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変幻自在の統治者は美しい両性具有の妻と淫らに愛し合う
しおりを挟むサフィールがニエンテと暮らすようになって大分時間が経過した。
一年か、二年か、長命──不老不死に近いサフィールに取っては些細なことだった。
その間の期間は、サフィールにとって蜜月に等しかった。
愛する者と共に目覚め、食事を取り、愛する者が仕事の最中は愛する母へ祈りを捧げ、戻って来た愛する者と共に食事を取り、体を清め、そして貪るように愛し合う。
その日々は堕落的と人は呼ぶかもしれない、だが長い年月孤独に生きていたサフィールにとってはかけがえのない日々だった。
その日もサフィールはシルクのシャツとスリットの入ったロングスカートを身につけ母の墓前に祈りを捧げていた。
「サフィール、ここに居たんだね」
「ニエンテ……」
サフィールはいつしか様をつけずにニエンテの名前を呼ぶようになっていた。
仕事が終わって帰って来たニエンテにサフィールは抱きつく。
サフィールはニエンテが何の仕事をしているか知らない、ニエンテも語らない。
サフィールも知ろうとは思わない。
ニエンテが語らないのは自分の為だと信じているからだ。
「イグニスに会ったよ、相変わらず大変そうだけど自業自得さ」
「父に……」
サフィールは以前父と会いたいとニエンテに頼み込んだ。
最初はニエンテは「君を傷つけるかもしれない」と否定的だったが、サフィールがどうしてもと頼み込むことでイグニスとの面会をサフィールは取り付けた。
イグニスと再開したサフィールはまず最初に言った。
「貴方は父親失格です、夫としても」
と言い切った。
沈痛な表情のイグニスと、顔は真面目、内心爆笑のニエンテ。
「貴方は愛しているのに側にいなかった、守る為に引き離す位なら貴方は母と結婚しないほうが良かった、そして私が生まれるのを望むべきでもなかった」
と言った。
それに苦しげな表情をするイグニスと、顔をしかめるニエンテ。
「ですが──生まれるきっかけを下さり感謝しています、私は今ニエンテ様──ニエンテに愛されて暮らしております、もし貴方が申し訳ないと思うなら、私がかつて暮らしていた館にある、私と母のアルバムを全て下さい、アレは貴方に持っていて欲しくない」
父の愛を欲していたサフィールはおらず、其処にはニエンテの愛である種自立したサフィールが居た。
イグニスは項垂れたまま静かに頷き、アルバムを全て持ってきて立ち去った。
サフィールは全てのアルバムを確認し、大切そうに書庫にしまった。
そしてサフィールは父と決別した。
もう、あの家とは自分は無関係だと。
「気になるかい?」
「はい、元一族の者としてニエンテ様のお手を煩わせたことを申し訳なく思います」
「サフィールが悪いんじゃないよ、イグニスの馬鹿が悪いことだからね」
ニエンテは笑ってサフィールの頬を撫でる。
サフィールはうっとりとした表情でニエンテを見つめる。
「じゃあサフィール、食事に行こう」
「はい」
二人は食堂へと向かった。
サフィールの食事の量が多少増えた。
ニエンテとの激しいまぐわいの為に体力をつけたいと食べる量が増えたのだ。
それでも華奢な自分にサフィールはがっくりとしていたが、ニエンテはそんなサフィールが愛おしくて仕方なかった。
「サフィール、無理に食べないようにね」
「はい、ニエンテ」
自分の事を気遣ってくれるニエンテにサフィールは微笑み返した。
食事を終え、湯浴みをする。
今日は泡風呂に浸り、体を絡め合わせる。
「サフィール大丈夫かい、滑らないかい」
「平気です」
ニエンテはそう言いながら、サフィールの体に触れる。
「もう……」
「ふふ、そろそろ上がろうか、私は君を愛でたいんだよ、サフィール」
「はい……ニエンテ」
二人は泡風呂から上がり、泡を流して体を拭き合い、すぐ脱げるようなバスローブを羽織る。
そして寝室に転移する。
「これから誰も部屋に、屋敷に入れるな」
「畏まりました」
召使い人形にそうニエンテは命じると、サフィールを抱きかかえて、ベッドへと異動する。
そして二人ともバスローブを脱ぎ裸になる。
唇を貪るようなキスをしあい、その間にニエンテは体の首から下を黒くし、一部をベッドに液体状に広げる。
くちゅくちゅ
ぷはっと口を開放されると、糸が伝っていた。
「じゃあ愛し合おうか」
「はい……」
サフィールのその言葉を聞いたニエンテの無数の手がサフィールの体を愛撫し始める。「あっ、あー♡」
秘所、後孔だけでなく、胸の先端、指の先、足先、綺麗な雄、会陰、舌、頬、首筋全てを愛撫していた。
あえぎ声がサフィールの口からこぼれ落ちていく。
「あっ、そこ♡ らめっ♡」
「だめじゃない、だろう」
「はいぃ♡」
ニエンテの問いかけに、蕩けた表情でサフィールは頷いた。
愛液と、ローションをしたたらせる、秘所と後孔から指が抜かれる。
剛直な雄がずんと入っていく。
「あっ♡ あぁあ♡」
ずちゅずちゅ、と入って行き、動かし始めると、より声を上げてサフィールはよがりはじめた。
「あっ、そこ♡ もっとぉ♡ いい♡ いきます♡ あぁあ♡‼」
体をびくびくと痙攣させて絶頂に至る。
ニエンテは微笑みながら続ける。
「あぁぁあ♡ もっとぉ♡ もっとぉ♡」
こちゅこちゅと先端をしごいていた雄からプシュっと潮が噴き出した。
「おや、潮を吹いたね」
「潮ふくのきもちいぃ♡」
「気持ち良いのは良いことだね、もっと気持ち良くなろうか」
「はいぃ♡」
そういって二人は深い口づけを行う。
そのまま、じゅぷじゅぷと激しくまぐわう。
「んん~~♡‼」
しばらくしてサフィールの体が痙攣する。
二つの穴の隙間からどろどろと精液がこぼれてきた。
サフィールはぷはっと口を開放される。
「せーえき♡ せーえきたくさんください♡」
「勿論だよ、たくさん注いであげよう」
「♡」
「お口にも欲しいかい?」
「はいぃ♡」
「分かったとも」
一本の触手のような者がサフィールの口元まで来るとサフィールは口を開けてそれを咥え込んだ。
そして舐め、じゅぷじゅぷと頭を動かした。
「したにも♡ ほしいです♡」
「わかったよ」
「あぁあああ♡‼」
どろどろと精液を零す秘所と後孔にも再び雄が入り、サフィールはのけぞった。
「サフィール、お口がお留守だよ」
「ひゃい♡」
サフィールは舌で賢明に舐めながら、あえぎ声を上げた。
「らめっ♡ きもちよすぎる♡」
「気持ち良すぎるのはいやかい?」
「んぁっ♡ だめじゃないです♡」
「それは良かった」
ニエンテはサフィールに微笑みながら、両方の穴の最奥で精液を吐き出した。
「あぁああ♡ あちゅいぃ♡」
浅い所でだした先ほどとは違って奥で出したから出てくることは無かった。
「可愛いサフィール、もっと今日も気持ち良くなろうね」
「はひ、ニエンテしゃま♡」
ニエンテの言葉にサフィールは従順に返した。
この屋敷には姿を変えられる領主がいる。
存在は何者か不明だが全ての領主の上にいる統治者だ。
その統治者には美しい両性具有の妻がいる。
統治者は両性具有の妻と毎夜のように愛し合っていることをしるのは二人と召使いの人形達だけ。
二人は今宵も愛し合う、快楽の愛情をしった妻を満足させる為に、快楽の愛情を統治者は妻が気を失うまで行うのだ──
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