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閑話 家族のミラクル
家族のミラクル
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あ、カレーが食べたい、とヨミは思う。
仕事帰り、どこからともなくカレーの匂いがした。それでもう口の中はカレー一色。バスに乗っている間も、とにかくカレー。でもこの時間に母に頼んだところで、「もう今日の献立は決まってます!」と怒られそうだ。うーん、困った。
「ただいまー。お母さん、今日のご飯なに?」
「カレー」
「え、うそ、ありがとう!」
いわく、母も突然カレーが食べたくなったということだ。ヨミは感動した。離れていても繋がっている。家族って、こういうミラクルを起こすのかもしれない。知らんけど。
「ただいまー」
「あ、おかえり、お父さん」
「今日のご飯なんだけどさ」
父が言う。
え、まさか。
「ラーメンがいいなあ」
――うん。
「お父さん、それはないわー」
「え」
ミラクルは連続して起きなかった。
残念。今日のご飯はカレーです。
ヨミが笑っていると、父は不思議そうな顔をした。
仕事帰り、どこからともなくカレーの匂いがした。それでもう口の中はカレー一色。バスに乗っている間も、とにかくカレー。でもこの時間に母に頼んだところで、「もう今日の献立は決まってます!」と怒られそうだ。うーん、困った。
「ただいまー。お母さん、今日のご飯なに?」
「カレー」
「え、うそ、ありがとう!」
いわく、母も突然カレーが食べたくなったということだ。ヨミは感動した。離れていても繋がっている。家族って、こういうミラクルを起こすのかもしれない。知らんけど。
「ただいまー」
「あ、おかえり、お父さん」
「今日のご飯なんだけどさ」
父が言う。
え、まさか。
「ラーメンがいいなあ」
――うん。
「お父さん、それはないわー」
「え」
ミラクルは連続して起きなかった。
残念。今日のご飯はカレーです。
ヨミが笑っていると、父は不思議そうな顔をした。
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