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19話
しおりを挟む最近、蓮に会っていない。まぁクラスも違うし、朝もずっと花と別々で登校しているからなんだが。それでも花から毎日蓮の話を聞いている。…花と蓮はうまくいっているらしい。まだ付き合ってはいないらしいが、毎日俺の作った弁当を2人で食べていると、花は幸せそうに話してくれる。…よかった、花。少し辛いけど、思っていたよりマシだった。素直に祝福できる自分がいる。…これも颯のおかげだ。ほんとに颯がいてくれてよかった。いい友人を俺は持った。心の中でありがとうと颯に伝えた。
「そういえば、最近悠ちゃんいつも誰かといるよね??」
「そうなんだ。颯って言うんだけど、最近仲良くなってさ。」
「へぇーそうなんだ!!……なんか悠ちゃんとられた気分…」
そう言って花は頬をプクゥと膨らます。その姿がなんとも可愛らしくてつい笑ってしまう。
「…ぷっ!何言ってんだよ。花は俺にとって大切な妹だよ。」
「~~~ッッッ!!悠ちゃん大好き!!」
ガバッと力強く花は俺を抱きしめる。…ぐっ!い、息ができない…可愛らしい見た目と裏腹に力は俺より強い。身の危険を感じ花から俺は距離を置く。
「ハイハイ。分かったから。…それより明日颯と遊ぶ約束してるから自分でお昼用意できる??」
颯から買い物に行こうとの誘いがあった。いつも休日はお昼俺が作っているので、もし花が家にいるなら、作り置きしとこうと思ったんだが、花も明日出かけるらしく、心配無用だった。
蓮と出かけるのかななんて思ったが、そこまで首を突っ込むのも良くないと思い、誰とは聞かなかった。…前までは蓮と花のことを考えるといろんな気持ちが取り巻いて苦しかったのに、今は落ち着いていられる。まだ、蓮のことが好きなのは変わりはない。でも蓮以外に友達としてだが、とても大切な人ができた。颯が心の支えになってくれる。…颯に早く会いたいななんて思いながら、俺は眠りについた。
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