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・本日無事に、坊っちゃまが婚姻されました①
しおりを挟むお初にお目にかかります。
私この屋敷で侍女を務めております、アマンダと申します。
本日私が仕えるウォートン侯爵家嫡男、ライアン坊っちゃまが婚約者であらせられるステラ様と無事に婚姻の儀を結ばれました。
……なんとおめでたい日なのでしょうか。あんなに小さかった坊っちゃまが、立派に新婦であるステラ様をエスコートされていたお姿は大変勇ましく、少し前までクソガ……幼さが残っていたお姿とはまるで違い、とてもご立派でございました、ええ本当に。
お披露目も無事に終わり、初々しい若夫婦はこれから本日最後であり最初の責務である初夜を迎えられます。
正直、あの坊っちゃまが初夜をきちんとこなせるのか少々不安はございますが、ステラ様は坊っちゃまより4歳年上でございます。ですので、いざとなれば優しく導いて下さる事でしょう。
ええ、ええ。決して貴族の義務である閨教育をサボったから初夜のやり方を存じ上げないばかりではなく、女性に対して奥手だから手を握るだけで大量の汗が噴き出てお顔が真っ赤になるだなんて、とてもではないですが私の口から申し上げる事は出来ません。
きっと今頃坊っちゃまも、いい加減腹を括って初夜に挑まれている頃でしょうか。
いくら、ヘタ……小心……失礼いたしました。緊張していると言っても初夜を逃げ出すだなんて男の風上にも置けない情けない行動はなさらないと私、アマンダは信じております。
――ガタッ。
――ドンドンドンッ。
――ガタガタッ。
あらあら……言っている側から何やら若夫婦の寝室でトラブルが起きたようですね。
この距離では正確に聞き取れませんが、何やら怒鳴り声も聞こえてきます。
邪魔になるような行動は決して致しませんが、少し様子を見に行ってみましょう。
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