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1章
2話 広島県立実力行使専門学校 ②
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「おはようございます。賢くん」
クラスの朝学活前。俺が教室に着き、席に着いてバッグから教科書類を出して準備をしていた所だ。
「あ、おはよう。翔庭さん」
翔庭さんが小走りで俺の方へ駆け寄り、上目遣いで朝の挨拶をしてくる。それに対し、俺はなるべく変な発音にならないように注意しながら挨拶を返す。
「はい!おはようございます!」
挨拶を返すと、途端に翔庭さんは満面の笑みになる。そして席を離れていくと思いきや俺の席の前にずっと微笑みながら立っている。
俺なんかしたか...?
俺が何かをやらかして翔庭さんが怒っていると考えたら、翔庭さんの微笑みが怖く思えてくる。
「え、えっと翔庭さん?ずっと俺の席にいるけどどうしたの...?」
俺は翔庭さんに恐る恐るそう聞く。翔庭さんは一瞬呆気に取られて小さく声を漏らす。
「あ、えっと友達だから、め、迷惑でしたか?」
あぁ。そういえば友達になってくれたんだった。あまりにもサラッと友達ができたので忘れてしまっていた。
「あ、いや!大丈夫だよ」
「そうですか、なら良かったです!」
翔庭さんの顔は先程の困り顔から微笑みに変わり、俺の準備を眺める。
(めっっちゃやりずれぇ...)
前々から隣に常に美少女がいてくれたら...と妄想していたものだが、実際に体験してみると何ともやりずらいものだ。
せめて何か話題を、と思った俺はバッグから教科書を出すのを止め、翔庭さんの顔に視線を合わせるべく目線を上に上げる。
「?どうかしましたか?」
.....ダメだ、まともに見れない。
俺は視線を上げるも翔庭さんと目が合って一瞬で視線を元に戻す。
「あ、いや?なんでもないよ...」
翔庭さんは「そうですか~」と少し思案げに返事をする。
「....翔庭さんはどうして特進クラス希望なの?」
俺はこの気まずさに耐えかねて何とか話題を出す。
「んー、そうですね。特進クラスは任務も多いですけどその分お金も多く貰えるらしいです。」
あぁ、となると家族のためとか...
「そのいっぱい貰ったお金で上京の費用と...あとは遊ぶためですかね!」
...違った。
まあ高校生なんだしそう考えるのも当たり前か。
「賢くんはどうして何ですか?」
ここでパスが来るのか。
俺は事情を言うべきか言わないべきかしばらく考えてから翔庭さんに話す。
「上層部との繋がりを持ちたいからかな。理由は秘密で」
俺が曇らせると翔庭さんは何の詮索もせずに「なるほど!」とだけ言う。
「ではお互い頑張らなきゃですね!」
翔庭さんはガッツポーズをしてお互いを励ます。その意気込みに俺は見惚れ、照れを隠すようにバッグの準備を急いでする。
そして俺は準備を終わらせ、翔庭さんと何分か談笑をする。間もなくしてチャイムが鳴り、先生が入ってきた。
「今日の時間割は以下の通りだ。まぁ全部学活だ。昨日に引き続き長ったるい説明を聞いてくれ。あ、あとクラス選択の紙も早めに出しといた方がいいぞ」
先生がそう言ってから日直(今日は朝日)が前に出て朝学活の進行をする。
俺の席は3号車の窓際、前から3番目なので退屈な時はいつも外の景色を眺める。今日も朝学活が終わるまでずっと外の景色を堪能して退屈しのぎをしていた。
ちなみに翔庭さんの席は1号車の左側、前から4番目で朝日の席は1号車の右側、前から1番目だ。
「きりーっつ!」
朝日が元気よく号令をかけると、クラスの皆が立ち上がる。俺も少し遅れて立ち上がり、礼をして朝学活を終わらせる。
朝学活が終わると同時に各々が友達と話したり席に座って読書を始めたり、トイレに行ったり、好きな事をする。朝日は数人の男友達と思わしき生徒達に囲まれて「日直だるかったわー」などと話をしている。
そして翔庭さんはと言うと...
「──今日は5限まで学活です。掃除も無さそうですし早めに帰れますね!」
と、傍から見ると召使いと主人の関係のようだ。
こうやって翔庭さんが俺に執着するのは翔庭さんいわく「友達だから」らしい。まあこのままでも悪い気はしないのでとやかく言わないでおこう。
「そういえば賢くんは試験に向けて練習してますか?」
...練習。そうだ、試験があったんだ。
「やっっばい、練習してねぇ」
俺は急に顔が青ざめて焦り始める。
「そ、それはそれは...い、今からでも間に合いますよきっと!」
俺は「そうだよな」と返して青ざめた顔のまま机を見つめる。そのまま時間だけが過ぎていき、チャイムが鳴って授業が始まる。
そして5時間の授業が終わり、俺は翔庭さんに挨拶をしてさっさと帰る。
そして、来たる選抜試験に向けて俺は必死に力についての勉強をするのだった。
クラスの朝学活前。俺が教室に着き、席に着いてバッグから教科書類を出して準備をしていた所だ。
「あ、おはよう。翔庭さん」
翔庭さんが小走りで俺の方へ駆け寄り、上目遣いで朝の挨拶をしてくる。それに対し、俺はなるべく変な発音にならないように注意しながら挨拶を返す。
「はい!おはようございます!」
挨拶を返すと、途端に翔庭さんは満面の笑みになる。そして席を離れていくと思いきや俺の席の前にずっと微笑みながら立っている。
俺なんかしたか...?
俺が何かをやらかして翔庭さんが怒っていると考えたら、翔庭さんの微笑みが怖く思えてくる。
「え、えっと翔庭さん?ずっと俺の席にいるけどどうしたの...?」
俺は翔庭さんに恐る恐るそう聞く。翔庭さんは一瞬呆気に取られて小さく声を漏らす。
「あ、えっと友達だから、め、迷惑でしたか?」
あぁ。そういえば友達になってくれたんだった。あまりにもサラッと友達ができたので忘れてしまっていた。
「あ、いや!大丈夫だよ」
「そうですか、なら良かったです!」
翔庭さんの顔は先程の困り顔から微笑みに変わり、俺の準備を眺める。
(めっっちゃやりずれぇ...)
前々から隣に常に美少女がいてくれたら...と妄想していたものだが、実際に体験してみると何ともやりずらいものだ。
せめて何か話題を、と思った俺はバッグから教科書を出すのを止め、翔庭さんの顔に視線を合わせるべく目線を上に上げる。
「?どうかしましたか?」
.....ダメだ、まともに見れない。
俺は視線を上げるも翔庭さんと目が合って一瞬で視線を元に戻す。
「あ、いや?なんでもないよ...」
翔庭さんは「そうですか~」と少し思案げに返事をする。
「....翔庭さんはどうして特進クラス希望なの?」
俺はこの気まずさに耐えかねて何とか話題を出す。
「んー、そうですね。特進クラスは任務も多いですけどその分お金も多く貰えるらしいです。」
あぁ、となると家族のためとか...
「そのいっぱい貰ったお金で上京の費用と...あとは遊ぶためですかね!」
...違った。
まあ高校生なんだしそう考えるのも当たり前か。
「賢くんはどうして何ですか?」
ここでパスが来るのか。
俺は事情を言うべきか言わないべきかしばらく考えてから翔庭さんに話す。
「上層部との繋がりを持ちたいからかな。理由は秘密で」
俺が曇らせると翔庭さんは何の詮索もせずに「なるほど!」とだけ言う。
「ではお互い頑張らなきゃですね!」
翔庭さんはガッツポーズをしてお互いを励ます。その意気込みに俺は見惚れ、照れを隠すようにバッグの準備を急いでする。
そして俺は準備を終わらせ、翔庭さんと何分か談笑をする。間もなくしてチャイムが鳴り、先生が入ってきた。
「今日の時間割は以下の通りだ。まぁ全部学活だ。昨日に引き続き長ったるい説明を聞いてくれ。あ、あとクラス選択の紙も早めに出しといた方がいいぞ」
先生がそう言ってから日直(今日は朝日)が前に出て朝学活の進行をする。
俺の席は3号車の窓際、前から3番目なので退屈な時はいつも外の景色を眺める。今日も朝学活が終わるまでずっと外の景色を堪能して退屈しのぎをしていた。
ちなみに翔庭さんの席は1号車の左側、前から4番目で朝日の席は1号車の右側、前から1番目だ。
「きりーっつ!」
朝日が元気よく号令をかけると、クラスの皆が立ち上がる。俺も少し遅れて立ち上がり、礼をして朝学活を終わらせる。
朝学活が終わると同時に各々が友達と話したり席に座って読書を始めたり、トイレに行ったり、好きな事をする。朝日は数人の男友達と思わしき生徒達に囲まれて「日直だるかったわー」などと話をしている。
そして翔庭さんはと言うと...
「──今日は5限まで学活です。掃除も無さそうですし早めに帰れますね!」
と、傍から見ると召使いと主人の関係のようだ。
こうやって翔庭さんが俺に執着するのは翔庭さんいわく「友達だから」らしい。まあこのままでも悪い気はしないのでとやかく言わないでおこう。
「そういえば賢くんは試験に向けて練習してますか?」
...練習。そうだ、試験があったんだ。
「やっっばい、練習してねぇ」
俺は急に顔が青ざめて焦り始める。
「そ、それはそれは...い、今からでも間に合いますよきっと!」
俺は「そうだよな」と返して青ざめた顔のまま机を見つめる。そのまま時間だけが過ぎていき、チャイムが鳴って授業が始まる。
そして5時間の授業が終わり、俺は翔庭さんに挨拶をしてさっさと帰る。
そして、来たる選抜試験に向けて俺は必死に力についての勉強をするのだった。
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