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とある一日~紅と零の見回り~
しおりを挟む「ここ最近異形によく出くわすんだが」
「ニルスか……」
「彼奴匂い付けしやがったな……」
事務所の二階で紅とフエに零は相談していた。
「彼奴の匂いは異形を引き寄せる匂いだからね……」
「それに零さんの『花嫁』の匂いがかすかに出ている、ペンダント。作り直した方がいいかも」
「そうか?」
「と言うわけで私に貸して?」
「分かった」
零はペンダントを外し、フエに渡した。
その瞬間場の空気が変わった。
人間的に言うなら嫌な空気に変わったと言うのが正しい。
「失せろ、雑魚共、喰われたいか」
フエが体の一部を異形化させながら「何者か達」を脅すと、空気は戻った。
「ふぅ」
フエはそう言うとカチャカチャといじくり回し、自分の血をまとわりつけた。
そして紅い石の部分にも血を垂らすと、石はより紅く輝いた。
それが終わってから磨き上げ、零に渡す。
「はい、これでいいはずだよ」
「すまないな」
「んなこたなーい」
零はペンダントを首から下げた。
「どうだ」
「ああ、これなら異形が『花嫁』と分からないな」
「そうか」
零は達上がった。
「では、見回りに行ってくる」
「手伝おうか」
「フエ、あまり零に執着してると番いが癇癪を起こすぞ」
「う」
「と言うことで私が手伝う」
「紅姉さんずるいー!」
フエがブーイングをする。
が、紅は素っ気なく返した。
「たまに位いいだろう、お前がしょっちゅう出張ってるんだから」
「んもー……」
フエはむくれて、そのまま姿を消した。
「じゃあ、行こうか」
「ああ」
二人は二階から下りて、事務所を後にした。
「普段はニルスとレオンとか」
「ああ、犬猿の仲で苦労する」
「それはそうだろう」
「分かっているさ、理由くらい」
と話をしながら夜の街を歩いていく。
ただ、度々、紅がガチ、ガチと何かを噛むような仕草をしていた。
「異形か?」
「と、それが作ったものだ。あってロクなもんでもないから喰い壊している」
「腹壊さないか?」
「全然」
「……」
「何せ、普段は宇宙の小惑星地帯の岩喰ってるからな」
「マジか」
「後、たまに寿命が尽きそうな星」
「oh……」
「前置きが無く急に消えてるのは私が喰った証拠」
「なるほど、天体の研究者泣かせだな」
「自覚している」
と、言って零の手を掴んで、紅は足を止めた。
「紅?」
「異形だ」
六つの首を持つ狼のような異形がだらだらと唾液を垂らしながらこちらを見ている。
「喰っていいか?」
「ああ」
巨大な口が現れ、その異形は噛み潰されてしまった。
「ぺっぺ、毒持ちか、不味い訳だ」
紅はそう言ってつばを吐く。
「……他に気配は?」
「ないな、でかいのは今のだけだ」
「じゃあ、帰るか」
「ああ」
二人は腕を組んで帰路についた。
「マヨイ、解毒の薬くれ、毒が強かった」
紅は異形の子等の住処に帰還すると、マヨイにそう訴えた。
マヨイは頷きどこかにいくと、飲み物をもって来た。
零は一気に飲み干す。
「ふー楽になった。毒持ちは不味いだけじゃなくこれだから嫌なんだ」
「私を呼べば良かったのに」
フエがそう言うと、紅は首を振った。
「そのときお前は柊といちゃついてただろう、だから呼べなかった」
「なるほど……」
そう言ってマヨイを見る。
「それにしてもマヨイ様々だな、どんな毒も病もマヨイの前では意味がないからな」
「えへへー」
マヨイは照れくさそうに笑った。
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