3 / 9
胃がキリキリ
しおりを挟む
仕方がないので、対策1に戻ることにしました。
難易度高いけど一番の問題ですから避けては通れません。
王太子殿下にお願いしてみようとして・・・。
できませんでした。
まず、面会が出来ない。
いや、毎月1回定期面会日が設置されてはいました。
が、所要時間5分。
会って、まず時候の挨拶。
決まり切った口上を私のメイドが言う。
決まり切った返答を殿下の侍従が言う。
そして何故かプレゼント交換。
そして、さようなら、また来月の挨拶の応酬。
以上。
私と殿下の会話はゼロ。
視線が交わることもありません。
殿下の視線は私の肩口か、後ろの絵画です。
これ、相当嫌われていると思います。
嫌われてるならサクッと婚約破棄できるかも、なんて甘い期待を持って手紙を出しました。
内容は、”私、殿下の妃に相応しくない。ブスだし、頭悪いし、性格も悪いし、この間倒れて健康面も心配あるし、他に相応しい人いますよ。婚約破棄して下さいませ。”を、これ以上無く丁寧に書きました。
メイドに委ねると潰されると思ったので面会日に直渡ししました。
気分は上訴です。無礼打ちされても仕方ないくらいの気持ちでした。
いや、無礼打ちでお別れでも良いのです。
受け取ってもらえたので
殿下の友人にも手紙書きました。
多分ウチか相手の家の者にもみ消されるか、届いても知らんぷりされるかと思い間を開け何通も出しました。
中身は殿下に出したのとほぼ同内容。
妃に相応しくないので、殿下から婚約破棄して下さるよう進言してね。に今までウザく付きまとってたけど、もう付きまとわないから勘弁してね。を一生懸命丁寧に書いてみました。
結果、殿下からは「政情的に無理だってわかってて、婚約破棄しろって言ってくるなんて、性格悪いね。できるなら最初っからしてるよ。」と、言う伝言が・・・そう、お手紙ですらありませんでした。形に残る物は私にあげたくないんですって。
あ、毎月のプレゼント交換ですか?もちろんチョコとかクッキーとかの消え物ですよ。
しかも同じ物が交互に来ます。
奇数月はチョコ偶数月はクッキーみたいな感じです。
多分従者が選んでるんじゃないでしょうか。
ご友人様方からは代筆で返信はきました。
来ましたが、訳すと「付きまとわないって言うけど、アプローチが手紙に変わっただけでしょ。手紙ウザい。」でした。
つまり、全敗でした。
もう、手のつけようが無いことがわかりましたので、言われるままに毎月の5分間面会を行い、プレゼントもどうせ殿下が受け取らないだろうからと使用人が分けられるような質が良く量もそれなりで日持ちする市販のお菓子類にしました。
ご友人には面会よりはマシだろうと言うことで、時候の挨拶のカードとプレゼントを贈るのみにしました。手紙だとどんな内容を書いても悪意のあるようにしか取られないので、誰にでも見れる絵はがきみたいなカードにして文面もテンプレにしました。多分心のこもってないカードを送りつけてくるヤツくらい言われていると思いますが、寄れば鬱陶しい、離れれば公爵令嬢としての最低限の挨拶もできない無礼者と誹られるだけでしたから、人の目があるカードという形にしました。
これが正解かはわかりませんでしたが、何もしない訳にいかないので対策1については現状維持でチャンスを伺うことにしました。
完全にミッション失敗ですが、唯一、良かったのはいわゆる攻略対象者と思われる人たちに対し、盲目的に好きで好きで仕方が無いと言う状態にはならなかったことでしょうか?
感情についてはいわゆるゲーム強制力は働かないようです。
心底良かったと思いました。
えぇ、負け惜しみじゃありません。
本当に好きじゃないので、好かれなくても別に何とも思いません。
だけど、このままでは命に関わるのです。
好かれないままでも何とかしなくてはならない。
何ともならない問題を考えるのは、10歳にして本当に胃が痛くなることでした。
難易度高いけど一番の問題ですから避けては通れません。
王太子殿下にお願いしてみようとして・・・。
できませんでした。
まず、面会が出来ない。
いや、毎月1回定期面会日が設置されてはいました。
が、所要時間5分。
会って、まず時候の挨拶。
決まり切った口上を私のメイドが言う。
決まり切った返答を殿下の侍従が言う。
そして何故かプレゼント交換。
そして、さようなら、また来月の挨拶の応酬。
以上。
私と殿下の会話はゼロ。
視線が交わることもありません。
殿下の視線は私の肩口か、後ろの絵画です。
これ、相当嫌われていると思います。
嫌われてるならサクッと婚約破棄できるかも、なんて甘い期待を持って手紙を出しました。
内容は、”私、殿下の妃に相応しくない。ブスだし、頭悪いし、性格も悪いし、この間倒れて健康面も心配あるし、他に相応しい人いますよ。婚約破棄して下さいませ。”を、これ以上無く丁寧に書きました。
メイドに委ねると潰されると思ったので面会日に直渡ししました。
気分は上訴です。無礼打ちされても仕方ないくらいの気持ちでした。
いや、無礼打ちでお別れでも良いのです。
受け取ってもらえたので
殿下の友人にも手紙書きました。
多分ウチか相手の家の者にもみ消されるか、届いても知らんぷりされるかと思い間を開け何通も出しました。
中身は殿下に出したのとほぼ同内容。
妃に相応しくないので、殿下から婚約破棄して下さるよう進言してね。に今までウザく付きまとってたけど、もう付きまとわないから勘弁してね。を一生懸命丁寧に書いてみました。
結果、殿下からは「政情的に無理だってわかってて、婚約破棄しろって言ってくるなんて、性格悪いね。できるなら最初っからしてるよ。」と、言う伝言が・・・そう、お手紙ですらありませんでした。形に残る物は私にあげたくないんですって。
あ、毎月のプレゼント交換ですか?もちろんチョコとかクッキーとかの消え物ですよ。
しかも同じ物が交互に来ます。
奇数月はチョコ偶数月はクッキーみたいな感じです。
多分従者が選んでるんじゃないでしょうか。
ご友人様方からは代筆で返信はきました。
来ましたが、訳すと「付きまとわないって言うけど、アプローチが手紙に変わっただけでしょ。手紙ウザい。」でした。
つまり、全敗でした。
もう、手のつけようが無いことがわかりましたので、言われるままに毎月の5分間面会を行い、プレゼントもどうせ殿下が受け取らないだろうからと使用人が分けられるような質が良く量もそれなりで日持ちする市販のお菓子類にしました。
ご友人には面会よりはマシだろうと言うことで、時候の挨拶のカードとプレゼントを贈るのみにしました。手紙だとどんな内容を書いても悪意のあるようにしか取られないので、誰にでも見れる絵はがきみたいなカードにして文面もテンプレにしました。多分心のこもってないカードを送りつけてくるヤツくらい言われていると思いますが、寄れば鬱陶しい、離れれば公爵令嬢としての最低限の挨拶もできない無礼者と誹られるだけでしたから、人の目があるカードという形にしました。
これが正解かはわかりませんでしたが、何もしない訳にいかないので対策1については現状維持でチャンスを伺うことにしました。
完全にミッション失敗ですが、唯一、良かったのはいわゆる攻略対象者と思われる人たちに対し、盲目的に好きで好きで仕方が無いと言う状態にはならなかったことでしょうか?
感情についてはいわゆるゲーム強制力は働かないようです。
心底良かったと思いました。
えぇ、負け惜しみじゃありません。
本当に好きじゃないので、好かれなくても別に何とも思いません。
だけど、このままでは命に関わるのです。
好かれないままでも何とかしなくてはならない。
何ともならない問題を考えるのは、10歳にして本当に胃が痛くなることでした。
1
あなたにおすすめの小説
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
初夜った後で「申し訳ないが愛せない」だなんてそんな話があるかいな。
ぱっつんぱつお
恋愛
辺境の漁師町で育った伯爵令嬢。
大海原と同じく性格荒めのエマは誰もが羨む(らしい)次期侯爵であるジョセフと結婚した。
だが彼には婚約する前から恋人が居て……?
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
不機嫌な侯爵様に、その献身は届かない
翠月るるな
恋愛
サルコベリア侯爵夫人は、夫の言動に違和感を覚え始める。
始めは夜会での振る舞いからだった。
それがさらに明らかになっていく。
機嫌が悪ければ、それを周りに隠さず察して動いてもらおうとし、愚痴を言ったら同調してもらおうとするのは、まるで子どものよう。
おまけに自分より格下だと思えば強気に出る。
そんな夫から、とある仕事を押し付けられたところ──?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる