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第六章:こんなハーレムいいですか?
邪魔者との遭遇撃退、その後癒しの語らい
しおりを挟む長期休み――所謂夏休みも、あっという間に終わってしまった。
誰一人課題を提出しわすれる事はなかった。
まぁ、相変わらず私が最優秀者に選ばれて色々あったけども。
復活したメンタルが変な方向にポジティブで自尊心の強いあのベネデットに絡まれましたよ。
頼むから静かなままでいて欲しかった。
講義が明日から再開するという事で、私達は学院内を見て回っていた。
明日以降の講義は何処で何をするかというのを見て回る為だった。
そんな中ゴールドブロンドにエメラルドグリーンの目を持つ色白の青年が近づいてきた。
嫌な空気を見にまとう、人物。
私はまだあった事がないがおそらく――
「ダンテ・インヴェルノ殿下!! お会いしたかったです。私はアウトゥンノ王国のアコーニト伯爵家の次男フルヴィオと申します!!」
芝居がかった風に言うのは酷く不愉快だった。
――なんなんだコイツは、こいつは私じゃなくて私の身分にしか興味ねぇだろ――
そんな雰囲気がへばりついていた。
「初めまして、フルヴィオ殿。私に何の用でしょうか?」
「私、入学式以降貴方様に恋をしておりました、ええ、貴方様のような美しく、そして凛々しい御方に恋を!! ですから――」
「お断りします」
最後まで聞く前に、私は拒絶の言葉を口にする。
「何故です!?!?」
「それはご自分が一番よく分かっているはずでしょう。さ、皆行きましょう」
私は特に怯えているエリアに手を握ってその場から立ち去ろうとする。
「お、お待ちくださ――」
パシンと手を払う音がした。
「我が主人、ダンテ殿下と、婚約者の方々に近寄るなと言っただろう」
地獄の底から聞こえるような恐ろしい低い声――フィレンツォの怒りが天元突破している声に私は少しだけひきつり、怯えるエリアをより強く抱きしめ耳を塞いだ。
「ひっ!!」
「エルヴィーノ陛下に直訴しても良いのだぞ、我が主人の愛しき伴侶たちを侮辱した罪を、その身で償って貰っても構わない」
「た、たかが執事の分際――」
「三度目はない、消えてもらおう」
「っ……!!」
走り去る音を聞いて安心した私の体はよろめく。
「ダンテ様、大丈夫ですか?!」
慌ててフィレンツォが私の体を支えた。
「……フィレンツォ……お前本当に怖いな」
「も、申し訳ございません。つい……」
「でも、助かったよ、ありがとう……被害は甚大だけどね」
フィレンツォの顔を見たのか腰を抜かしてしまっているクレメンテとアルバートがいた。
「御二人とも大丈夫ですか……?」
「……ダンテ、貴方の執事、恐ろしすぎる」
「ああ、恐ろしすぎるよアレは……」
「何で見たんですか……」
「いや、声が恐ろしすぎて思わず……」
「私もです……」
恐怖のあまり振り向いてしまったかー、と思いつつ、エドガルドとカルミネに頼んで二人を抱えて屋敷へと戻ることにした。
私はエリアが怯えて離れなかったので、そちらの対応をする事になった。
エリアは基本優しいフィレンツォしか見てないから、あれは恐ろしすぎたんだろうなと。
伊達に、辺境伯の親類で執事なだけあるなとは思った。
でも、怖いもんは怖い。
二度と、見ないだろうと思ったあの顔を見ずに済んだのはいいが、声が覚えてしまっているので、体が動かなくなった。
漏らしてないの褒めてもらいたい、冷や汗で体は気持ち悪いが。
「……フィレンツォのあの声の所為で冷や汗が出ましたよ……体が気持ちが悪いので湯浴みをしてきます」
「それならば、皆様一緒に入られるのが良いでしょう。軽食の支度はしておきますので」
私達はフィレンツォの言葉に甘えることにした。
風呂場では、わいわいしてました。
でも、頼むから私の股間のブツを見るのはやめてくれ、恥ずかしい。
セックスしている間柄でも恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
風呂から上がり、軽食のサンドイッチと紅葉茶も口にして、私達はソファーでまったりする。
「明日から講義ですから、寝るとしても添い寝だけですよ皆様」
フィレンツォの忠告に、揃って頷く。
「じゃあ、今日は皆で寝るのはどうだ?」
「カルミネ、いい案だなそれは!」
「確かに、ではダンテの右隣りはエリアで後はくじ引きにしましょう」
「ぼ、僕もくじで……」
「この中で一番怖い思いしたのは君だろう? あんな輩に侮辱されて」
エドガルドまで、エリアの身を案じている。
確かにこの中であの男に侮辱されたのはエリアだけだ。
その際怖い思いをしたし、その時の恐怖をあの時思い出したのだ。
「くじは既に用意しておりますので」
フィレンツォが用意周到すぎる。
くじの結果、私の左隣はエドガルドになった。
日が沈み、空が暗くなるころ、私達は既にベッドに横になっていた。
「長期休み、あっという間に終わってしまいましたね……」
「そうですね……」
「来年も皆で過ごせたらいいですね」
「はい、そうですね」
「ところでエドガルドはずっとこちらに?」
「ああ、母上がお前から頼まれた事を代わってくれてな。次期国王の『補佐』よりも現国王の伴侶である自分の方がやりやすいだろう、と」
「母上には頭が上がらないですね」
「そうだな……」
何となく夜空に母上が満面の笑みを浮かべてピースサインをしている絵図が見えたが気のせいだと思うことにした。
「……そう言えば、ダンテは御后様似なのですね」
ふとアルバートが言い出した。
「ああ、ダンテは母上によく似ている、性格はまるっきり違うが。私は見目は父に似ているが性格は……どうなのだろうな」
「母上は穏やかですが強かですし、父上は真面目に見えて我儘で天然で鈍いですからね」
「……性格がこうも両親から受け継がれないとは……」
よく考えればそうだ、私とエドガルドの性格は両親に似ていない、私はともかく、エドガルドは――……
「……父上の性格の真面目に度合いが大きく傾いたエドガルドでしょう」
「かもしれないな……それなら鈍い面はお前だなダンテ」
「あははは……」
――これ前世からなんですけどねー――
と思うけど言えない。
「アルバートとカルミネは何方に?」
「私は母さんかな」
「俺は父だとよく言われる」
「そうですか……!!」
此処で、失態に気づいた。
両親、基親に関係する事はあまりよくない二人がいた事に。
「エリア、クレメンテ。すみません、貴方達には――」
「ダンテ、気を使わないでください。私はどちらにも似ていない、似なくて良かったと思っています……ブリジッタには少し位似たかったですが」
クレメンテはそう言って気にしないように言った。
そして私の右隣にいるエリアも、私の寝間着を掴んで首を振った。
「大丈夫です……カリオおじ様は……僕は、本当の、お母さまによく似ていると……見た目も、性格も……」
少し震えている手を握ってから、髪の毛を撫でる。
「素敵な御方だったのでしょう」
「はい、とても優しい方だったと……」
地雷を踏んだとおもったけども、そうではなかったことに安堵しつつ、私は会話を続ける。
そして眠りにつくのだ、一人一人。
最後の一人になったのは私。
眠った皆を見てひとり呟く。
「お休みなさい、皆。良い夢を」
そう言って私も目を閉じた。
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