腐れ縁から始まる恋

古紫汐桜

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筆記用具係

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クラスが変わったら、もう、話しかけられないんだろうって思ってた。
そんな始業式の日
「奥寺~」
って、私を呼ぶ声。
振り向くと、アイツが近付いて来て
「悪い!癖で筆記用具持って来て無かったわ」
って、手を合わせてお願いしてきた。
私は苦笑いを浮かべて
「仕方ないな~」
って言いながらシャーペンと消しゴムを差しすと、アイツは
「あのさ、借りといて良い?」
って言い出した。
「え?じゃあ、あげるよ?」
そう言うと、アイツは笑って
「いや、借りとくよ。ありがとうな」
と言って、手を挙げて去って行った。
すると、同じクラスの子数名に
「ねぇ、春原君と付き合ってるの?そうじゃないなら、ブスのくせに仲良くするの止めてくれない?」
と言われてしまった。
親友の百合は「気にしないで良いよ」と言ってくれていたけど、私はクラスのアイツが好きなグループの女子に嫌われていた事を知った。
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