妹が破滅フラグしか無い悪役令嬢だったので、破滅フラグを折りまくったらBL展開になってしまった!

古紫汐桜

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太陽の神子と黒騎士

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不思議そうに小首を傾げるアルトの表情に、何処か妖艶さが加わったような気がして、フランシスはアルトの両肩を掴むと
「アルト!きみは……」
そう呟き掛けて言葉を飲み込んだ。
もしも、アルトの口からメイソンと関係を持っていると聞いたら、正常でいられる自信がフランシスには無かった。

 王室で語られる『太陽の神子』と黒騎士の話はフランシスも何度も聞かされて知っていた。
太陽の神さえも知らない事実。
黒騎士は、冥界の神が自分の化身として作られたと言われている。
世界が三つに分けられた時、太陽の神が泣き続けて世界が海だけになったと聞いた冥界の神が、再び新しい生命が生まれた時に、太陽の神が再び涙でこの世界を沈めないようにと、自分に良く似た化身を誕生させた。
しかし誤算だったのは、太陽の神が冥界の神の化身に拗らせた感情を抱いてしまった事だった。
冥界の神はただ、いっときの慰めになれば……という感情で誕生させたのだ。
自分では無く、自分の化身に思いを拗らせて行く恋人にショックを受け、冥界の神は二度と人間界に現れなくなったと言われている。
又、化身とはいえ、人間として誕生させた黒騎士には冥界の神とは別人格を持っていた為に、人間の恋人がいた。
まさか、その恋人を殺して成りすますような愚かな行為にまで及ぶとは冥界の神は思いもよらなかったのだそうだ。
殺された黒騎士の恋人は、一度神を受け入れた器なので、その後の転生でも太陽の神が唯一憑代に出来る器として生まれてしまい、いつしか『太陽の神子』として崇められるようになった。
太陽の神子の力欲しさに、人間が争いを始め、幾度となく繰り返された二人の悲劇。
そんな悲劇を再び起こさないように、太陽の神が唯一憑代に出来る太陽の神子を、5歳になると冥界の神が魂を連れ去ってしまうと言われていた。
アルトが何故、冥界の神から逃れて生きているのか?
それが王宮でも話題になっていた。
国の繁栄の為か?
はたまた、滅亡へのカウントダウンなのか?
黒騎士の転生者と引き合わせなければ、太陽の神が降臨する事は無い。
太陽の神が覚醒した場合、器が太陽の神の神気に耐え切れずに死ぬ。
それを防ぐには、人間と交わり器に人間の生命エネルギーを注ぎ続けなくてはならない。もし、怠れば……太陽の神子は神気に耐えられずに命を落とす。
太陽の神子には、7人の騎士が選抜される。
それは生まれた時に、騎士の証を身体の何処かに印されて生まれてくる。
フランシスは、左肩に太陽の紋章が刻まれて生まれて来た。
その時から、フランシスの運命はほぼ決まっていた。
太陽の紋章を印された者は、光属性の力を併せ持つ。
偶然、第一皇子として誕生したが、もし2番目以降だったとしても、光属性の魔力を有する者は王家を継がなければならない。
逃げられない重責に押し潰されそうな時に出会ったのが、アルトだった。
出会った時はアリアナのドレスを着ていたので、てっきりアリアナかと思って手を差し伸べたフランシスに、ドレスを着たままで片膝を付いて挨拶されたのには驚いた。
屈託の無い飾らないアルトの人柄と、出会ったインパクトの強さに惹かれて婚約を申し出たフランシスだったが、今思えばアルトに強く惹かれたのは、騎士と神子の呪いのような絆故なのかもしれないと……フランシスは思い始めていた。
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