珈琲のお代わりはいかがですか?

古紫汐桜

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二人の未来

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「熊さ~ん!」
あれから2年が経過した。
今日、友也達が創さんに連れられて遊びに来た。
「友也!」
手を振る俺の手には、小さな子供がぶら下がっている。

創さんと暮らし始め、俺が猟や畑を手伝ってはいるものの、爺ちゃんと婆ちゃんはすっかり元気を無くしていた。
後から知った話では、爺ちゃんも婆ちゃんも俺の性癖は分かっていたらしい。
きっと、1人此処で自分達が死んだ後寂しく死んで行くのではないかと心配だったらしい。
だからせめて、自分達が俺をしっかり面倒見ようと思っていた矢先、創さんという伴侶を得てしまい、気が抜けてしまったようだった。
そんな2人を見ていて、創さんが爺ちゃんと婆ちゃんにある提案をして来た。
創さんがやっているボランティアで、実の親からのDVで傷付いた子供を預かる一時預かりの里親を募集しているので、やってみないかと持ちかけられた。爺ちゃんも婆ちゃんも、「他所様のお子さんを預かるなんて…」と最初は戸惑っていたものの、実際に預かったら活き活きし始めた。
そして1人から2人…2人から3人と、今では10人の子供を預かっている。
爺ちゃんは母屋を増築して、今や子供達と楽しそうに暮らしている。
畑を手伝っていた子供達が
「はじめ先生!創先生の車が見えたよ~!」
と走って来たので、畑仕事を一時中断して友也達の到着を待った。
子供達は俺を「先生」と呼び、爺ちゃんと婆ちゃんは「爺ちゃん」と「婆ちゃん」と呼ばせていた。
この場所は山奥なので、親が強引に連れ戻しにも来られないので、子供達は伸び伸び暮らしている。
最初は笑わなかった子供も、此処で生活して少しずつ笑うようになっていた。
痩せ細っていた子供も、肌艶も顔色も良くなって健康的に育っている。
まだ未就学生の子供だったり、小学校低学年の子供も居て、都会から来た子供は自然の中で最初は戸惑っていたようだが、今では楽しそうに暮らしている。
「本当に山奥なんだ~」
創さんの車から降りて、友也が驚いたように呟いた。
そして俺の周りにいる子供達を見て
「本当に、子供達を預かってるんだな…」
と、事ある事にしみじみしている。
少し遅れて、友也の健人君と蓮君。ハルさんが現れた。
「やっと来れた!はじめくん、久しぶり」
相変わらず色っぽい笑顔を浮かべ、ハルさんが大きな箱を抱えて現れた。
子供達が目ざとく、俺の周りに集まってハルさんの箱を見つめている。
「みんなにケーキ焼いて来たんだけど、食べる?」
と聞いたハルさんに、子供達が満面の笑顔を浮かべて
「食べるー!」
と叫んだ。
弾ける子供達の笑顔を見ていると
「はじめくん、幸せそうだね」
って、ハルさんが微笑んだ。
「はい、とっても」
微笑み返した俺に、ハルさんが「ふふふ」って笑うと
「もう、僕達の知ってるはじめくんじゃないから、びっくりしたよ」
と呟いた。
意味が分からなくて小首を傾げると
「そんなに魅力的になってたら、創先生もはじめくんを下山させない訳だ」
って苦笑いした。
(魅力的?俺が?)
疑問に首を傾げると
「はじめ!お前は先に、子供達と中に入ってろ!」
と、創さんに腕を掴まれてハルさんから引き剥がされた。
「え!でも……」
戸惑う俺に、ハルさんはクスクス笑うとケーキの箱を差し出し
「これ、みんなで分けて食べて」
と微笑んだ。
創さんは口をへの字にすると
「はじめ!聞こえてるのか?」
そう言うと、俺の背中を母屋へとグイグイ押している。
「はじめ先生!早く早く!」
子供達も待ちきれないようで、みんなで俺の背中を押している。
「あの、又後で!」
子供達に引っ張られ、俺は母屋へと引き摺られて行った。
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