壊すようなキスを

蓮ノ葉 睡蓮

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気持ちと行動

カーテン

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微睡みのなかで私は色々な事を考えていた

私何してるんだろう
彼氏の事、本格的に裏切っちゃったなぁ
さよならしなきゃなぁ…

でも日差しが暖かく、横からは静かな寝息が聞こえてきて、とてつもない多幸感が襲ってくる

気持ちいいなぁ
ずっとこうしていたい

すると突然電話が鳴った
私のでは無い。

拓真さんは目を覚まし、私と目が合うと人差し指を立て
「しー」
と。

私は布団に鼻と口を埋めると、拓真さんは電話に出た

「たくまぁ…今何処にいる?会いたいよぉ…」

「今家にいるよ。でも結花の仕事の移動で別々に暮らすことにしただろう?もう少ししたら有給とって会いに行くからそれまで待てる?」

「わかったぁ…。ごめんなさぃ…」

静かな部屋では通話が丸聞こえしてしまう

「たくまぁ…愛してるから何処にも行かないでね」

「大丈夫だよ。俺も愛してるから。」

「うん。今移動の時期でしょ?だから移動先の届けそっち方面にしといた」

「来れるといいね。そしたらまた暮らそう」

「うん。それじゃあ私仕事行ってくるね」

「あぁ、行ってらっしゃい」

そんな感じの電話だった。

あぁ、そうだった。この人既婚者なんだっけか。
不倫と浮気かぁ…
そしてもうすぐ終わる関係なんだ。

拓真さんがこっちを振り返るとものすごく困った顔をしていた

「絵里?泣いてるの?」

私、いつの間に泣いてたんだろう
でも私から、私の口から出た言葉は

「拓真さん。抱いて」

それだけだった。
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