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第六章:こんなハーレムいいですか?
原因発見と私について
しおりを挟む屋敷に戻り、自室でゆっくりと本を読む時間を私は楽しんでいた。
正直ここ最近忙しかったし、昨日は色々あったしで割と疲れている。
本を閉じてベッドに横になる。
「よし、寝よう!!」
疲れているなら休むに限る。
学習は少しずつしているので私は目を閉じた。
『まぁ、確かに学習はしてるな』
「なんですかその不穏な言い方は」
神様の発言に私はげんなりする。
『まぁ、そのなんだ。お前特有のハーレムルートという奴か? それだからまぁ、色々あるぞ』
「ちょっと神様ー!! 不穏発言いい加減やめてくださいよ!!」
『なんだその「ちょっと男子ー!」見たいな言い方は。まぁ仕方ないだろう』
「うへぇ」
私特有という事は私の性格などで起きる事だろう。
正直面倒くさい事が起きる予感しかしない。
――覚悟はしてるけど、面倒くさいもんは面倒くさいんじゃ!!――
『だろうな』
「だから人の心読むの止めてください」
『仕方なかろう。それよりだ』
「ん?」
『今だから言おう、本来ならエドガルドが来るのは一年後、つまり二年になった時で婚約も二年の時に行われる』
「は?」
神様の発言に私はすっとんきょうな声を出す。
だって、ここの本来はおそらく「ゲーム」でのことだ。
最初からイレギュラーというか「ゲーム」と色々と異なる箇所はあったけど、本来の状態と明らかに違う状態になっているというのは分かる。
――まずい事態?――
『それではないから安心しろ、ただ本来の予定よりも物事が早く進む、それ位だ』
「はぁ……」
『採取の件もこの間精霊に言われた件も本来なら二年時に発生するものだが、お前の場合一年で発生することになった』
「何で?」
『阿呆、お前がワーカーホリック癖が抜けないでここに来るまでに勉強しすぎたからだ』
「あはははー……サーセン」
エドガルドの強姦イベントを避けるために必死になってやった結果の事が此処でとんでもないボーナスというかやらかしというか、そう言うのを引き起こした事を理解させられる。
――頑張りすぎたナー……――
『何が頑張りすぎただ。その後も少しはマシになったが相変わらず無意識に無理するから今の状態になったんだ。色々と面倒なことがおきるぞ?』
「えーヤダー!」
『自業自得。お前の無理、無茶癖が帰ってくるんだ、少しは反省しろ!』
「酷い!!」
『酷くない! 私がいくら能力を与えたとはいえ、あそこ迄になるとは思わなんだ、この無理中毒者め!』
神様の言葉は酷いと思う一方で納得もいくものだった。
ゲームでは、レベルを上げることによって、ゲームのレベル――難易度が上がるものがある。
つまり、私は「レベルを上げすぎた」ことで想定よりも早く物事が起きたり、これから面倒な事が起きることになったのだ。
「うへぇ」
『お前がゲーマー気質でやってたんならともかく、何か起きた時対応できなかったら怖いという恐怖心と元々の無茶気質が合わさって起きたんだ、私もどうしようもない』
「そんなぁ」
『言ったところで、お前無茶してたじゃないか』
「う゛」
神様の言葉に私は言葉を詰まらせる。
事実、幼少時から神様に「あまり無理するな」「休め」と言われたのにも関わらず「何か起きたら怖いので」と勉強とか続けたのだ。
――もしかして、だから周囲が動くように何かいったりしたのかな?――
『その通りだ。ようやく気づいたか』
「ええー……」
『お前は私の言葉ですら怯えて聞かないことがある、ならば周囲――直に関わる者達が増えれば、お前も少しは変わっていくだろうとそういう方向性にした』
「マジですか」
『信じられんと思うだろうがな。ともかく、今は休めこれから色々大変だからな』
ぱちっと目を覚まし左右を見ると、両脇でアルバートとカルミネが眠っていた。
私は苦笑の息を吐き、ベッドから二人を起こさないように起きようとするとがしっと腕を掴まれた。
「一緒に寝ていよう」
「俺もまだ疲れている、寝よう」
その言葉に、私は逆らえず、再び眠ることになった。
ちゃんと目が覚めたのは夕方ごろ、予想以上に疲れていたのかと一人思う。
両脇にいた二人も同じく目を覚ました。
「昼食を食べ損ねましたね……」
「その分夕食を食べればいいさ」
「……そうですね」
そう言って今度こそ、ちゃんと起き上がり、食堂へと向かった。
夕食後、婚約をしてから現れた「証」の場所について皆が話合っていた。
比翼副王のエドガルドは左胸、心臓のある箇所。
己の命を捧げても構わないという覚悟からだろうか。
同じく左の胸にあるのがカルミネ、多分理由は同じだと思う。
クレメンテとエリアが何か似た者同士だったのか、お腹の所。
幸せな家族を作りたいらしいから、それが少し切なかった。
アルバートは利き手である右手の手のひら。
何か私にあった時、助ける存在や、止める存在でありたいから。
と、各自バラバラとはいかないが理由によって場所が違うのも少し興味深かった。
「――ところで目に証を持つ方はいないのですか?」
「聞いたところ目に証を持つのは国王のみで、伴侶であっても持つことは叶わないそうです」
「それは興味深いですね」
フィレンツォの言葉は興味深かった。
「私はダンテと同じ視界で、ダンテの為に考えたいなぁと思ってだけども……結局証は手にでたからそうなると、目は国王と次期国王特権ということになるのか」
「そうなりますね……」
この世界には生まれつき視覚障害や聴覚障害を持つ人は少ない。
そう言った人達はすぐ治療を受けれるからだ。
また、身体障害も治療も受けれるし、超高性能な義肢も無料でもらえる。
脳の障害の場合は、それにあった生活や、対応する施設がある。
正直、前世よりも遥かに医療や福祉は進んでいるように思えてしまう。
――が、それでもやっぱりファンタジーというか……――
エリアのような事態は起きるし、アルバートとカルミネのような事態も起きる、クレメンテの件も同様。
良い世界でもやっぱり不都合はある。
完璧な世界などないというのがよくよく分かる。
――そもそも完璧なんてものはないのは理解しているけれども――
そう考えてふと、自分の周囲の評価を思い出す。
『完璧すぎる』
「……」
げんなりしてきた。
完璧なんかじゃない、私はただの人の評価を恐れる陰キャだと思いながらも何も言わないでいる。
「ダンテ様、貴方様が完璧でないのは私達は重々承知ですよ」
フィレンツォのその言葉にびくっとして思わず顔を触る。
「もしかして、顔にでてました?」
「ええ、多くの方が貴方様を『完璧』と評価した後、人気のないところでする顔をしてましたので、もしかしたらと」
「ははは……その通り、ちょっとそのことを思い出してね」
「ダンテお前はそのような評価を受けていたのか?」
「ええ……別に完璧でもなんでもないんですが……」
「お前は外聞が良すぎる、というよりも人目を気にしすぎだ」
エドガルドに痛い指摘をもらう。
「どうしても気になってしまうんですよ、いや本当……」
言い訳をしてしまう。
「大丈夫ですよ、他の人が何と評価しようと、私達だけは本当のダンテを見ていますから」
「そうです、私達はありのままの貴方を見ていますから」
「ありがとうございます……」
彼らのその言葉が胸にちくりとささり、痛かった。
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