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3章 浮気
2話 調子の悪い僕とゲイの友達
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季節は春から夏に移ろうとしている6月の下旬。僕の病気はあまりいい傾向じゃない。季節の変わり目のせいかもしれない。
僕の名前は山宮剛輝。26歳。統合失調症を患っている。幻聴、幻覚、妄想が酷い。次の受診は今日。予約は午後1時30分。状態が酷く感じるから明日は母に送ってもらおう。親にはあまり迷惑をかけたくないけれど、26歳でまだ、実家暮らしをしている時点で親に迷惑をかけていると僕は思う。
でも、この状態じゃあ……。とてもじゃないが仕事なんてできない。それに比べて僕の妹の山宮瑠衣は銀行員。同じ血を分けた兄妹なのに何でこんなに違うんだ。僕は既に悔しい思いは過ぎ去った。今じゃ、すっかり当たり前になっている。
母に送ってもらいたいと頼まないと。僕は居間に行き母に声をかけた。
「母さん」
「どうした? あら! 何その顔色! 具合い悪いんでしょ?」
母は戸惑っている様子。
「ん……。だから、病院まで送って欲しい」
「わかったよ。変な気起こすんじゃないよ!」
変な気? うん……。そんな気があるとはさすが親。よく僕の気持ちを見抜いてる。自傷行為、自殺未遂、このことだろう。そういう気持ちに襲われる時もあるがやっちゃいけないと自分に言い聞かせている。なのでまだ、そういうことはしていない。
「何時に予約してあるの?」
と、母に訊かれ、
「1時30分だよ」
と、答えた。
「お昼食べなさいよ」
僕は返事に詰まった。
「食べたくない……」
母の表情が険しくなった。
「少しでもいいから食べなさい」
僕は黙っていた。
「今から昼ご飯作るからね、あんたの分も」
わかった、とボソッと返事をした。
今は11時30分頃。その時、スマホが鳴った。LINEの通話音だ。相手は有馬亮からだ。また、嫌なことがあったのかな。とりあえず、電話に出た。
「もしもし、亮君?」
相手は何も言わない。どうしたのだろう。何度か呼んでみた。
「亮君、どうしたの? 何で何も言わないの?」
尚も黙ったまま。一体、どうしたというのだろう。暫く待ってみると、洟をすする音がした。泣いてるのか? いや、違う笑っているようだ。
『剛輝さん。俺、女友達できたよ。ゲイのこの俺に』
へぇー、と思ったので、
「よかったじゃないか。友達なら性別は関係ないだろ?」
『そうだけど、この俺に女友達ができるなんて笑っちゃうよ。相手は何とバイセクシャルなんだって』
バイセクシャル? 僕にも同じ性の友達がいるなぁ。
『俺が好きなのは1人だけなのにさ!』
誰だろう? と、思った。訊いてはいないけれど。
「そうなのか」
と、返事をした。
僕は話している内に調子が少しだけ上がってきたのを感じた。人と話すって大切なんだな、と思った。このことも主治医に話そう。幻聴の内容は、良くないものばかり。幻覚は実際にいないものが見える。既に亡くなった祖父母とか。霊かとばかり思っていたが、薬を飲むようになってからそれが軽減された。ということは、原因は霊じゃない。病気だ。
「僕、病院に行く準備するわ。面倒だけど」
『わかった。病気、よくなるといいね』
そう言ったあと電話を切った。
有馬亮君は優しい。ゲイだから男にも優しいということかな。あ、それは偏見かな。訂正。誰にでも優しい。
それにしても、バイセクシャルの友達と、好きなのは1人だけって一体誰のことを言っているのだろう。
時刻は1時15分ごろ。母が階下から叫んだ。
「剛輝ー! そろそろ行くよー!」
と。ちなみに、昼ご飯は残したけれど少しだけ食べた。僕は着替えていなかったので急いで着替えた。ジーパンに赤いTシャツ。風呂にも入っていないので、髪の毛を汚れたまま。階下に降りると母は開口一番、
「あら! あんた髪の毛汚いじゃない。洗いなさい」
と、言ったけれど僕は、
「時間ないよ」
と、言うと母は、
「少しくらい遅れても大丈夫よ。その分待てばいいんだから。そんなんじゃ、余計おかしく見えるよ」
母の発言の、余計おかしくみえる、酷い言い方。でも、言い返さなかった。怠くて面倒だったから。
仕方なく僕は風呂場に行き洗髪した。頭はスッキリした。母の言うことを聞いてよかった。
僕は浴室から出て髪を拭きながら居間に行き、時計を見ると1時25分ごろだ。僕は、
「母さん行こう」
「髪乾かしなさい」
「いいよ、ほっとけば乾くって」
呆れた顔をしながら母は、
「風邪ひいたら困るから拭きなさい!」
と、強い口調で言われた。
「わかったよ」
僕は少し不貞腐れながらバスタオルで髪を拭いた。すでに1時30分を過ぎていた。
「よし、今度こそ行こう」
うん、と母は頷いた。
病院に着いたのは1時45分を回っていた。受付に診察券を提出した時、「予約時間過ぎてますね。おかけになってお待ち下さい」
と、言われた。隣の椅子に母が座った。母は、
「ところで調子どうなの?」
「悪いよ……。僕の顔見て分からない? 顔色だってこんなだし」
母は首を傾げていた。
「そんなに顔色悪くないよ? さっきと比べて。調子悪いってことを言われないと分からない」
僕は、えーっと思った。
「そうなんだ。分からないんだ……。こんなに具合い悪いのに」
母は黙っていた。分かってあげれなくてごめん、とでも言ってくれたら嬉しいのに。
30分くらい待ったかな、いつもなら10分くらいで呼ばれるけれど、遅れて行ったせいか呼ばれるのも遅い。
僕は受付に行って、まだですか? と訊いた。すると、
「山宮さんは今日遅れて来たのでもう少しお待ち下さいね」
と、言われた。仕方ない。やはり、母の言った通りだ。待つことになった。
それから20分くらい待って、
「山宮さーん」
と外来の看護師に呼ばれた。僕は急いでバッグを持ち外来に向かった。煙草を1本吸いたかったけれど、後にしよう。
診察は症状や最近の出来事などを話した。すると薬が増えた。症状が安定したらその薬は外します、と言っていた。主治医が言うには、僕の統合失調症という病気は「急性期」という時期らしくて病気による心のエネルギーの消耗が激しいらしい。なので、安静にしていて下さい、と言われた。
外来から出て母は中待合に座って待っていた。
「どうだった?」
と母に訊かれた。
「薬変わった。安静にしていて、と言ってた」
そう答えた。
「そう。焦っても駄目ね」
言いながら、母の表情は暗くハーッ、と溜息をついた。
僕は、
「早く帰って休みたいから受付に行ってるから」
と、言いながら歩いた。
さっきの母の暗い表情で溜息をついているところをみると、普段は見せないけれど心配しているんだな、と思った。僕は、親になったことがないから親の気持ちはあまり分からないけれど、心配してくれているのはわかる。
待合室で受付の前が空いていたので、そこに座った。隣の席に母が座った。
「大丈夫?」
と母に声をかけられた。珍しい。余程、心配なのだろうか。
「大丈夫だよ」
そう答えると、本当に? と言われた。
「母さん、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。死ぬ訳じゃないんだから」
そうよね……。と言い母は背筋を伸ばした。
少し待つと、「山宮さーん」と呼ばれた。なので、受付に行き支払いをして、処方箋をもらった。
それから「薬局行くから」と母に言った。うん、と返事をし、立ち上がった。
薬局では約30分待って薬ができた。母は薬局の前に車を移動し駐車してある。僕は薬局を出て車に乗った。
「じゃあ、帰るよ」
「うん、ありがとう」
帰宅してから昼は過ぎているけど、昼の分の薬を飲んだ。これで、少しでも快方に向かえばいいけれど。そう思いつつ、自室に戻った。
僕の名前は山宮剛輝。26歳。統合失調症を患っている。幻聴、幻覚、妄想が酷い。次の受診は今日。予約は午後1時30分。状態が酷く感じるから明日は母に送ってもらおう。親にはあまり迷惑をかけたくないけれど、26歳でまだ、実家暮らしをしている時点で親に迷惑をかけていると僕は思う。
でも、この状態じゃあ……。とてもじゃないが仕事なんてできない。それに比べて僕の妹の山宮瑠衣は銀行員。同じ血を分けた兄妹なのに何でこんなに違うんだ。僕は既に悔しい思いは過ぎ去った。今じゃ、すっかり当たり前になっている。
母に送ってもらいたいと頼まないと。僕は居間に行き母に声をかけた。
「母さん」
「どうした? あら! 何その顔色! 具合い悪いんでしょ?」
母は戸惑っている様子。
「ん……。だから、病院まで送って欲しい」
「わかったよ。変な気起こすんじゃないよ!」
変な気? うん……。そんな気があるとはさすが親。よく僕の気持ちを見抜いてる。自傷行為、自殺未遂、このことだろう。そういう気持ちに襲われる時もあるがやっちゃいけないと自分に言い聞かせている。なのでまだ、そういうことはしていない。
「何時に予約してあるの?」
と、母に訊かれ、
「1時30分だよ」
と、答えた。
「お昼食べなさいよ」
僕は返事に詰まった。
「食べたくない……」
母の表情が険しくなった。
「少しでもいいから食べなさい」
僕は黙っていた。
「今から昼ご飯作るからね、あんたの分も」
わかった、とボソッと返事をした。
今は11時30分頃。その時、スマホが鳴った。LINEの通話音だ。相手は有馬亮からだ。また、嫌なことがあったのかな。とりあえず、電話に出た。
「もしもし、亮君?」
相手は何も言わない。どうしたのだろう。何度か呼んでみた。
「亮君、どうしたの? 何で何も言わないの?」
尚も黙ったまま。一体、どうしたというのだろう。暫く待ってみると、洟をすする音がした。泣いてるのか? いや、違う笑っているようだ。
『剛輝さん。俺、女友達できたよ。ゲイのこの俺に』
へぇー、と思ったので、
「よかったじゃないか。友達なら性別は関係ないだろ?」
『そうだけど、この俺に女友達ができるなんて笑っちゃうよ。相手は何とバイセクシャルなんだって』
バイセクシャル? 僕にも同じ性の友達がいるなぁ。
『俺が好きなのは1人だけなのにさ!』
誰だろう? と、思った。訊いてはいないけれど。
「そうなのか」
と、返事をした。
僕は話している内に調子が少しだけ上がってきたのを感じた。人と話すって大切なんだな、と思った。このことも主治医に話そう。幻聴の内容は、良くないものばかり。幻覚は実際にいないものが見える。既に亡くなった祖父母とか。霊かとばかり思っていたが、薬を飲むようになってからそれが軽減された。ということは、原因は霊じゃない。病気だ。
「僕、病院に行く準備するわ。面倒だけど」
『わかった。病気、よくなるといいね』
そう言ったあと電話を切った。
有馬亮君は優しい。ゲイだから男にも優しいということかな。あ、それは偏見かな。訂正。誰にでも優しい。
それにしても、バイセクシャルの友達と、好きなのは1人だけって一体誰のことを言っているのだろう。
時刻は1時15分ごろ。母が階下から叫んだ。
「剛輝ー! そろそろ行くよー!」
と。ちなみに、昼ご飯は残したけれど少しだけ食べた。僕は着替えていなかったので急いで着替えた。ジーパンに赤いTシャツ。風呂にも入っていないので、髪の毛を汚れたまま。階下に降りると母は開口一番、
「あら! あんた髪の毛汚いじゃない。洗いなさい」
と、言ったけれど僕は、
「時間ないよ」
と、言うと母は、
「少しくらい遅れても大丈夫よ。その分待てばいいんだから。そんなんじゃ、余計おかしく見えるよ」
母の発言の、余計おかしくみえる、酷い言い方。でも、言い返さなかった。怠くて面倒だったから。
仕方なく僕は風呂場に行き洗髪した。頭はスッキリした。母の言うことを聞いてよかった。
僕は浴室から出て髪を拭きながら居間に行き、時計を見ると1時25分ごろだ。僕は、
「母さん行こう」
「髪乾かしなさい」
「いいよ、ほっとけば乾くって」
呆れた顔をしながら母は、
「風邪ひいたら困るから拭きなさい!」
と、強い口調で言われた。
「わかったよ」
僕は少し不貞腐れながらバスタオルで髪を拭いた。すでに1時30分を過ぎていた。
「よし、今度こそ行こう」
うん、と母は頷いた。
病院に着いたのは1時45分を回っていた。受付に診察券を提出した時、「予約時間過ぎてますね。おかけになってお待ち下さい」
と、言われた。隣の椅子に母が座った。母は、
「ところで調子どうなの?」
「悪いよ……。僕の顔見て分からない? 顔色だってこんなだし」
母は首を傾げていた。
「そんなに顔色悪くないよ? さっきと比べて。調子悪いってことを言われないと分からない」
僕は、えーっと思った。
「そうなんだ。分からないんだ……。こんなに具合い悪いのに」
母は黙っていた。分かってあげれなくてごめん、とでも言ってくれたら嬉しいのに。
30分くらい待ったかな、いつもなら10分くらいで呼ばれるけれど、遅れて行ったせいか呼ばれるのも遅い。
僕は受付に行って、まだですか? と訊いた。すると、
「山宮さんは今日遅れて来たのでもう少しお待ち下さいね」
と、言われた。仕方ない。やはり、母の言った通りだ。待つことになった。
それから20分くらい待って、
「山宮さーん」
と外来の看護師に呼ばれた。僕は急いでバッグを持ち外来に向かった。煙草を1本吸いたかったけれど、後にしよう。
診察は症状や最近の出来事などを話した。すると薬が増えた。症状が安定したらその薬は外します、と言っていた。主治医が言うには、僕の統合失調症という病気は「急性期」という時期らしくて病気による心のエネルギーの消耗が激しいらしい。なので、安静にしていて下さい、と言われた。
外来から出て母は中待合に座って待っていた。
「どうだった?」
と母に訊かれた。
「薬変わった。安静にしていて、と言ってた」
そう答えた。
「そう。焦っても駄目ね」
言いながら、母の表情は暗くハーッ、と溜息をついた。
僕は、
「早く帰って休みたいから受付に行ってるから」
と、言いながら歩いた。
さっきの母の暗い表情で溜息をついているところをみると、普段は見せないけれど心配しているんだな、と思った。僕は、親になったことがないから親の気持ちはあまり分からないけれど、心配してくれているのはわかる。
待合室で受付の前が空いていたので、そこに座った。隣の席に母が座った。
「大丈夫?」
と母に声をかけられた。珍しい。余程、心配なのだろうか。
「大丈夫だよ」
そう答えると、本当に? と言われた。
「母さん、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。死ぬ訳じゃないんだから」
そうよね……。と言い母は背筋を伸ばした。
少し待つと、「山宮さーん」と呼ばれた。なので、受付に行き支払いをして、処方箋をもらった。
それから「薬局行くから」と母に言った。うん、と返事をし、立ち上がった。
薬局では約30分待って薬ができた。母は薬局の前に車を移動し駐車してある。僕は薬局を出て車に乗った。
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