異世界に行ったけど、早く地球に戻るんだ

電電世界

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第2話

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「君は、不運にも先ほどまでいた[勇者]神宮司翔くんの勇者召喚の魔法陣に巻き込まれました」

「不運ってことは、僕は別に勇者として召喚されるわけじゃないんですか？」

「うん。そうだよ別に君は勇者として召喚されるわけじゃない。あと自分のことは[僕]じゃなくていつもの[俺]でいいよ」

優人はそう言われ、目の前の金髪イケメンが言ったことに不思議と納得し、言われた通りにしようと思った。

「分かりました。それとやっぱり、あなたは神様なんですか？」

「正解だよ。僕は神様だよ」

言葉だけを聞けば、頭がおかしいと思うが目の前のうっすら光っている金髪イケメンを見れば、不思議と納得できる。

「あの、不運な巻き込まれの事故なら俺を地球に返してください。他のタイミングならば『異世界転移してチートでハーレムを築いてやるぜ』って思うんですけど」

「そうなんだ。でもね君はそう言うけど、実際問題として地球にこのまま帰るっていうことは無理って分かっているんじゃないかい」

「やっぱりそうなんですか」

優人は聞きたくない事実を突きつけられて、気分がまた沈み込んだ。

そして、手に持っていたゲームショップの袋を落としてしまい、袋の中から初回限定特装版(オリジナルドラマCD付)のゲームソフトが出てきた。

「あれ君もそのゲームソフトを買ったの。いや僕も地球に降りてゲームショップに行きたいけど、この場を離れられないからネットストアからダウンロードしている最中なんだよ」

まさか、目の前の金髪イケメンがゲームをやっているとは思わなかった。

「それでそれで、君は8人のヒロインで誰が一番好きなの？」

「やっぱり、俺はMANAちゃんが声をあてている幼馴染のポニーテールの娘ですかね」

「あー、あの娘ね。可愛いよね僕はツンデレ妹ツインテールの娘が、ファーストインプレッションとして最高だったね」

そうして優人は神様とゲーム談義をしていた。

「おや、遂にソフトのダウンロードが終わったみたいですね。さてさて続いてデータインストールをしなければっと」

神様は、そう言いながら慣れた手つきでコントローラを操作していた。

「優人くん。僕は今非常に悩んでいます。ゲーム談義をここまで楽しく出来た優人くんとこれから一緒にオープニングを見てみたい、けれどもこれから優人くんは異世界[ダクトリム]に行き、しばらくゲームができない」

そうなのである。優人は悩んでいた。今ここでゲームのオープニング映像を見てしまえば、異世界に行ってもゲームがやりたくて狂ってしまうだろう。でも

「見ます。オープニングを見てそれを糧に1日でも早く日本に帰って自分の手でゲームをやります」

「うん。その意気だよ優人、でも君が望むチートは勇者召喚されて正規の召喚陣で召喚されたさいに付与されるものだから、だから君は今のままだとチート無く異世界に行くことになる」

「えっ、確認しませんでしたけど、その[ダクトリム]には魔物っていうかモンスターがいるんですよね？」

「そうだよ、だから君には本来チートがつかないんだけど、僕の独断で君にはチートをプレゼントしよう」

チート無く、モンスター蔓延る異世界に転移するのかと絶望して、すぐにチートが貰えると分かり復活した。

「ど、どんなチートが貰えるんですか」

「そうだね。今回の勇者には、《全魔法適性》と《全パラメータが初期値100倍》と《聖剣エクスカリバーの付与》だね」

「確かに凄いですけど何かラインナップが一昔前のチートみたいですね」

「今回の召喚陣は古くて、しょぼいみたいだね」

「召喚陣にも当たり、ハズレがあるんですか？」

「もちろん、頻繁に勇者召喚をする国はしょぼい勇者じゃ割に合わないから強いチートが付くように魔法陣を改良するけど、神宮司くんが呼び出された召喚陣は、王城の倉庫の奥底から見つかった古文書をそのまま再現しただけだから、優人も巻き込まれちゃう穴だらけの欠陥品のうな召喚陣だったという訳さ」

「俺が、異世界に転移するのはその古い召喚陣が使われたから、ふふふふふふふふふ」

「まあ落ち着きなよ優人」

神様に宥められ、なんとか闇に落ちずにすんだ。

「さて、優人くんにはもっと今時のネット小説のようなチートを与えよう」

「ワクワク、ワクワク」

「それは《詳細鑑定》と《アイテムボックス》と《全アビリティの取得制限解除》と《完全解体剥ぎ取り》だよ」

「なんか、思ったよりも失礼ですけど数は多いけど質素ですね」

「そうだね」

神様ぶっちゃけちゃったよ

「でもやっぱり、基本は大事だよ。それぞれのチートの説明したかったけど《詳細鑑定》を使えば分かるし、遂にデータインストールが終わったからね」

そして、2人で並んで待ちに待ったオープニングを見た。

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