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創さんが……来た!!③
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俺が黙って創さんの話を聞いていると
「ハルさんや友也君も…凄く良くしてくれて…。夕飯にも誘ってくれたり、なんだかんだと気に掛けてくれてね…」
そう言うと、創さんはゆっくりと顔を上げて
「でも僕は…優しくされればされる程、もう2度とはじめが帰って来ないんじゃないかと思えて不安になったんだ。酷い奴だよね」
と言って力無く笑った。
「月日が経つにつれて、その不安がどんどん大きくなって…。友也君に無理言って、はじめの家の住所を教えてもらったんだ」
創さんの言葉に、俺が創さんに振られてしまうんじゃないかと怯えてグダグダ悩んでいる間に、こんなにも創さんを不安にさせていただんだと思い知らされた。
「今日、此処に来たのは…ちゃんとお前と話がしたかったからなんだ」
そう言われて、とうとう切り捨てられるんだと覚悟を決めた。
例え2ヶ月とはいえ、連絡を一回入れたきり不義理していた俺には何も言い返せない。
膝の上に乗せた手を握り締めると
「はじめ……。もう、こっちには戻れないんだよな?」
諭すように優しく訊かれ、俺は俯いたまま頷いた。
創さんにはクリニックがある。
俺は退院したとしても、足が悪くなった爺ちゃんと、年老いた婆ちゃんを残して大学へは戻れない。
そうなったら、別れるしかないのは分かっていた。
でも、別れたくなかった。
例え俺の片思いだったとしても、いつかはそばに戻りたいと願ってしまう。
そう思っていると
「まぁ……、お前が毎朝下まで送ってくれれば良いし……。此処から通えなくも無いか」
と、創さんが呟いた。
「え!」
驚いて創さんの顔を見ると
「なんだよ! 別れるつもりだったのか?」
と悲しそうな顔をして言うと
「……とは言っても、きちんと付き合ってなかったな」
そう言って創さんは俺と向き合い
「はじめ。僕達、きちんと恋人にならないか?」
と言い出したのだ。
「ハルさんや友也君も…凄く良くしてくれて…。夕飯にも誘ってくれたり、なんだかんだと気に掛けてくれてね…」
そう言うと、創さんはゆっくりと顔を上げて
「でも僕は…優しくされればされる程、もう2度とはじめが帰って来ないんじゃないかと思えて不安になったんだ。酷い奴だよね」
と言って力無く笑った。
「月日が経つにつれて、その不安がどんどん大きくなって…。友也君に無理言って、はじめの家の住所を教えてもらったんだ」
創さんの言葉に、俺が創さんに振られてしまうんじゃないかと怯えてグダグダ悩んでいる間に、こんなにも創さんを不安にさせていただんだと思い知らされた。
「今日、此処に来たのは…ちゃんとお前と話がしたかったからなんだ」
そう言われて、とうとう切り捨てられるんだと覚悟を決めた。
例え2ヶ月とはいえ、連絡を一回入れたきり不義理していた俺には何も言い返せない。
膝の上に乗せた手を握り締めると
「はじめ……。もう、こっちには戻れないんだよな?」
諭すように優しく訊かれ、俺は俯いたまま頷いた。
創さんにはクリニックがある。
俺は退院したとしても、足が悪くなった爺ちゃんと、年老いた婆ちゃんを残して大学へは戻れない。
そうなったら、別れるしかないのは分かっていた。
でも、別れたくなかった。
例え俺の片思いだったとしても、いつかはそばに戻りたいと願ってしまう。
そう思っていると
「まぁ……、お前が毎朝下まで送ってくれれば良いし……。此処から通えなくも無いか」
と、創さんが呟いた。
「え!」
驚いて創さんの顔を見ると
「なんだよ! 別れるつもりだったのか?」
と悲しそうな顔をして言うと
「……とは言っても、きちんと付き合ってなかったな」
そう言って創さんは俺と向き合い
「はじめ。僕達、きちんと恋人にならないか?」
と言い出したのだ。
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