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第二章 第一話 別人のようなアルト
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「どういう事!」
メイソンの家族を救いに行くと旅立った時は、いつものアルトだった。
しかし、旅から戻ったアルトは別人のようになっていた。
……いや、あれが本来のアルトだったと思い出し、アリアナは納得いかないという顔で椅子に座り直す。
そんなアリアナを困った顔で見つめるロベルタと、親指の爪を噛みながら考え込むマリアンヌが居た。
旅から戻ったアルトは、フランシスと婚約したと言い出して家族を混乱させた。
しかし、仲睦まじい姿を見たアルトの両親は、そんなに愛し合っているならと、婚約を承諾してしまっている。
そんな三人がお茶をしているテラスに、偶然、アルトが通り掛かった。
「やぁ、アリアナとロベルタ。マリアンヌも一緒なんだね」
にっこりと微笑むと、隣のフランシスと移動教室へと向かってしまう。
「あんなの、アルトきゅんだけどアルトきゅんじゃないわ!」
机を叩くマリアンヌに、アリアナも
「そうですのよ! アルトは、あんな品行方正では無かった筈ですのよ」
そう呟いて、溜め息を吐いた。
明るくて優しい、喜怒哀楽がハッキリしているけれど、大好きで自慢の双子の片割れ。
少々破天荒ではあったけれど、誰に対しても平等に優しく接するアルトが大好きだった。
けれど、今は慎ましやかな大人しい……まるであの日、木から落ちる前のアルトのようだと思って見ていた。
元々、アルトは大人しい子で、アリアナの方が活発だった。
外で駆け回るのはロベルタと一緒の時位で、基本的には家で本を読んでいるような子だった。
それでも、アリアナの為なら何でもしてくれるという部分には変化は無かった。
だけれど、一緒にアリアナの手を取り、美しい空を見上げてくれたり、花畑を駆け回ってくれたのは、倒れた後のアルトだった。
いつもキラキラと瞳を輝かせていたアルトが、今はフランシスにだけ眼差しを向けている。
元々、倒れる前のアルトが、フランシスに憧れを抱いていたのをアリアナは知っていた。
「あんなスーパーマンになりたかったなぁ~」
いつだったか、そんな風に語っていた。
でも、倒れた後のアルトは、フランシスを友達として親愛はあっても恋愛感情は無いように見えていたのに……。
何があったのか、アリアナには全く分からなかった。
「あんなアルト……、私の大好きなアルトではありませんわ……」
以前のアルトなら、フランシスよりアリアナを選んでくれた筈。
『アリアナ、美味しそうなお茶を飲んでいるね』
『アリアナ、僕の一番は永遠にアリアナだけだよ』
まるでひまわりのような笑顔を浮かべて、アリアナに語り掛けてくれたアルトはもう居ない。
「アルト……、何があったのです?」
ポツリと呟いたアリアナを、マリアンヌは紅茶をすすりながら見ていた。
アルトが変わった原因を考えていたマリアンヌは、一つの答えを導き出した。
もしかしら、アルトは自分の神子の力を最大限に使ったのではないか?と。
そうなると、『七緒夢』であった頃の記憶が残っているアルトの記憶が消滅した可能性がある。
そうなると、死んだ筈のアルトの記憶だけが残される。
それはそれで、フランシスに溺愛されて幸せな一生を終える事が出来るだろうから、アルト自身は幸せなのかもしれない。
でも、自分を腐女子と呼び、クルクルと表情を変えて笑うアルトの姿は二度と見る事は無い。
「私も……覚悟を決める時が来たのかな?」
ポツリと呟いたマリアンヌに、アリアナはそっとその手を取って
「マリアンヌまで、変わってしまわないでね」
と呟いた。
そんなアリアナの手を取り、マリアンヌは小さく微笑んだ。
メイソンの家族を救いに行くと旅立った時は、いつものアルトだった。
しかし、旅から戻ったアルトは別人のようになっていた。
……いや、あれが本来のアルトだったと思い出し、アリアナは納得いかないという顔で椅子に座り直す。
そんなアリアナを困った顔で見つめるロベルタと、親指の爪を噛みながら考え込むマリアンヌが居た。
旅から戻ったアルトは、フランシスと婚約したと言い出して家族を混乱させた。
しかし、仲睦まじい姿を見たアルトの両親は、そんなに愛し合っているならと、婚約を承諾してしまっている。
そんな三人がお茶をしているテラスに、偶然、アルトが通り掛かった。
「やぁ、アリアナとロベルタ。マリアンヌも一緒なんだね」
にっこりと微笑むと、隣のフランシスと移動教室へと向かってしまう。
「あんなの、アルトきゅんだけどアルトきゅんじゃないわ!」
机を叩くマリアンヌに、アリアナも
「そうですのよ! アルトは、あんな品行方正では無かった筈ですのよ」
そう呟いて、溜め息を吐いた。
明るくて優しい、喜怒哀楽がハッキリしているけれど、大好きで自慢の双子の片割れ。
少々破天荒ではあったけれど、誰に対しても平等に優しく接するアルトが大好きだった。
けれど、今は慎ましやかな大人しい……まるであの日、木から落ちる前のアルトのようだと思って見ていた。
元々、アルトは大人しい子で、アリアナの方が活発だった。
外で駆け回るのはロベルタと一緒の時位で、基本的には家で本を読んでいるような子だった。
それでも、アリアナの為なら何でもしてくれるという部分には変化は無かった。
だけれど、一緒にアリアナの手を取り、美しい空を見上げてくれたり、花畑を駆け回ってくれたのは、倒れた後のアルトだった。
いつもキラキラと瞳を輝かせていたアルトが、今はフランシスにだけ眼差しを向けている。
元々、倒れる前のアルトが、フランシスに憧れを抱いていたのをアリアナは知っていた。
「あんなスーパーマンになりたかったなぁ~」
いつだったか、そんな風に語っていた。
でも、倒れた後のアルトは、フランシスを友達として親愛はあっても恋愛感情は無いように見えていたのに……。
何があったのか、アリアナには全く分からなかった。
「あんなアルト……、私の大好きなアルトではありませんわ……」
以前のアルトなら、フランシスよりアリアナを選んでくれた筈。
『アリアナ、美味しそうなお茶を飲んでいるね』
『アリアナ、僕の一番は永遠にアリアナだけだよ』
まるでひまわりのような笑顔を浮かべて、アリアナに語り掛けてくれたアルトはもう居ない。
「アルト……、何があったのです?」
ポツリと呟いたアリアナを、マリアンヌは紅茶をすすりながら見ていた。
アルトが変わった原因を考えていたマリアンヌは、一つの答えを導き出した。
もしかしら、アルトは自分の神子の力を最大限に使ったのではないか?と。
そうなると、『七緒夢』であった頃の記憶が残っているアルトの記憶が消滅した可能性がある。
そうなると、死んだ筈のアルトの記憶だけが残される。
それはそれで、フランシスに溺愛されて幸せな一生を終える事が出来るだろうから、アルト自身は幸せなのかもしれない。
でも、自分を腐女子と呼び、クルクルと表情を変えて笑うアルトの姿は二度と見る事は無い。
「私も……覚悟を決める時が来たのかな?」
ポツリと呟いたマリアンヌに、アリアナはそっとその手を取って
「マリアンヌまで、変わってしまわないでね」
と呟いた。
そんなアリアナの手を取り、マリアンヌは小さく微笑んだ。
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