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羽目を外す時期には~依頼が満載~
しおりを挟む街がイルミネーションで彩られる頃。
零の事務所もまた大忙しだった。
「所長、さっきから浮気調査の依頼ばかりきます!」
「クリスマスとかで浮かれてやらかす奴がいるだろうからな、そこを突いてるんだろう」
「所長、ですが依頼数を私達ではこなせません!」
「今は断りを入れてるのに、もうそんなにか」
「はい」
零は頭を抱える。
「ちょっと応援呼んでくる」
零はそう言って二階に上がった。
二階ではフエ達がままごとをしていた。
「──という訳だ、異形案件じゃないが協力を頼む」
「いいよーその代わり、クリスマスは私達と過ごしてね」
「職員達との後で良ければ」
「うん、交渉成立!」
「という訳でぇ」
フエは影に手を突っ込み、蓮を引っ張りだした。
「ちょっと姉さん、何すんのよ! せっかく康陽さんとお茶してたのに!」
「ごめーん、蓮。実はね──」
フエは蓮に事情を話した。
「それくらい余裕よ、内の使い魔達の目をレンズにしてそれを現像するなんて楽勝楽勝」
「本当か」
「うん、本当」
「では、今から頼む!」
零はどさっと依頼内容が書かれた紙が入った封筒を机の上に置く。
それを見て零は顔を引きつらせる。
が、直ぐさま切り替えて中身全てに高速で目を通す。
「わかった、じゃあ行ってくるね」
蓮はそう言って二階を下り、事務所から出て行った。
「大丈夫か、蓮一人で?」
「私も一応見てたから手伝っておくよ、でも蓮一人で十分だよ、内容がね」
「そうか……」
フエの言葉に、零は少し安心したように息を吐く。
そして慎次がもってきた紅茶を飲む。
「だがしばらくはかかるだろうな」
「多分ね──」
それから二日後──
「おらぁ! 証拠全部集めてきたよ! 音声録音も含めて!」
と、蓮が各自の封筒に証拠を集めてきたのを風呂敷に詰めてもってきて一階のテーブルの上に置いた。
「……早いな」
「それだけこの期間中にやってくれてたから楽で助かったよ」
「依頼人に連絡しよう、伊賀、高嶺、宜しく頼む」
「はい!」
「勿論ですわ!」
二人は事務所内の固定電話を使って連絡をし始めた。
「さぁて、大忙しになるぞ」
事務所が本格的に落ち着いたのはそれから一週間後だった。
また、依頼が入り蓮がかり出され、証拠を集め。
それを繰り返していた。
クリスマスは当日、休業の看板を立てて探偵事務所で慰労会ならぬクリスマスパーティを零は主催した。
と言っても慎次が作ったオードブルとケーキを皆で食べるだけだったが。
それが終わり、解散すると、フエがやって来た。
「と言うわけで私達のパーティに来てね!」
返事をする前に零は連行された。
「異形の子がクリスマス祝うってどうなんだ」
「仏教徒とかが祝うのと一緒よ、用にはお祭り騒ぎしたいだけ」
「そういうものか」
「理由つけてね」
フエ達が作った料理を口にしながら零は言った。
番い達は側で寄り添いながらケーキを食べさせあいをしている。
「どうした?」
「ああ、慎次。私、いる意味あるのか?」
「俺等みたいな番い持たない組が話すのがあるだろう」
「そうだ」
紅が会話に参加する。
「紅」
「番いがいないなら『花嫁』と会話するのが良かろう?」
「そういうものか?」
「そういうものだ」
「さて、零。最近調子はどうだ?」
「……ふと思ったんだが、ニルスの影にしまわれてるロナクはどうしてる?」
「ああ『俺ぼっち、イヤー‼』と悲鳴を上げてな、仕方ないから今日だけ開放してる、ただしお前に近づかないのを約束させてな」
「ああ……」
ロナにべったりのロナクを見て零は遠い目をした。
「酒は飲まないんだな」
「酔わないし、酒よりジュースの方がいいしな」
「そうか……」
「さぁ、楽しもう、飲んで喰って騒ごう」
「騒ぐのは辞めておこう、黒歴史が増える」
「仕方あるまい」
零は異形の子等と和やかに過ごした──
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