秘密

古紫汐桜

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セオの帰還

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身体を綺麗に拭き取ると、そっとオスカーを抱き上げて別の部屋に寝かせる。
「部屋を片付けて来ます」
そう言って立ち上がるレオの手を掴み
「お願い……。眠るまで、そばに居て……」
とオスカーは呟いた。
レオが小さく頷き
「分かりました。眠りに着くまで、お傍におります」
と答えると、オスカーは小さく笑って
「ありがとう」
そう言って目を閉じた。
「ねぇ……。昔みたいに、頭を撫でてくれる?」
オスカーの言葉に小さく微笑み、ベッドに座ってそっと髪の毛を撫でた。
柔らかい、チンチラ種族の長毛種の毛並み。
「ふふふ、レオの手は父様みたいだ」
そう呟くと、間もなく寝息を立て始めた。
見た目がどんなに成長しても、まだ幼いオスカーが愛おしかった。
本当は、純粋で幼いオスカーが、そのままゆっくりと大人へ成長して行く姿が見たかった。
しかし、どんなにそれを願っても、時を戻せないのは分かっていた。
だからせめて、この美しくも悲しい王子を守り続けたいとレオは思っていた。

翌朝、馬の鳴き声にオスカーが飛び起きた。
「兄様、セオ兄様!」
隣国との外交を終わらせ、その足でこの宮殿へやって来たらしいセオ王子に、この宮殿にいる間は身に付けるようにセオ王子に言われている、透けて衣類の意味を成さない服を身に纏い走り寄る。
「ただいま、愛しいオスカー」
両手を広げ、抱き着くオスカーを受け止める。
「オスカー、良い子にしていたか?」
微笑むセオ王子に
「いつお戻りに?明日の帰国では無かったのですか?」
目を輝かせ、大輪の花が綻ぶかのように美しい笑顔を浮かべるオスカーを抱き上げて
「オスカーに早く会いたくて、真っ先に飛んで来たよ」
そう言って、唇を重ねる。
セオの首に手を回し、舌を絡めてキス交わす。
「兄様……、早く……」
唇を離し、焦れたようにセオに目を潤ませて囁く。
2人は縺れるように寝室のベッドに倒れ込み、セオの着衣を焦れたようにオスカーが剥いで行く。
唇を重ね、セオはオスカーの足を割り開いて身体を重ねると、性急に前を寛がせてオスカーを貫いた。
「あぁっ!」
仰け反るオスカーに
「愛しいオスカー。昨夜は、何人の男をここに咥えたんだ?」
腰を動かしながら聞かれ
「5人……です……」
オスカーは喘ぎながら答える。
「良い子だ。でも、もう他の男に抱かれなくても良い。これからは、俺が満足するまでいくらでも抱いてやる」
激しく貫かれながら、セオ王子がそう囁くとオスカーは嬉しそうに微笑んだ。
「本当に?ずっと……兄様が?」
必死に背中に腕を回し、無遠慮な律動に喘ぎながらオスカー王子は嬉しそうに微笑む。
「あぁ……ずっとだよ、オスカー」
セオはそう囁くと、オスカー王子の両足を掴んで上から激しく腰を打ち付けた。
「あぁ!兄様ぁ……。もう……」
2人の荒い呼吸が重なり、ベッドのスプリング音が激しく軋む。
「兄様……、快いっ!そこ!もっと、もっとしてぇ!」
オスカー王子の甲高い声が響き、肉のぶつかり合う音が響く。
「オスカー、出すぞ!」
「兄様、来てぇ!あっ、アア!」
ギシギシとスプリング音が早くなり、オスカー王子の声が響くと同時に音が止まる。
2つの荒い呼吸が響き、再び舌を絡める水音が響き始めた。
(今日も長くなるな……)
レオはドアに凭れ、天井を見上げた。
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