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母様の危機⑥
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ボロボロの毛布に包まれた醜い生き物を見て、アレンが眉を寄せた。
「シルヴァ王、何故魔族の低級魔物を?」
そう呟くと、13号が狂ったように笑い出し
「だってさ、多朗。……とはいえ、そいつには多朗だった記憶なんて無いけどね」
と言ってお腹を抱えて笑っている。
「そいつの年齢は130歳だ。分かるか?じき、寿命が尽きる。それまでに、私がかけた呪いを全て解かないと……死ぬよ」
楽しそうに話す13号を、殴りたい気持ちに駆られて拳を握り締める。
「よくも多朗様を……! 言え! 多朗様の呪いを解く方法を吐くんだ!」
13号の胸ぐらを掴み怒り出したアレンに
「嫌だよ。どうせ私は処刑だろう? 絶対に吐かない」
そう言って顔を背けた。
アレンが怒りに震えた拳を振り上げると
「そうだ……シルヴァ王、もう一つだけなら教えてあげるよ。それはね、私を貴方が抱く事だよ」
13号は父様を真っ直ぐ見て呟いた。
「なっ……」
驚いた僕達とは違い、父様は予想していたみたいで落ち着いていた。
「分かった」
「私が満足するまでだぞ?」
クスクスと笑う13号に
「だが、僕の魔力を吸収して身体に異変が起きても責任は持てないが良いか?」
父様が答えると
「確か……多朗に出会う前は、魔女を10人以上一晩で抱いたのだったか?」
13号が呟いた。
僕はその言葉にゾッとした。
(僕の相手が、アレンで良かった……)
そんな事を考えていると、父様の腕の中の母様が小刻みに震えている。
父様がそっと自分の上着を母様に掛け
「アレン、亜蘭。教会の中の孤児を集めて、まずは声を戻してやってくれ。それから、白虎と交流して子供達と13号を連れて城に戻って来い。僕は先に戻る。頼むぞ」
そう言うと
「エイダン!」
父様が叫んだ。
すると真っ赤な煙が父様の身体を覆うと
「先に戻る」
とだけ言い残し、父様が煙と共に消えてしまった。
「え……? えぇ!」
驚く僕に
「何だ? あんた、王族の癖に能力を知らないのか
?」
13号に鼻で笑われてしまう。
父様が居なくなった途端、13号の態度が急変した。
「あぁ、そうか。あんた、龍神の加護が無いんだっけ?」
口調も態度も悪くなった13号に、アレンは
「ルシア、それ以上亜蘭を侮辱するな!」
白虎の剣を抜いてルシアに切っ先を向けた。
「大したもんだな。セイブリア帝国では、あんなに兄弟2人に抱かれてヨガリ狂っていたくせに。この国では、英雄気取りか?」
ふんぞり返り笑う13号に、アレンが顔を強ばらせた。
「兄様の子供を産みます~とか言って、毎日毎日、あの兄弟とヤリまくってたぞ。お前」
笑い出す13号に、アレンの手が小刻みに震えている。
「嘘を吐くな!」
「嘘じゃない。俺がお前の記憶を操り、あの兄弟に抱かれるように仕向けた。しかし、何故か妊娠しなかったんだよな。あれだけ強力な薬を飲み続けていたのに、お前の身体は子供を授かる機能が出来なかった」
不思議そうに首を傾げる13号に
『簡単な話だ。子供の頃、亜蘭が既に我と契約して子を成す役割を与えられておる。アレンはその番だ。しかも、我の力を宿す者は、オス以外になる事は有り得ない』
剣の赤い宝石の部分から、白虎の姿が現れてそう告げた。
「シルヴァ王、何故魔族の低級魔物を?」
そう呟くと、13号が狂ったように笑い出し
「だってさ、多朗。……とはいえ、そいつには多朗だった記憶なんて無いけどね」
と言ってお腹を抱えて笑っている。
「そいつの年齢は130歳だ。分かるか?じき、寿命が尽きる。それまでに、私がかけた呪いを全て解かないと……死ぬよ」
楽しそうに話す13号を、殴りたい気持ちに駆られて拳を握り締める。
「よくも多朗様を……! 言え! 多朗様の呪いを解く方法を吐くんだ!」
13号の胸ぐらを掴み怒り出したアレンに
「嫌だよ。どうせ私は処刑だろう? 絶対に吐かない」
そう言って顔を背けた。
アレンが怒りに震えた拳を振り上げると
「そうだ……シルヴァ王、もう一つだけなら教えてあげるよ。それはね、私を貴方が抱く事だよ」
13号は父様を真っ直ぐ見て呟いた。
「なっ……」
驚いた僕達とは違い、父様は予想していたみたいで落ち着いていた。
「分かった」
「私が満足するまでだぞ?」
クスクスと笑う13号に
「だが、僕の魔力を吸収して身体に異変が起きても責任は持てないが良いか?」
父様が答えると
「確か……多朗に出会う前は、魔女を10人以上一晩で抱いたのだったか?」
13号が呟いた。
僕はその言葉にゾッとした。
(僕の相手が、アレンで良かった……)
そんな事を考えていると、父様の腕の中の母様が小刻みに震えている。
父様がそっと自分の上着を母様に掛け
「アレン、亜蘭。教会の中の孤児を集めて、まずは声を戻してやってくれ。それから、白虎と交流して子供達と13号を連れて城に戻って来い。僕は先に戻る。頼むぞ」
そう言うと
「エイダン!」
父様が叫んだ。
すると真っ赤な煙が父様の身体を覆うと
「先に戻る」
とだけ言い残し、父様が煙と共に消えてしまった。
「え……? えぇ!」
驚く僕に
「何だ? あんた、王族の癖に能力を知らないのか
?」
13号に鼻で笑われてしまう。
父様が居なくなった途端、13号の態度が急変した。
「あぁ、そうか。あんた、龍神の加護が無いんだっけ?」
口調も態度も悪くなった13号に、アレンは
「ルシア、それ以上亜蘭を侮辱するな!」
白虎の剣を抜いてルシアに切っ先を向けた。
「大したもんだな。セイブリア帝国では、あんなに兄弟2人に抱かれてヨガリ狂っていたくせに。この国では、英雄気取りか?」
ふんぞり返り笑う13号に、アレンが顔を強ばらせた。
「兄様の子供を産みます~とか言って、毎日毎日、あの兄弟とヤリまくってたぞ。お前」
笑い出す13号に、アレンの手が小刻みに震えている。
「嘘を吐くな!」
「嘘じゃない。俺がお前の記憶を操り、あの兄弟に抱かれるように仕向けた。しかし、何故か妊娠しなかったんだよな。あれだけ強力な薬を飲み続けていたのに、お前の身体は子供を授かる機能が出来なかった」
不思議そうに首を傾げる13号に
『簡単な話だ。子供の頃、亜蘭が既に我と契約して子を成す役割を与えられておる。アレンはその番だ。しかも、我の力を宿す者は、オス以外になる事は有り得ない』
剣の赤い宝石の部分から、白虎の姿が現れてそう告げた。
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