変幻自在の領主は美しい両性具有の伴侶を淫らに変える

琴葉悠

文字の大きさ
16 / 16

変幻自在の統治者は美しい両性具有の妻と淫らに愛し合う

しおりを挟む



 サフィールがニエンテと暮らすようになって大分時間が経過した。
 一年か、二年か、長命──不老不死に近いサフィールに取っては些細なことだった。
 その間の期間は、サフィールにとって蜜月に等しかった。

 愛する者と共に目覚め、食事を取り、愛する者が仕事の最中は愛する母へ祈りを捧げ、戻って来た愛する者と共に食事を取り、体を清め、そして貪るように愛し合う。

 その日々は堕落的と人は呼ぶかもしれない、だが長い年月孤独に生きていたサフィールにとってはかけがえのない日々だった。

 その日もサフィールはシルクのシャツとスリットの入ったロングスカートを身につけ母の墓前に祈りを捧げていた。

「サフィール、ここに居たんだね」
「ニエンテ……」

 サフィールはいつしか様をつけずにニエンテの名前を呼ぶようになっていた。

 仕事が終わって帰って来たニエンテにサフィールは抱きつく。
 サフィールはニエンテが何の仕事をしているか知らない、ニエンテも語らない。
 サフィールも知ろうとは思わない。
 ニエンテが語らないのは自分の為だと信じているからだ。

「イグニスに会ったよ、相変わらず大変そうだけど自業自得さ」
「父に……」

 サフィールは以前父と会いたいとニエンテに頼み込んだ。
 最初はニエンテは「君を傷つけるかもしれない」と否定的だったが、サフィールがどうしてもと頼み込むことでイグニスとの面会をサフィールは取り付けた。




 イグニスと再開したサフィールはまず最初に言った。
「貴方は父親失格です、夫としても」
 と言い切った。
 沈痛な表情のイグニスと、顔は真面目、内心爆笑のニエンテ。
「貴方は愛しているのに側にいなかった、守る為に引き離す位なら貴方は母と結婚しないほうが良かった、そして私が生まれるのを望むべきでもなかった」
 と言った。
 それに苦しげな表情をするイグニスと、顔をしかめるニエンテ。
「ですが──生まれるきっかけを下さり感謝しています、私は今ニエンテ様──ニエンテに愛されて暮らしております、もし貴方が申し訳ないと思うなら、私がかつて暮らしていた館にある、私と母のアルバムを全て下さい、アレは貴方に持っていて欲しくない」
 父の愛を欲していたサフィールはおらず、其処にはニエンテの愛である種自立したサフィールが居た。

 イグニスは項垂れたまま静かに頷き、アルバムを全て持ってきて立ち去った。
 サフィールは全てのアルバムを確認し、大切そうに書庫にしまった。

 そしてサフィールは父と決別した。

 もう、あの家とは自分は無関係だと。




「気になるかい?」
「はい、元一族の者としてニエンテ様のお手を煩わせたことを申し訳なく思います」
「サフィールが悪いんじゃないよ、イグニスの馬鹿が悪いことだからね」

 ニエンテは笑ってサフィールの頬を撫でる。
 サフィールはうっとりとした表情でニエンテを見つめる。
「じゃあサフィール、食事に行こう」
「はい」
 二人は食堂へと向かった。

 サフィールの食事の量が多少増えた。
 ニエンテとの激しいまぐわいの為に体力をつけたいと食べる量が増えたのだ。
 それでも華奢な自分にサフィールはがっくりとしていたが、ニエンテはそんなサフィールが愛おしくて仕方なかった。

「サフィール、無理に食べないようにね」
「はい、ニエンテ」

 自分の事を気遣ってくれるニエンテにサフィールは微笑み返した。

 食事を終え、湯浴みをする。
 今日は泡風呂に浸り、体を絡め合わせる。
「サフィール大丈夫かい、滑らないかい」
「平気です」
 ニエンテはそう言いながら、サフィールの体に触れる。
「もう……」
「ふふ、そろそろ上がろうか、私は君を愛でたいんだよ、サフィール」
「はい……ニエンテ」
 二人は泡風呂から上がり、泡を流して体を拭き合い、すぐ脱げるようなバスローブを羽織る。

 そして寝室に転移する。
「これから誰も部屋に、屋敷に入れるな」
「畏まりました」
 召使い人形にそうニエンテは命じると、サフィールを抱きかかえて、ベッドへと異動する。
 そして二人ともバスローブを脱ぎ裸になる。
 唇を貪るようなキスをしあい、その間にニエンテは体の首から下を黒くし、一部をベッドに液体状に広げる。

 くちゅくちゅ

 ぷはっと口を開放されると、糸が伝っていた。
「じゃあ愛し合おうか」
「はい……」
 サフィールのその言葉を聞いたニエンテの無数の手がサフィールの体を愛撫し始める。「あっ、あー♡」
 秘所、後孔だけでなく、胸の先端、指の先、足先、綺麗な雄、会陰、舌、頬、首筋全てを愛撫していた。
 あえぎ声がサフィールの口からこぼれ落ちていく。

「あっ、そこ♡ らめっ♡」
「だめじゃない、だろう」
「はいぃ♡」

 ニエンテの問いかけに、蕩けた表情でサフィールは頷いた。

 愛液と、ローションをしたたらせる、秘所と後孔から指が抜かれる。
 剛直な雄がずんと入っていく。

「あっ♡ あぁあ♡」

 ずちゅずちゅ、と入って行き、動かし始めると、より声を上げてサフィールはよがりはじめた。

「あっ、そこ♡ もっとぉ♡ いい♡ いきます♡ あぁあ♡‼」
 体をびくびくと痙攣させて絶頂に至る。
 ニエンテは微笑みながら続ける。
「あぁぁあ♡ もっとぉ♡ もっとぉ♡」
 こちゅこちゅと先端をしごいていた雄からプシュっと潮が噴き出した。
「おや、潮を吹いたね」
「潮ふくのきもちいぃ♡」
「気持ち良いのは良いことだね、もっと気持ち良くなろうか」
「はいぃ♡」

 そういって二人は深い口づけを行う。

 そのまま、じゅぷじゅぷと激しくまぐわう。
「んん~~♡‼」

 しばらくしてサフィールの体が痙攣する。
 二つの穴の隙間からどろどろと精液がこぼれてきた。

 サフィールはぷはっと口を開放される。

「せーえき♡ せーえきたくさんください♡」
「勿論だよ、たくさん注いであげよう」
「♡」
「お口にも欲しいかい?」
「はいぃ♡」
「分かったとも」

 一本の触手のような者がサフィールの口元まで来るとサフィールは口を開けてそれを咥え込んだ。
 そして舐め、じゅぷじゅぷと頭を動かした。
「したにも♡ ほしいです♡」
「わかったよ」
「あぁあああ♡‼」
 どろどろと精液を零す秘所と後孔にも再び雄が入り、サフィールはのけぞった。
「サフィール、お口がお留守だよ」
「ひゃい♡」
 サフィールは舌で賢明に舐めながら、あえぎ声を上げた。
「らめっ♡ きもちよすぎる♡」
「気持ち良すぎるのはいやかい?」
「んぁっ♡ だめじゃないです♡」
「それは良かった」

 ニエンテはサフィールに微笑みながら、両方の穴の最奥で精液を吐き出した。

「あぁああ♡ あちゅいぃ♡」
 浅い所でだした先ほどとは違って奥で出したから出てくることは無かった。
「可愛いサフィール、もっと今日も気持ち良くなろうね」
「はひ、ニエンテしゃま♡」
 ニエンテの言葉にサフィールは従順に返した。




 この屋敷には姿を変えられる領主がいる。
 存在は何者か不明だが全ての領主の上にいる統治者だ。
 その統治者には美しい両性具有の妻がいる。
 統治者は両性具有の妻と毎夜のように愛し合っていることをしるのは二人と召使いの人形達だけ。
 二人は今宵も愛し合う、快楽の愛情をしった妻を満足させる為に、快楽の愛情を統治者は妻が気を失うまで行うのだ──





しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

過保護な義兄ふたりのお嫁さん

ユーリ
BL
念願だった三人での暮らしをスタートさせた板垣三兄弟。双子の義兄×義弟の歳の差ラブの日常は甘いのです。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

没落貴族の愛され方

シオ
BL
魔法が衰退し、科学技術が躍進を続ける現代に似た世界観です。没落貴族のセナが、勝ち組貴族のラーフに溺愛されつつも、それに気付かない物語です。 ※攻めの女性との絡みが一話のみあります。苦手な方はご注意ください。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

処理中です...