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婚約破棄を目指して、親友になろう!

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するとマークも
「そうですね。まだフレイアお嬢様もアレク様も、小さなお子様だ。私からしたら、みんな可愛いですね!」
と、ガハハハって笑って言うと、私とアレクの頭をガシガシと撫でて
「子供のうちは、可愛いと言われたら素直に喜びなさい。子供への可愛いは、大好きと同じ意味を持っている」
そう話して私達を今度は優しく抱き締めた。
「アレク様。だから、今日はあなたの為に温かくて美味しい料理をたくさん作ります。もし、私が信じられないのでしたら、銀の食器でお出ししても良い」
マークの言葉に、アレクが首を傾げた。
「銀は毒に反応すると、黒くなるのですよ。それを教えて下さる方が、いらっしゃらなかったのですね」
マークは悲しそうに呟くと、アレクの頭を優しく撫でて
「この家の旦那様を始め、奥様や坊っちゃま。変わり者なお嬢様も、みんな良い方ばかりです。ここでは両手両足を伸ばして過ごして欲しいと、俺達、使用人一同も思っていますよ」
そう伝えた。
マークの言葉がどう伝わったのかは分からないけれど、アレクは耳まで赤くしながら
「食器はみんなと同じで構わない」
とだけ呟いた。
私とマークは顔を見合わせて微笑むと
「さぁさぁ、お2人とも。もうお手伝いは済んだのですから、外にでも遊びに行って来て下さい。俺はこれから、アレク様の歓迎料理を腕によりを掛けて作らなくちゃならないんですからね。お2人は邪魔ですよ」
そう言って、追い出されてしまう。
私はアレクの手を握り
「じゃあ、次は屋敷内を案内しますわ!」
と言うと、外に飛び出した。
「ど……何処に行くんだ?」
戸惑うアレクを無視して、私は庭園を案内したり、マークの菜園に行ったりとアレクを引っ張り回した。
そう……、寂しさなんて感じない程に……。
夕日が空を染める頃、私は小高い丘にアレクを連れて来て夕日を眺めながら
「アレク様、私とお友達になりません?」
と呟いた。
夕日に照らされたアレク様の顔は、将来、人気ナンバーワンになるだけあるアティカス王子の面影を感じる程に整った顔をしている。
「友達?」
「えぇ。それも、親友ですわ!」
「親友?」
「男女の恋愛なんて、どちらかの感情が冷めてしまったら終わってしまいますの。でも、親友なら永遠に仲良しでいられますわ」
私の言葉に、アレクが小首を傾げる。
「それは、婚約者では嫌だと言うことか?」
ポツリと呟いたアレクの言葉に、私はアレクの両手を掴み
「私には、アティカス王子という婚約者がおりますの。ですが親友でしたら、私が結婚してもずっと仲良く出来ますし」
と、畳み掛ける。
アレクがアティカス王子だと言うのは、分かっている。
しかし!ここで親友になっておけば、アティカス王子がヒロインと出会って恋に堕ちたら、私に相談してくれて婚約破棄がしやくなると考えたのだ!(私、天才!)
ゲームのようにヒロインを虐めたりせず、某アニメの悪役令嬢モノのように全員から好かれるなんて芸当は私には無理な話。
だったら、断罪されずに円満で婚約破棄してもらうには、親友になってしまうのよ!
そうしたら、私はルイス様と晴れて結ばれるっていう完全なる計画!
後は、ルイス様に好かれる為に、落ちきった私への好感度アゲアゲ計画を頑張らなくては!
私はアレクと夕日を眺めながら、ルイス様との華麗なる恋愛ストーリーを夢見ていた。
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