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食事見直し~異形退治で痩せすぎ⁈~
しおりを挟む「零」
「何だ?」
「体重計に乗れ」
ある日、目を覚ました零に慎次は言う。
「何故だ」
「良いから」
零は寝起きでパジャマのまま体重計に乗った。
すると──
「……痩せ過ぎと出ているが?」
「……」
「食べる量を増やせないなら、カロリーを底上げするしかないな」
「私は食べてるぞ?」
「見廻りの歩きでカロリーをごっそり消費してるんだろう、あと異形退治で」
「む」
零はむすっと表情を変える。
「痩せ過ぎの何が悪い」
「お前のは体質ではないのは分かっている、日々の異形退治で体重をごっそり使っているのが分かる」
「それで?」
「なのに痩せ過ぎなら、今後さらに体重が減る可能性がある、それは避けたい、お前が餓死なんぞ笑えん」
「むぅ……」
「という訳で高カロリー食だ、体重が平均になるまで続けるぞ」
「マジか」
「フエから公認だ」
「フエからもか」
「ああ、フエから『零さん、痩せ過ぎなんだけどそんなに食わないから余計にやせるんだよね……今まで高カロリー食にしてたけど、慎次の健康食で痩せすぎになっちゃってるから、頼むから高カロリー食にして』」
「だからといって朝からハンバーガーか、ジャンクでは?」
「手作りだぞ」
「マジか」
目の前のハンバーガーのセットに、零は目を丸くする。
「いいから食え」
「まぁ、これ位なら食えるな……」
零はハンバーガーに齧りつく。
「というかサラダとポテトが一緒って多くないか?」
「一応食えるだろう」
「まぁ、量が量だしな」
零はそう言って肉汁たっぷりのハンバーガーに再度齧りついた。
「零さーん、お仕事順調⁈」
「フエか、異形がいないからなんとも言えないな」
「異形が居ないのが一番!」
フエは現れてそう言うと、零の手を掴んだ。
「零さん昼食まだ⁈ 美味しいラーメン屋があるんだけど?」
「まだだが、うーん」
「零、ラーメン屋に行くぞ」
慎次がむんずと腕を掴む。
「そうそう、行こう!」
「わかった、わかったからせかすな」
ラーメン屋の前に並び、零は醤油ラーメンを選んだ。
「豚骨とかじゃないの?」
「なんというか、胃が重い」
「なら仕方ないか」
「そうだな」
三人は出されたラーメンを食べた。
「お帰りなさいませ……零さん⁈」
受付の瑞穂が驚いた表情で慎次に背負われている零に駆け寄る。
「ど、どうしたんですか」
「……胃もたれだそうだ」
「はい?」
「脂っこいものを食べさせてたらこうなった」
「じゃ、じゃあそれ以外は……」
「無事だ、やれやれ作戦の練り直しだ」
「だねー」
零を背負った慎次と、フエが二階へ上がっていった。
「う゛ー胃が重い」
「ほれ胃薬」
「うん……」
零は慎次から胃薬を貰い、横になる。
「脂っこいものは食べたくない」
「どうする?」
「……食事の量を増やすか、相対的に」
「どうやって?」
「間食を増やす」
「なるほど」
「う゛ー」
唸っている零を見て、フエは気まずそうな顔をする。
「零さん、こんなに脂っこいものに弱かったんだ」
「だな……」
フエと慎次は顔を見合わせてため息をついた──
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