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「花嫁」の裏事情
しおりを挟む「うまい」
その日、零は餅を食っていた。
慎次は餅に合わせた、栄養の偏らない食事を提供していた。
餅を主食としてから、零の肉付きは良くなり──平均体重近くになっていた。
それでも、異形退治でカロリーを消費するので、零は平均体重未満だった。
「今日もこれ食べたら見廻り行くぞ」
「分かった」
その後、食事を終え、その片付けをした慎次は零と共に見廻りに向かった。
「さて、零さんの調子が良さそうだけどどんな感じ」
「好物が毎日出ているしが、被害者が少なくなっていることも理由にあるだろう」
懐疑室で、夜中フエ達は話あっていた。
「フエさんどんだけ餅好きなの?」
「夏場でも食いたがる程だ」
「ジャンキーじゃん」
慎次の言葉にフエは驚く。
「ところで見廻りの外での異形達は?」
「この国では一応対策は取ってるよ」
「他の国は知らんがな」
「他の国に呼び出されそうで怖いんだがな」
「それは無いでしょう」
「そうそう、連中そういうのは聖書とかがあればどうにかなるって思ってるもん」
「効果ないのにな」
紅とフエは頷き合う。
「とりあえず、海外から呼び出しがないことを祈るだけだ」
「そうだな」
「……なんかおかしいね」
「何がだ」
少し愉快そうに笑うフエに、紅が首をかしげて問う。
「私達が祈るだなんて、おかしいじゃない」
「……それもそうだな」
「でしょう」
フエはくつくつと笑った。
後日──
「慎次」
「零、どうした?」
「実は海外から依頼が来たんだが……」
「げ」
慎次は先日話して居た事が現実になったことで顔を引きつらせた。
「エクソシストにでも頼めで、連絡終了。向こうにもエクソシストの組織はある」
「……退治できるか?」
「無理だろう、だが海外にはさほど私は興味はない、薄情者ですまないがな」
「……何かあったのか?」
「何、私怨だよ。昔海外で暴力行為で痛い思いをしただけだ」
「……なるほど」
「という訳で海外はやらん、どうせ規模が大きくなったらフエ達が行くだろうしな」
「……」
──その通りだよ──
慎次は言葉を飲み込んだ。
「ところで、その件フエに言ったのか?」
「言ってない、言ったらフエも海外案件やらなくなるだろう」
「ああ、なるほど……」
「ぶえくしゅ!」
フエはベッドの中でくしゃみをした。
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「君が噂されているなんて嫌だ」
柊が抱きついてきた。
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「それならいいんだけども……」
柊はフエにすり寄り、そんな柊をフエは大切そうに撫でた。
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