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第三の魔法戦士誕生
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ユウキも、リリアンをフォローした。
「ホントだよ。昨日突然僕の部屋にリリアンが現れたんだ。そして、僕の家に居候することになったのさ」
カズサもユウキと同じく特撮オタクでもあり、柔軟な思考能力の持ち主だった。この信じられない話しをすぐ受け入れることができた。
「本当にあったのね異世界転移。でも、どうしてうちの高校に、簡単に編入なんかできるの?」
「リリアンは魔法が使えるのさ。昨日も魔法戦士に変身して怪人を退治したよ」
「フフ、ユウキにも手伝ってもらったわ。ユウキったら変身したら女体化しちゃうのよね」
「えっ、なんですって!」
カズサには衝撃的な話だった。この2人が変身して悪と戦ったなんて。ユウキの女体化も興味深い話だったが、とにかく変身の話だ。カズサが憧れていた夢が、今この時現実のものになるかもしれなかった。
「わたしからお願いがあるわ、リリアン」
急にカズサが改まった口調になった。
「わたしも正義のヒロインになりたいの。わたしに変身能力を与えてください。お願い。いや、お願いします」
学園のアイドルが、突然、へり下ってリリアンに頼みごとをした。リリアンはユウキの方を見ると、彼の意見を求めた。
「ユウキ、どうなの?」
ユウキは、幼馴染の美少女カズサの、正義の変身ヒロインへの憧れを知っているただ一人の人物だった。
「カズサは、頭はいいし運動神経もいいし、僕なんかより正義の味方には、ふさわしい
と思う」
ユウキの言葉を受けたリリアン
「自分の身を捨ててでも他人を助けようとしたり、正義を愛するものでないと、魔法戦士に変身することはできないの」
リリアンは、シュペール王国から持ってきた3本の魔法スティックのうち、最後の1本を取り出した。
「カズサ、あなたが魔法戦士にふさわしいかどうか、この魔法スティックが決めてくれるわ。あなたが魔法戦士になる資格があると判断されたら変身できる。でも、その資格がないと判断されたら変身できない」
「変身テストを受けてみる?」
魔法スティックを持っているからといって、変身できるかどうかはわからないのだ。リリアンのから突きつけられたチャレンジに、学園の美少女アイドルは、緊張した面持ちだったが、即座に
「わかったわ。受けます」
と返答したのだった。リリアンは黙ったまま、魔法スティックの最後の1本を差し出し、カズサはそれを受け取った。すると、リリアンは
「やり方は簡単よ。そのスティックを右手に持って、上に掲げるの。そして『変身』と
叫ぶの。そしたら、もし変身過程が始まるなら、あなたは光の帯に包まれる。途中で衣服が消えて裸になっちゃうけど、外からは見えないから安心して。光が消えたら変身終了よ。」
「もし、何も起こらなかったら、わたしは正義のヒロインの資格はない、ってことね」
「成功を祈ってるわ」
「カスサなら大丈夫。自信持って!」
幼馴染のユウキも声援を送った。
「ありがとう、頑張るわ」
桜小路カズサにとって、長年憧れ続けてきた正義の変身ヒロインになる夢が、ようやく実現するかどうかの大きなチャンスが来たのだった。
カズサは、自分のカバンを離れたところに置くと、落ち着くために深呼吸をした。そしてスティックを右手に持って掲げると、大きな声で叫んだ。
「変身!」
直後は何も起こらなかった。テストは失敗かと思えた次の瞬間、スティックからスルスルと光の帯が降りてきたのだ。そして光が消えた時、そこに立っていたのは、黄色を基調とした、ミニスカワンピースの戦闘コスチュームに身を包んだ、新しい魔法戦士の姿だった。
「やったわ! 変身成功なのね!」
桜小路カズサは、感動で声が震えていた。
「カズサ、合格おめでとう。わたしたちの新しい仲間だわ。魔法戦士としてのあなたの名はブライトアリエスよ」
「ブライトアリエス!」
変身したカズサは、噛み締めるように繰り返した。
「そのスティックはあなたのものよ。ただし変身はできるけど、魔法は使えないから」
通常でもいろいろな魔法を使えるのは、シュペール王国で聖女として訓練を受けたリリアンだけなのだ。
「なにか、体じゅうからすごいパワーがみなぎってくる感じがするわ。なんでもやれそうな気がする」
「魔法戦士に変身すると、常人の10倍の身体能力を持つようになるのよ。カスサ、試しに
そこで軽くジャンプしてみて」
「わかったわ」
カズサのブライトアリエスは、軽くジャンプと言われたが、ついつい力が入ってしまい
高くジャンプしてしまった。
「きゃあっ!」
アリエスは地上から5、6mほども飛び上がったのだ。だが、フワッと軽く見事に着地した。
「すごいジャンプ力だわ!」
だが、カズサはユウキが少しニヤッとしたのに、目ざとく気づくと
「こらっユウキ、今わたしのパンツ覗いたでしょ!」
「見てない、見てない、何も見てないよ」
ユウキは慌てて否定したが、アリエスが降りた時に、スカートがめくれ上がったのは
確かだった。リリアンも笑いながら
「ユウキだって、変身したらミニスカの女の子になっちゃうんだから」
「ええっ、ユウキもパンチラしちゃうんだ。見ものだわ」
「カズサには見せないよ~」
笑いが起きた3人は、和気あいあいのムードになった。ブライトアリエスは、変身解除して桜小路カズサの姿に戻った。
だがカズサは、異世界から来た不思議な美少女リリアンのことを考えていた。自分の変身ヒロインへの夢をかなえてくれた恩人だ。魅力的な人物である。だが自分とはユウキをめぐる恋のライバルになってしまうポジションにいる。そのことは忘れてはならないのだった。
「ホントだよ。昨日突然僕の部屋にリリアンが現れたんだ。そして、僕の家に居候することになったのさ」
カズサもユウキと同じく特撮オタクでもあり、柔軟な思考能力の持ち主だった。この信じられない話しをすぐ受け入れることができた。
「本当にあったのね異世界転移。でも、どうしてうちの高校に、簡単に編入なんかできるの?」
「リリアンは魔法が使えるのさ。昨日も魔法戦士に変身して怪人を退治したよ」
「フフ、ユウキにも手伝ってもらったわ。ユウキったら変身したら女体化しちゃうのよね」
「えっ、なんですって!」
カズサには衝撃的な話だった。この2人が変身して悪と戦ったなんて。ユウキの女体化も興味深い話だったが、とにかく変身の話だ。カズサが憧れていた夢が、今この時現実のものになるかもしれなかった。
「わたしからお願いがあるわ、リリアン」
急にカズサが改まった口調になった。
「わたしも正義のヒロインになりたいの。わたしに変身能力を与えてください。お願い。いや、お願いします」
学園のアイドルが、突然、へり下ってリリアンに頼みごとをした。リリアンはユウキの方を見ると、彼の意見を求めた。
「ユウキ、どうなの?」
ユウキは、幼馴染の美少女カズサの、正義の変身ヒロインへの憧れを知っているただ一人の人物だった。
「カズサは、頭はいいし運動神経もいいし、僕なんかより正義の味方には、ふさわしい
と思う」
ユウキの言葉を受けたリリアン
「自分の身を捨ててでも他人を助けようとしたり、正義を愛するものでないと、魔法戦士に変身することはできないの」
リリアンは、シュペール王国から持ってきた3本の魔法スティックのうち、最後の1本を取り出した。
「カズサ、あなたが魔法戦士にふさわしいかどうか、この魔法スティックが決めてくれるわ。あなたが魔法戦士になる資格があると判断されたら変身できる。でも、その資格がないと判断されたら変身できない」
「変身テストを受けてみる?」
魔法スティックを持っているからといって、変身できるかどうかはわからないのだ。リリアンのから突きつけられたチャレンジに、学園の美少女アイドルは、緊張した面持ちだったが、即座に
「わかったわ。受けます」
と返答したのだった。リリアンは黙ったまま、魔法スティックの最後の1本を差し出し、カズサはそれを受け取った。すると、リリアンは
「やり方は簡単よ。そのスティックを右手に持って、上に掲げるの。そして『変身』と
叫ぶの。そしたら、もし変身過程が始まるなら、あなたは光の帯に包まれる。途中で衣服が消えて裸になっちゃうけど、外からは見えないから安心して。光が消えたら変身終了よ。」
「もし、何も起こらなかったら、わたしは正義のヒロインの資格はない、ってことね」
「成功を祈ってるわ」
「カスサなら大丈夫。自信持って!」
幼馴染のユウキも声援を送った。
「ありがとう、頑張るわ」
桜小路カズサにとって、長年憧れ続けてきた正義の変身ヒロインになる夢が、ようやく実現するかどうかの大きなチャンスが来たのだった。
カズサは、自分のカバンを離れたところに置くと、落ち着くために深呼吸をした。そしてスティックを右手に持って掲げると、大きな声で叫んだ。
「変身!」
直後は何も起こらなかった。テストは失敗かと思えた次の瞬間、スティックからスルスルと光の帯が降りてきたのだ。そして光が消えた時、そこに立っていたのは、黄色を基調とした、ミニスカワンピースの戦闘コスチュームに身を包んだ、新しい魔法戦士の姿だった。
「やったわ! 変身成功なのね!」
桜小路カズサは、感動で声が震えていた。
「カズサ、合格おめでとう。わたしたちの新しい仲間だわ。魔法戦士としてのあなたの名はブライトアリエスよ」
「ブライトアリエス!」
変身したカズサは、噛み締めるように繰り返した。
「そのスティックはあなたのものよ。ただし変身はできるけど、魔法は使えないから」
通常でもいろいろな魔法を使えるのは、シュペール王国で聖女として訓練を受けたリリアンだけなのだ。
「なにか、体じゅうからすごいパワーがみなぎってくる感じがするわ。なんでもやれそうな気がする」
「魔法戦士に変身すると、常人の10倍の身体能力を持つようになるのよ。カスサ、試しに
そこで軽くジャンプしてみて」
「わかったわ」
カズサのブライトアリエスは、軽くジャンプと言われたが、ついつい力が入ってしまい
高くジャンプしてしまった。
「きゃあっ!」
アリエスは地上から5、6mほども飛び上がったのだ。だが、フワッと軽く見事に着地した。
「すごいジャンプ力だわ!」
だが、カズサはユウキが少しニヤッとしたのに、目ざとく気づくと
「こらっユウキ、今わたしのパンツ覗いたでしょ!」
「見てない、見てない、何も見てないよ」
ユウキは慌てて否定したが、アリエスが降りた時に、スカートがめくれ上がったのは
確かだった。リリアンも笑いながら
「ユウキだって、変身したらミニスカの女の子になっちゃうんだから」
「ええっ、ユウキもパンチラしちゃうんだ。見ものだわ」
「カズサには見せないよ~」
笑いが起きた3人は、和気あいあいのムードになった。ブライトアリエスは、変身解除して桜小路カズサの姿に戻った。
だがカズサは、異世界から来た不思議な美少女リリアンのことを考えていた。自分の変身ヒロインへの夢をかなえてくれた恩人だ。魅力的な人物である。だが自分とはユウキをめぐる恋のライバルになってしまうポジションにいる。そのことは忘れてはならないのだった。
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