妹が破滅フラグしか無い悪役令嬢だったので、破滅フラグを折りまくったらBL展開になってしまった!

古紫汐桜

文字の大きさ
3 / 69

モブにさえなれなかった男の決意

しおりを挟む
ロベルタは傷心を抱え、アルトを殺したのは自分にも責任があると旅立ってしまう。
アルトから言わせてもらえば、自分一人が逃げ出すのでは無く、何故、一番辛いアリアナのそばに居なかったのだ!と文句を言いたい所だが、前世の自分が書いた作品が故に当たる所が無い。
ロベルタは優しい男だが、ここ一番に弱い男なのだ。
アルトは隣で微笑む可愛い可愛いアリアナを見詰めながら
(自分が生きているんだから、アリアナの破滅フラグを折りまくったら良くない?)
と考えた。
そもそも、前世の自分が考えた小説がもとの世界だ。
アリアナに幸せな未来を与えるべく、破滅フラグが立った瞬間に折ってやれば良い。
アルトはそう考え、実行に移す事にした。
まずは、アリアナをロベルタとさっさと婚約させてしまい、皇子に恋をさせなければ良いのだ。
何せ、アリアナは皇子と婚約していても、密かに思っていたのはロベルタだった。
でも、双子の兄を失い、最愛のロベルタも留学して失った悲しみから、その時に手を差し伸べてくれた皇子に執着してしまうのだ。
腹黒皇子の裏のある優しさと、ロベルタのように本当に優しい男とを見分けられなかった。
(まぁ……アルトを失うまで、アリアナはアルトとロベルタから無償の愛を受けて来たから無理は無い)
アルトは、月七のプロットを思い出す。
ロベルタは続編で、続編のヒロインを助ける役割として登場する。
留学を終えて国に戻ると、愛するアリアナが悪役令嬢になっていて処刑されていた。
全てを知ったロベルタは、アリアナの傍から逃げるように離れた事を後悔するのだ。
アリアナの墓前の前で泣き崩れるロベルタと出会うのが、続編のヒロインであるマリアンヌ。
平民で心優しいマリアンヌが働く居酒屋でストーリーは展開して行く。
攻略の鍵は、ロベルタの殺害されてしまったアリアナへの想いを癒す事。
(そんなに想い合っている2人なら、さっさとくっついちゃえば良いんだよ!)
握り拳を握り締めていると、アリアナに連れられて庭園に来ていた。
「アルト!」
声が聞こえて振り向くと、金髪にトパーズの瞳の色に優しい雰囲気を纏うロベルタが走って来た。
「ロベルタ!」
アルトが笑顔で答えると
「無事で良かったよ。ひと月も寝込んだと聞いて、心配したんだよ」
心の底から心配してくれているロベルタに、アルトは笑顔のまま
「ありがとう。ロベルタが、自分を責めてはいないかと心配だったよ」
と答えると、ロベルタは目をまん丸に見開いて
「どうして……分かるんだい?」
そう言ってアルトの顔を凝視した。
「ロベルタ、君は優し過ぎるからね」
「そんな……」
「でもね、ロベルタ。お願いがあるんだ」
「お願い?」
「そう」
アルトはそう言うと、ロベルタの手を握り締めて
「もし今後、僕に何かあった時、僕の代わりにアリアナの傍に居て護って上げて欲しいんだ」
と告げた。
すると、ロベルタとアリアナは目を見開き
「縁起でもない事を言うな!」
「そうですわ!これからもずっと、3人一緒ですわ!」
そう言って、怒り出した。
「うん!僕だってそのつもりさ。でも、人の寿命なんて、いつどうなるか分からないだろう?」
と答えると、アリアナとロベルタはキョトンとした顔をした後に
「アルト、どうなさいましたの?」
「アルト!急にどうした?」
二人に心配されてしまう。
(イケナイ!見た目は子供、頭脳は大人。これ、バレちゃまずいよな!)
「あはははは!何となくそう思って」
笑って誤魔化すアルトに、ロベルタとアリアナは「心配」という顔をしてアルトの顔を見つめていた。
「とにかく!ロベルタ。僕がアリアナを任せられるのは、ロベルタだけだからね」
とロベルタに言うと、アリアナが真っ赤な顔をして
「アルト!もう、その話は止めて下さいませ」
そう言って、両手で顔を隠してしまう。
(うんうん。今日も僕のアリアナたんは、最高に可愛い)
アルトがアリアナの可愛らしい仕草を見ていると、ロベルタはアリアナの手を取り片膝を着くと
「アリアナ。実は今回、アルトに何かあったら、僕は父上に海外留学をさせられる所だったんだ。同じ公爵家の人間として、責任を取らなくてはいけないと。でも、こうしてアルトが元気に戻って来てくれた。だから、アルトの前で言わせて欲しい。僕の婚約者になってくれませんか?」
と伝えたのだ。
(ロベルタ!でかした!!良くぞ言った!!ただのヘタレだと思っていて、悪かった)
心の中で拍手喝采を送るアルトを他所に、アリアナは益々顔を真っ赤に染めながら
わたくしでよろしければ……」
と答えた。
(腹黒皇子に出会う前に、アリアナの破滅フラグをまず1つ折ってやったぞ!)
アルトが場に似合わない万歳三唱をしているその時、BL展開へとゆっくりと物語が動き始めた事を、まだアルトは知らないのであった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

α主人公の友人モブαのはずが、なぜか俺が迫られている。

宵のうさぎ
BL
 異世界に転生したと思ったら、オメガバースの世界でした。  しかも、どうやらここは前世の姉ちゃんが読んでいたBL漫画の世界らしい。  漫画の主人公であるハイスぺアルファ・レオンの友人モブアルファ・カイルとして過ごしていたはずなのに、なぜか俺が迫られている。 「カイル、君の為なら僕は全てを捨てられる」  え、後天的Ω?ビッチング!? 「カイル、僕を君のオメガにしてくれ」  この小説は主人公攻め、受けのビッチング(後天的Ω)の要素が含まれていますのでご注意を!  騎士団長子息モブアルファ×原作主人公アルファ(後天的Ωになる)

いらない子の悪役令息はラスボスになる前に消えます

日色
BL
「ぼく、あくやくれいそくだ」弟の誕生と同時に前世を思い出した七海は、悪役令息キルナ=フェルライトに転生していた。闇と水という典型的な悪役属性な上、肝心の魔力はほぼゼロに近い。雑魚キャラで死亡フラグ立ちまくりの中、なぜか第一王子に溺愛され!?

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います

緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。 知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。 花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。 十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。 寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。 見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。 宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。 やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。 次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。 アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。 ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!

MEIKO
BL
 本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。  僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!  「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」  知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!  だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?  ※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

処理中です...