利き腕のストレートを喰らって昏倒しているフィレンツォを私はゲシゲシと蹴り続ける。
「だ、ダンテ殿下。あ、あまりそのような……」
「ブリジッタさん、止めないでください。今回ばかりは私も我慢できないのです」
困惑するブリジッタさんに私は笑みで返した。
「ぐ、ぐおお……わ、私は間違った事はして」
「間違った事とかどうとかじゃねぇんだよ!! 五人への焚きつけ方を考えろってんだこのアホが!!」
反省しないフィレンツォの腰に腕を回してバックドロップで完全に落としてやる。
「ごは!!」
片腕を上げて勝利のポーズを決めるが、まぁこの世界でそれがわかる人などいないのでブリジッタさんはおろおろしている。
「ブリジッタさん、私はちょっと自室で休んでますので。フィレンツォの事お願いしますね」
そのまま放置でもいいのだが、さすがにそれもどうかと思ったので、無関係とは言い難いブリジッタさんにお願いすると、彼女は頷いてフィレンツォの手当にあたった。
それをみてから、自室に戻り、私は目を閉じた――
「――で、私が怒っているの、分かってらっしゃいますよね」
『……うむ』
「次同じことしたらフィレンツォにかける予定だったプロレス技全部喰らってもらいますからね」
『……わかった』
神様とはいえやっていい事と悪いことがある。
神様は乗り越えられない試練は与えない、そうではない場合は試練ではないから逃げろという言葉を聞いたことがあるが、最後のアレは試練じゃなくて逃げなきゃ不味い奴だったと思う。
記憶がないけども、そう思ってしまうのだ。
――一人ずつで綺麗に終わってくれればよかったのに、最後に五人総出で襲われるとか地獄にもほどがある――
「で、次同じことはありますか、現時点で?」
『そこまではまだわからん、とりあえず今私が分かるのはお前達が幸せになる地点、ゴールでありスタート地点までだ』
「マジですか」
『マジだ』
私は息を吐いて額に手を当てる。
――次はああいうのしないように五人に言おう――
私はそう決意した。
「――とりあえず、戻るから正直何したのか全然覚えてないし……」
『あー……一言で表すなら』
「何?」
『強引ダメ絶対を向こうが二連続でやった結果お前のストレス値がマッハで上昇して意識が飛んだ結果の惨状だと言っておこう』
「は?」
神様の言っていることが良く分からないが、とりあえずストレスでプッツンしたんだろうことは分かった。
『お前ストレスでぷっつんすると、ああなるんだな?』
「視てたんかい!! いやどういう事?! ストレスでプッツンしたら私暴れる系統なんだけど!?」
『あー……多分違うストレスだろうな』
「マジで意味が分からない」
あの惨状を作った時、自分の性格がどうなってるのか理解ができなかった。
『まぁ、スパダリ系ではないとだけ言っておこう』
「じゃあ何系?!」
『……お子様系?』
「はい?」
神様の言葉に耳を疑う。
『いや、それは正しくないな、自棄になる系統だな』
「通常のプッツンとかわらねーじゃねぇですかよ!!」
私は神様をガルガル状態で怒鳴る。
『まぁ、その、悪い方にはいかん。とりあえずあの五人も一気に襲い掛かるのは駄目だと学習しただろうしな』
「ならいいんですがー?」
疑いの目で神様を見る。
『そこは安心しろ、そろそろ起きて五人に会いに行け』
「うわー顔合わせたくねー今、めっちゃくちゃ」
『そういうな』
神様のその言葉が遠くに聞こえ、そして私は「戻され」てしまう。
目を開けると、いつもの天井。
ため息をつき、髪をかきあげてベッドから起き上がる。
「さて、とりあえず……」
部屋から出ようと扉に手をかけて開けると――
「しまった!」
「わっ……!」
「あっ……!」
「おぉう?!」
「おわっ?!」
あの五人が雪崩のように部屋に入ってきたのを受け止める。
「……あの、大丈夫ですか?」
受け止めると皆が顔を下に向けているので、何か怖くていつも通りに声をかけてみる。
私の口調と声に、五人は恐る恐る顔を上げてそして安堵した表情を浮かべる。
「あの、すみません。皆さん同時にその……襲い掛かられた後から記憶が全くないんですよ……私、本当、何してたんですか? 目を覚ましたらその……ちょっと口では言えない状態だったので……」
私のその言葉に、全員の顔色がころころと変わる。
赤くなったり、青くなったり、紫になったり、まぁ色々と変わる変わる。
「あの……」
「ダンテ、お前は気にするな、本当に気にするな、気にしないでくれ頼むから」
エドガルドが私の両肩を掴んで真顔になって言ってきた。
「は、はぁ……わかりました。あの、とりあえず今後五人で一気にとかはやめていただけると助かります……普通に寝るだけなら五人で一緒にベッドで寝るのはいいんですが、ああいうのに関してはその……精神的に持たなくて意識がまた飛びかねませんので……」
「わかった、皆もそれでいいな」
エドガルドが四人にそう言うと、四人は首を何度も縦に振った。
「……」
――本当、私は何をしたんだろう……?――
色んな意味で怖くなった。
とりあえず、主犯格がいるであろう居間に行くことにした。
先ほど気絶させたのと、今回の件で逃げ出すことをするなんてフィレンツォは絶対しない。
――おそらくアイツがするのは――
フィレンツォが此処迄したのも、もう想像がついている。
私がインヴェルノ王国次期国王――女神インヴェルノの祝福を受けているのも関係している。
「フィレンツォ!! 起きていますか!」
「つい先ほど、目覚めました……」
「そうですか、とりあえず奥さんに連絡するのは後にして」
「いやそれは止めてくださいって!!」
焦るフィレンツォを無視する。
「兄上、エリア、クレメンテ、アルバート、カルミネ、座ってください」
五人に座る様に促して、五人がソファーに座ってから、向かいのソファーに座る。
「フィレンツォ、貴方も含めて話がしたい」
「――何でしょうか?」
先ほどの慌てふためきは消えて、冷静な状態のフィレンツォになる。
私は一呼吸おいて五人を見つめる。
空気が張り詰めている、けれど恐れず口を開いた。
「――兄上……いえ、エドガルドを私の『比翼副王』に、エリア、クレメンテ、アルバート、カルミネを私の正式な婚約者として私は彼らにそれを申し出をします」
言わねばならない言葉をはっきりと言った。
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