1 / 9
アレ、アレ、アレよ。
しおりを挟む
私の話を聞いて下さいますか?
私はディアンヌ・プテリオン。
16歳。
プテリオン公爵家第三子にして長女。
アレン・メニスカス王太子殿下の婚約者。
プライド高く、
権力をかさにきてわがまま三昧。
な、テンプレ悪役令嬢でございます。
・・・・・もう一度言ってもいいですか?
悪役令嬢です。
ただの、です。
本当にただの悪役令嬢です。
テンプレの普通の、当て馬の、中盤・終盤に退場必至の悪役令嬢。
上手く選択すれば序盤に。お蹴落とす事ができるかもしれません。
主人公の幸せのための一番の功労者。
深層の令嬢で有りながら、どんな時もどんな所にもフットワーク軽く現れ、主人公の好感度を上げるために尽力する。
主人公の優秀さを引き立て、気立ての良さを印象付け、恋のスパイスとして振りかけられまくる悪役令嬢です。
しつこいですね。
わかっていますが、もう少し聞いて下さい。
私が悪役令嬢と気づいたのは10歳の時、きっかけは特にありません。
王妃様のお茶会にお呼ばれし、めかしこんで意気揚々と王宮にあがり、王妃様自慢の庭を見て、
「あっ、これスチルで見たヤツだ。」
と、唐突に思い出しました。
タイトルは思い出せません。
だけども、テンプレ乙女ゲーとして在り来たりな内容ながら絵の素晴らしさと豪華声優陣で人気を博した”アレ”だ!
”アレ”。
パニックになった私は「アレ」「アレ」だけを連呼しました。
固有名詞が出てこず、
「アレアレ、アレしたあの人 」
「アレでしょ。アレ。アレどこいったかしら?」
「そう、アレよね。アレアレ。」
みたいにアレだけで噛み合っているのかわからない会話するおばちゃんみたいになった私は処理落ちして・・・・そして、倒れました。
起きて相当ヤバい事に気づきました。
思い出した内容はショックでしたが、現実問題として王妃様のお茶会で倒れたことが不味かった。
倒れ方も良くなかった。
「アレ、アレ」言って倒れたせいで心の病に侵されている疑惑も起きました。
コソコソ陰口叩かれちゃって。
辛い。
だからって私が解決できることは、ほぼ無くて寝てるしか出来ませんでした。
両親がなんとかしてくれたみたいですが、とにかく事後処理が大変そうでした。
それで知った現状がまた大変でした。
面倒なので箇条書きします。
1.王太子殿下・そのご友人には嫌われている。(表面上取り繕われている)
2.家族・使用人・友人にも嫌われている。(表面上取り繕われている)
3.勉強できない。(しない)
4.魔術も使えない。(しない)
5.性格が悪い。
6.衣装・化粧が良いだけで実際は美人でもない。(寝てる時鏡見てびっくりした)
そう、ディアンヌこと、私は清々しいほどの総嫌われの上に何も持っていない人だった。
でも、逆に燃えた。
これ、アレじゃない。
今、知ったって事はここからの逆転じゃない?
ラノベ的展開に胸が熱くなりましたよ。
だけど、現実はそんなに甘くない。
甘くないですよ。
私はディアンヌ・プテリオン。
16歳。
プテリオン公爵家第三子にして長女。
アレン・メニスカス王太子殿下の婚約者。
プライド高く、
権力をかさにきてわがまま三昧。
な、テンプレ悪役令嬢でございます。
・・・・・もう一度言ってもいいですか?
悪役令嬢です。
ただの、です。
本当にただの悪役令嬢です。
テンプレの普通の、当て馬の、中盤・終盤に退場必至の悪役令嬢。
上手く選択すれば序盤に。お蹴落とす事ができるかもしれません。
主人公の幸せのための一番の功労者。
深層の令嬢で有りながら、どんな時もどんな所にもフットワーク軽く現れ、主人公の好感度を上げるために尽力する。
主人公の優秀さを引き立て、気立ての良さを印象付け、恋のスパイスとして振りかけられまくる悪役令嬢です。
しつこいですね。
わかっていますが、もう少し聞いて下さい。
私が悪役令嬢と気づいたのは10歳の時、きっかけは特にありません。
王妃様のお茶会にお呼ばれし、めかしこんで意気揚々と王宮にあがり、王妃様自慢の庭を見て、
「あっ、これスチルで見たヤツだ。」
と、唐突に思い出しました。
タイトルは思い出せません。
だけども、テンプレ乙女ゲーとして在り来たりな内容ながら絵の素晴らしさと豪華声優陣で人気を博した”アレ”だ!
”アレ”。
パニックになった私は「アレ」「アレ」だけを連呼しました。
固有名詞が出てこず、
「アレアレ、アレしたあの人 」
「アレでしょ。アレ。アレどこいったかしら?」
「そう、アレよね。アレアレ。」
みたいにアレだけで噛み合っているのかわからない会話するおばちゃんみたいになった私は処理落ちして・・・・そして、倒れました。
起きて相当ヤバい事に気づきました。
思い出した内容はショックでしたが、現実問題として王妃様のお茶会で倒れたことが不味かった。
倒れ方も良くなかった。
「アレ、アレ」言って倒れたせいで心の病に侵されている疑惑も起きました。
コソコソ陰口叩かれちゃって。
辛い。
だからって私が解決できることは、ほぼ無くて寝てるしか出来ませんでした。
両親がなんとかしてくれたみたいですが、とにかく事後処理が大変そうでした。
それで知った現状がまた大変でした。
面倒なので箇条書きします。
1.王太子殿下・そのご友人には嫌われている。(表面上取り繕われている)
2.家族・使用人・友人にも嫌われている。(表面上取り繕われている)
3.勉強できない。(しない)
4.魔術も使えない。(しない)
5.性格が悪い。
6.衣装・化粧が良いだけで実際は美人でもない。(寝てる時鏡見てびっくりした)
そう、ディアンヌこと、私は清々しいほどの総嫌われの上に何も持っていない人だった。
でも、逆に燃えた。
これ、アレじゃない。
今、知ったって事はここからの逆転じゃない?
ラノベ的展開に胸が熱くなりましたよ。
だけど、現実はそんなに甘くない。
甘くないですよ。
1
あなたにおすすめの小説
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
初夜った後で「申し訳ないが愛せない」だなんてそんな話があるかいな。
ぱっつんぱつお
恋愛
辺境の漁師町で育った伯爵令嬢。
大海原と同じく性格荒めのエマは誰もが羨む(らしい)次期侯爵であるジョセフと結婚した。
だが彼には婚約する前から恋人が居て……?
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
不機嫌な侯爵様に、その献身は届かない
翠月るるな
恋愛
サルコベリア侯爵夫人は、夫の言動に違和感を覚え始める。
始めは夜会での振る舞いからだった。
それがさらに明らかになっていく。
機嫌が悪ければ、それを周りに隠さず察して動いてもらおうとし、愚痴を言ったら同調してもらおうとするのは、まるで子どものよう。
おまけに自分より格下だと思えば強気に出る。
そんな夫から、とある仕事を押し付けられたところ──?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる