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目覚めの後~とにかく説教、ほぼロナクに~

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『ひでぇ、あそこまで不能になりかねない位のことしたのにその上ねーちゃんに頼んで封印なんて』

 しくしくしくと、封印塚の下から聞こえてくるロナクの声。

「アンタが私が眠っている間協力しないで遊び惚けてたからでしょう」
「私、ガチで過労死すると思ったんだからね」
『すみません、ロナクがすみません』

 ロナは首を下げて謝り続けた。
 頭部がない彼女は首を下げて謝るしかない。

「ほらみなよ、アンタのおねーちゃんマジ泣いてるじゃん」
『うわー! ねーちゃんごめんなさいー!』
『謝るのは私じゃなくて蓮さんにでしょう!』
『うー……蓮ごめん』
「気持ちが入ってないやり直しぃ!」

 蓮は怒鳴った。
 普段ならいいよいいよと済ませる所だが、今回はそうはいかない。
 何せ死にかけるとおもう程酷使されたのだ。

「異形くたばれ──ファーッキンー‼」

 と声を発して暴れまくる程に異形は多く、彼女の底なしのはずの体力を奪っていった。
『だー! 本当、悪かった! 遊び惚けててごめんなさい‼』
「よし、今回はそれで許す、次回同じことしたら許さん」
『俺の頭部砕いて、股間もヤバいことにしたのに⁈』
「シャーラーップ‼」
「元凶の私が言うのもなんだけど、蓮落ち着きなさい。ほら康陽さんの所いっていやしてもらって来たら」
「うー、でも康陽さんも疲れてるし……」
「じゃあ、二人仲良くお布団で休めばいいじゃない」
「うん、そうする」

 漸く落ち着いた蓮は自室へと向かっていった。

「さて、ロナク。アンタ遊び惚けて何してたの?」
『だからいったじゃん、ジンの奴が肉が足りないから悪意ある新興宗教の信者の悪意のレベル上げて肉にして、教祖は異形にしてバラバラにして遊んでたって』
「異形自身とは関わらなかったのね?」
『そうだよ』
「そりゃあ蓮もあんなに血眼になるわけだわ」

 ロナクの言葉に、フエは呆れたように言う。
 そして髪をかき上げてロナクへ言う。

「アンタはしばらくそこで反省してなさい。いい」
『私が反省させます、フエ姉さん』
「ごめんねーロナ」
『うーねーちゃーん』
『ねーちゃんじゃありません、しっかり反省なさい』

 フエはそれを見て息を吐き出すと自室へ戻っていった。




「康陽さん……」
「蓮か」

 蓮は部屋に戻ると、椅子に座っている康陽に抱きついた。

「ごめんね、康陽さんに柊さんとか隼斗さんのお世話任せて……」
「少々、奴らの依存度の高さにげんなりしたが大丈夫だ」

「疲れちゃったから、一緒に寝て欲しいの」
「分かった、俺も疲れているしな」

 そう言って二人は寝間着に着替えてベッドに入り、手をつないだ。
 蓮は幸せそうに笑ってから目を閉じ、そんな蓮に優しく微笑みながら頭を撫でてから康陽は目を閉じた。
 しばらくしてから部屋に静かな寝息が二つ響いた。




「フエ、フエ、フエ……!」
「ごめんね柊さん、寝っぱなしで……で、ちょっとお説教」
「え?」

 部屋に入ると抱きついてきた柊の頭を優しくフエは撫でてから、少し真面目な顔をして説教モードに入った。

「話聞いたけど、康陽さんに言われるまで、ちゃんとご飯も食べようとしなかったし、お風呂にも入ろうとしなかったし、寝ようともしなかったって」
「う」
「私眠る前ちゃんと言ったよね、ちゃんとご飯食べて、お風呂にも入って、寝るようにって」
「……」
「そんなに不安だったの?」

 フエが問いかけると柊はこくりと頷いた。

「もう三回くらいは見てきたから起きるのは分かるでしょう?」
「でもでも、いつ起きるか分からないから不安だったんだ……!」

 不安を吐露する柊を見て、フエはふぅと息を吐き、柊を抱きしめた。

「それは私の異形性の問題だからごめん、不安にさせて」
「フエ……」
「でもね、起きたらガリガリに痩せ細って不衛生で、今にも死にそうな柊さんを見るのは嫌なのよ」
「!」
「それが自分が原因──となると私当分柊さんと顔合わせできない、申し訳なくて」

 フエがそう言うと、柊はフエの肩を掴んで揺すった。

「お願いだからそれだけは! 次からはちゃんと食事も取るし、風呂にも入るし、寝る! だからそれだけは──!」
「うんうん、分かってくれた。ならいいよ、後、明日康陽さんには謝りにいこうね、面倒みてくれたんでしょう?」
「……うん」
「じゃあ、今日は目一杯甘やかしてあげる」
 そう言ってフエがキスを額にすると、柊は蕩けるような表情を浮かべた。
 しばらくして、柊の喘ぎ声が部屋に響き渡った──





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