ごめんね、でも好きなんだ

オムライス

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21話

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それから俺と颯はブラブラお店に回って服を買った。白と黒を基調とした、それはもうかっこいい服だった。そして一緒にゲームセンターに行ってユーホーキャッチャーをした。結局なんも取れなかったけど…



「はああぁ!!めっッッちゃ楽しかった!!さすが颯!服も全部オシャレなの決めてくれたし!!俺着こなせるかなぁ」


これはまじな話で本当に心配。それぐらいかっこいい服を選んでくれたのだ。


「確かに…悠にはカッコ良すぎる服選んじゃったかも…」

「…いやそこは、悠なら何着ても似合うぜっ…でしょ!」

「ユウナラナニキテモニアウゼ」

「……もういいもん!!」
明らかな棒読みに俺は腹を立て、頬膨らませぷいっと顔を背けた。見直したのに……やっぱり意地悪な奴だ。


「…もんって可愛好きるだろッッッ!!」

「…ん?なんか言った??」

なんか最近ぼそぼそと颯がよく独り言を言うようになった。…なんか怖い。そんな颯から目線を外し俺は辺りを見回す。


すると目の前に俺と颯を見つめる蓮と、花がいた。蓮と花は、はたから見れば完璧恋人同士と思うほどお似合いで今まで颯と遊んで穏やかだった胸がまたチクリと痛み始める。花は蓮の目線の先を見てやっと俺に気がついた。



「…あれ?もしかして悠ちゃん??」

「は、花…」

胸の痛みはだんだん強くなる。

「もしかして悠ちゃんの隣にいるのが颯君??」

「うん…そうだよ。」

蓮の俺を見る冷たい表情が辛くてそれだけ答え、下を向く。

「颯君はじめまして!!私は悠ちゃんの双子の花で隣にいるのが蓮です!!」


花はいつもの笑顔でそう言いながら、颯に手を差し出す。


「…近藤颯です。…あの近藤って呼んで欲しいんすけど…」


いつもは誰に対しても愛想のいい颯が素っ気なく答え、花が差し出した手も握ることはなくポケットに突っ込んだままだ。


「あっ!ごめんねっ!悠ちゃんから名前しか聞いてなかったから…なれなれしかったね。」


花は申し訳なく手を引っ込める。花にそんなことないと言ってあげたがったが、俺は収まることもなく、増していく胸の痛みのせいでそんな余裕はなかった。すると、ずっと黙っていた蓮がやっと口を開いた。


「…おい、お前聞いてりゃ失礼な奴だな。…やっぱりこいつと仲良くしてるだけあるな。…類は友も呼ぶってやつか。」




胸が、痛い。



「…は?」

颯人はその言葉を聞いて眉を潜める。
ごめん颯。お前はいい奴なのに俺のせいでそんなこと言われて…でも俺は今いつもみたいに蓮に言い合う気力はいんだ。


「まぁ別にそんなことはどうでもいい。…花。早く行こうぜ!」


「…ちょっ!待ってよ蓮!」

蓮は花の手を引っ張り俺らの前から過ぎ去った。
そして、苛立ちが隠せずにいる颯に俺はこう言った。





「颯、俺相談したいことがある。」






今まで花にも、誰にも言えなかったこと。
俺の秘密を…今から話す。
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