異世界に行ったけど、早く地球に戻るんだ

電電世界

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第35話

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 「誰だ。また勇者様と我々を盗賊扱いするのは」

 王国騎士団第二師団の副団長ザリスが、ゴーレンさんとアスカさんを見ると動きが止まった。

 「お、お前はゴーレンそれにアスカ、何故貴様達がここにいる」

 「私達も今回のダンジョン攻略をお手伝いしていたのですよ。一つお伺いしても宜しいですか勇者様」

 「少しだけならね、おじいさん」

 「ありがとうございます。貴方は地球に帰りたいのですか?」

 「いーや、帰りたくないね。僕は生まれた世界を間違えたようだ。此処はレイウェル、パーサ、トーラもいるし、僕は勇者だ。受験の時に少し失敗をしたらレベルの低い大学に行くことになって、バカな女しか周りにいないそんな世界に何の未練があるもんか。さーて質問に答えたんだ貴方が持っている素材を提供してもらいたいね」

 そう言って、神宮司は剣を抜きゴーレンさんに切先を向けた。

 後ろでは3人の女性が勇者様の言う通りと囃し立てており、声から年若い騎士も同調していたが、その他のザリスと少し年季の入った騎士達だけ慌て始めた。

 「勇者様、今回は冒険者達の頑張りを認めてあげましょう」

 ザリスが勇者を止め始めた。

 「アダマンタイトの鎧やドラゴンの牙や爪や鱗を使った防具はすごく良いんでしょう。それならそれは勇者に相応しい装備だよね」

 「そうです。ドラゴンの素材で出来た鎧に身を包むカケルを見たいです」
 「アダマンタイトで作った武器を持ってるカケルも良い」
 「有名な素材の装備はカケルにこそ相応しい」

 「そうだよな」


 すごい自信だなと優人は思い、《詳細鑑定》を使った


ーザリス ロベルタスー
レベル:51
生命力:2800
魔力:1100
攻撃力:340(+600白鋼練の片手剣装備)
防御力:400(+730白鋼練のフルプレートアーマ装備)
速力:85
魔法適応力:1010

魔法属性:火

所持アビリティ:《中級剣術》


ー神宮司 翔ー
レベル:100
生命力:8600
魔力:3900
攻撃力:1500(+1000聖剣エクスカリバー(未覚醒)装備)
防御力:1300(+800白皇練鉄のフルプレートアーマ装備)
速力:500(+130風虎のブーツ装備)
魔法適応力:1000

魔法属性:全属性

所持アビリティ:《全魔法適性》、《全パラメータが初期値100倍》、《聖剣エクスカリバーの付与》、《初級剣術》、《初級鑑定》、《勇者覚醒》


 何だこれは、勇者のステータスは装備が無ければゴーレンさんにほぼ負けて、アスカさんには装備があっても負けている。

 勇者が弱すぎるのか、ゴーレンさんとアスカさんが強すぎるのか。


 「勇者様、今すぐ剣を下げて下さい。でなければ私も対処せねばなりません」

 弱者への対応だと感じたのか、神宮司がゴーレンさんに斬りかかった。


 「高いステータスに任せた太刀筋ですね」

 神宮司の剣を軽くいなして、一切剣が当たらない。

 「ふざけえるな」

 神宮司は魔法も出してくるが

 「スピードも威力も範囲も中途半端な魔法など分けもありません」

 ゴーレンさんが避けたり、水魔法や氷魔法で相殺した

「どうして勇者の攻撃が通じないんだ」

 そうして遂にゴーレンさんが神宮司の足を払って、倒れた神宮司の喉元に剣を突きつけた。

 「お帰りを」

 「まだだ、《勇者覚醒》」

 神宮司のステータスが2倍になったが

 「全然、遅すぎますね」

 アスカさんがあっという間に双剣で聖剣エクスカリバーを抑えて、神宮司の喉元に剣を突きつけた。

 「残念だけど、弱すぎるよ勇者くん」

 アスカさんも無表情で勇者にそう言う。

 
 「分かった。どうやら意見に齟齬があるようだまた今度にさせてもらう」

 そう言って起き上がった神宮司は3人の女性の仲間と一緒に騎士達の中に消えていった。

 
 「ザリス、勇者の御守りでしょう。国王もそうですが余り調子にのると痛い目を見ますよ」

 そうアスカさんが言うと、騎士達は速やかに何処かへ行った。


 
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