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第1章 始まり
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夕飯を作り終えたタカシはスズからの連絡を待っていた。
「今日も遅いな」
面白くもないバラエティ番組を見ながら、そんなことをポツリと呟いた途端、テーブルに置いていたスマホが震えた。
「みんなー! またねー!」
ふもとまで降りてくると、ちょうどスズが部活の友達と別れているところだった。
「ちょうどよかったな、じゃあ帰ろうか。」
「……」
スズはタカシをキッと睨むと無言で坂を上っていった。
どうやら朝のことをまだ怒っているようだ。
無言で2人坂を上っていく。ちょっと気まづい空気である。
そんな中、意外にも先に口を開いたのはスズの方だった。
「お兄ちゃん、よくついてこれるね。」
気づけば電動自転車のスズはすごいスピードで上っていた。
スズはタカシが電動自転車についてこれないと踏んで、思い切り漕いでいたようであるが、タカシも普段から鍛えられており何食わぬ顔でついてきていた。
「あー! もう! 逆に私が疲れちゃったじゃない! 意味わかんない! そこの公園で少し休む!」
「あ、スズ、そこは……」
そう言ってスズはタカシの声を無視して公園に入り先程子猫がいたベンチの上に腰掛けた。
そして、タカシの方を見て。
「ん。」
自分が座ったベンチの隣を左手でポンポンと叩いている。
一緒に座って話をしようということである。
しかし、タカシは知っている。そのベンチの、まさにスズが叩いている真下に子猫たちがいることを。
「スズ、ちょっとま……」
「ん!!!」
スズはタカシの話を聞く気は無いようで、強くベンチを叩いた。
タカシは子猫が怯えていないか内心心配で仕方がなかったが。
『ひょこ』
ベンチのすきまから小さな前足がちょこちょこ出てきた。
ベンチが叩かれたことで、子猫がスズの左手に興味を持ったようだ。
スズの左手はベンチの上に置かれており、その左手を子猫が小さな前足をばたつかせて探している。
「ぷっ……」
「ちょ!!!」
タカシは思わずその微笑ましい光景に吹き出してしまったが、スズからしてみれば今から大真面目な話をしようとしていたのに、吹き出されてしまっては怒りを覚えないはずはない。
顔を真っ赤にしてタカシを睨みつけている。
「ちょっとなんなのよお兄ちゃん! ひとが真面目な話しようとひゃ!!!」
どうやら子猫の前足がスズの左手を捉えたようだ。
小さな肉球がスズの指先にピトっと触れた。
反射的に手を引っ込めたスズはその顔を蒼白にして、自分の左手があったところを見た。
そこにはまだ子猫の前足がベンチの間から出たり入ったりしていた。
「あははははははははっ!」
タカシは思わず笑い転げてしまった。
スズは何が起きているかしばらく理解ができなかったが、とにかく目の前の兄への憎悪は理解できた。
この後、スズは笑い転げていたタカシにしばらく寝技をお見舞いするのであった。
「今日も遅いな」
面白くもないバラエティ番組を見ながら、そんなことをポツリと呟いた途端、テーブルに置いていたスマホが震えた。
「みんなー! またねー!」
ふもとまで降りてくると、ちょうどスズが部活の友達と別れているところだった。
「ちょうどよかったな、じゃあ帰ろうか。」
「……」
スズはタカシをキッと睨むと無言で坂を上っていった。
どうやら朝のことをまだ怒っているようだ。
無言で2人坂を上っていく。ちょっと気まづい空気である。
そんな中、意外にも先に口を開いたのはスズの方だった。
「お兄ちゃん、よくついてこれるね。」
気づけば電動自転車のスズはすごいスピードで上っていた。
スズはタカシが電動自転車についてこれないと踏んで、思い切り漕いでいたようであるが、タカシも普段から鍛えられており何食わぬ顔でついてきていた。
「あー! もう! 逆に私が疲れちゃったじゃない! 意味わかんない! そこの公園で少し休む!」
「あ、スズ、そこは……」
そう言ってスズはタカシの声を無視して公園に入り先程子猫がいたベンチの上に腰掛けた。
そして、タカシの方を見て。
「ん。」
自分が座ったベンチの隣を左手でポンポンと叩いている。
一緒に座って話をしようということである。
しかし、タカシは知っている。そのベンチの、まさにスズが叩いている真下に子猫たちがいることを。
「スズ、ちょっとま……」
「ん!!!」
スズはタカシの話を聞く気は無いようで、強くベンチを叩いた。
タカシは子猫が怯えていないか内心心配で仕方がなかったが。
『ひょこ』
ベンチのすきまから小さな前足がちょこちょこ出てきた。
ベンチが叩かれたことで、子猫がスズの左手に興味を持ったようだ。
スズの左手はベンチの上に置かれており、その左手を子猫が小さな前足をばたつかせて探している。
「ぷっ……」
「ちょ!!!」
タカシは思わずその微笑ましい光景に吹き出してしまったが、スズからしてみれば今から大真面目な話をしようとしていたのに、吹き出されてしまっては怒りを覚えないはずはない。
顔を真っ赤にしてタカシを睨みつけている。
「ちょっとなんなのよお兄ちゃん! ひとが真面目な話しようとひゃ!!!」
どうやら子猫の前足がスズの左手を捉えたようだ。
小さな肉球がスズの指先にピトっと触れた。
反射的に手を引っ込めたスズはその顔を蒼白にして、自分の左手があったところを見た。
そこにはまだ子猫の前足がベンチの間から出たり入ったりしていた。
「あははははははははっ!」
タカシは思わず笑い転げてしまった。
スズは何が起きているかしばらく理解ができなかったが、とにかく目の前の兄への憎悪は理解できた。
この後、スズは笑い転げていたタカシにしばらく寝技をお見舞いするのであった。
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