15 / 21
☆ Familiar15 ☆ 変化と歪み
しおりを挟む
「おい、起きろッ! 使い魔風情がのんきに寝てる場合か!?」
耳障りな声に眠りを妨げられ、私は唸り声をあげながら隣に転がっていた紫髪の男を睨みつけた。
「うるっさいなー、なんの用よ!?」
「な! 貴様、使い魔の分際で――」
「アア゛ン!? 使い魔がなんだって!?」
「き、貴様、その、なんだ……寝起きが悪すぎじゃあないか? 女がそんな乱暴な言葉を――」
「使い魔だとか、女だとか、さっきから小さいことでグダグダと――って、シリル? あんた、何してんの?」
「ようやくそこか! 何をしてるも何も、見て分からないのか、この愚鈍! 捕まったんだよ!?」
暗い倉庫の床に縄でグルグル巻きにされた状態で転がっているシリルの姿に、今まで奴に対して抱いていた負の感情がどこかに吹っ飛び、プッと吹き出してしまう。
「アハハ、ダッサー」
「だ、ダサッ――そ、そういう貴様こそ捕まってるじゃないか!?」
「私はか弱~い女の子だから仕方ないけど――」
「さっきは、男だとか女だとか小さいことって言ってのは貴様だよな! 貴様だったよな!?」
「ええ~、私寝ぼけてたからよく分かんなーい。それで? 今、どういう状況?」
ふざけるのを止めて、真剣な声音で問いかけると、シリルがキョトンとした間の抜けた顔をした後、深いため息をついた。
「はあ…………貴様、随分と自由で落ち着いているな」
「そりゃあ、きっとグレイスが助けに来てくれるからね」
「それは無理な話だな。俺達を縛っているこの縄は魔力を打ち消す。魔法使いと使い魔は魔力で繋がってるものだから、魔力が感知できないと見つけようがない」
「たかが、そんな理由?」
「なんだ、奥の手でもあるのか?」
「私とグレイスの愛の力があればそんなもの――」
「さて、ここからどうやって抜け出すかだが……」
「最後まで聞いてよ! まったくもう。ま、とりあえず、それは冗談として……たぶん、誘拐犯の狙いはグレイスだから必ずここに来るわよ。で? あんたはなんで捕まったの?」
「敵の目的がグレイスって――」
「それはもう終わった話だから、質問に答えてよ」
「貴様、本当に勝手だな!? はあ――まあ、隠しても後で分かるだろうから言うが、研究所に置いていた私専用の空間移動用魔法具が盗まれたんだ」
「研究所の警備、ザルね」
「外部からの警備は完璧に近いんだがな。内部に関してはそうとしか言いようがないなって――なんで、そんなに驚いた顔をしてるんだ。アホ面がドアホ面になってるぞ」
「いちいちうるさいわね。ただ、小者臭半端ないあんたのことだからもっと反論するかと思っただけよ……まあ、それはいいや。で?」
「本ッッ当に貴様は一言も二言目も多いなッッ!? まあ、この非常事態に無駄な言い争いをしてるのは時間の無駄だからな。この寛ッッ大な私が! 心の広~い私が!! 貴様のその無礼な態度を今だけ赦してやる!!」
「ハイハイ、アリガトウゴザイマス。はあ……話の続き、聞かせてもらっても良いかな?」
シリルの無駄に恩着せがましい言葉に、今度は私の口から深いため息が出てしまう。
「ああ、話が少し脱線したが、私が研究所で使っている魔法具には、念のため発信機を付けているんだ。騒ぎが公になる前に回収してしまおうと学校まで追って来たのだが――面倒なことになった。この間の研究のこともあるし、これでは降格確実……チッ、だから報告しなかったのに! 余計に自身の首を絞めることになるとは……」
ブツブツと呟くシリルを横目に、私は起き上がる。どうやら、私は上半身しか縄で縛られていないらしい。
「じゃあ、そこからは私と同じように捕まったわけ、ね――あ、さっきの空間移動って、もしかして……」
「ん? ああ、おそらく私の魔法具だろう。あれは空気中の魔力を使うから魔力の消費もないし、魔力の残り香でも犯人は分からないからな。それに、あれは私達だけでなく、校内に残っていた生徒達にも使用したようだ」
「そっか、そうすると私達の誘拐が分かりにくくなるもんね……。そういえば、さっき、校舎で爆発があったみたいだけど、あれって魔法具が魔力を使いすぎて壊れたってこと――?」
「だろうな。ただ、魔法具は基本的に空気中の魔力を吸収しただけでは壊れないはずだから、おそらく、周囲の生徒達の魔力を吸収させる魔法を発動させたんだろう。あの時、ちょうど爆発現場の近くにいたが、魔力が抜ける感覚があった――それにしても、貴様、ヘッポコ使い魔のくせになかなか話が分かるじゃないか」
「へ、ヘッポッ――一言余計なのはアンタのほうよ! ま、まあ、アンタも知識だけはシッカリしてるようね。基礎知識の説明なく会話できるのは良いわね。それにしても、魔力が抜ける感覚……ねぇ。移動先の空間座標を比較的近くにすることで魔力の消費量を少なくはしたけど、移動させた人数が多すぎて魔力が足りなかったのね……あ、一応聞くけど、爆発現場の近くにいて怪我はなかった?」
「私は優秀だからな。怪我などするわけないだろう?」
「ああ、そうですか、それはようございましたねぇ」
「…………貴様は――私のことが嫌いなんじゃないのか?」
「は? 嫌いだけど、それが何?」
「使い魔の分際で随分とむかつく対応だな!」
「嫌いだけど、怪我してざまーみろとは言わないわよ」
「さっき捕まってダサいとは言ったがな……ああ、まったく思い出しただけでも苛立たしい。この縄さえなければすぐに貴様の首を絞めてやったものを!」
「本当に細かい男ね……ん? そう言えば、あんた、アローナの首を絞めようとした時、蛇を出してたけど――それって、いつも?」
「ああ、そうだが。それが?」
(じゃあ、やっぱり、あの【夢見】は……)
白い狐面の首にあったのは縄の痕だった。私は【夢見】で見たのがアローナだと思っていたが――間違っていたのだ。
「――はあ、それにしても、あんたって本当に悪趣味ね」
「どうとでも言え。私に従わず、私を軽んじる奴らが悪い」
「あんたって――可哀想な奴ね。自分に自信がないけど相手の優位には立ちたい……だから、恐怖によって相手を支配しようとする。でも、そうやって負の力でいくら圧力を加えても、反発して返ってくるのは負の力じゃない」
「うるさい――分かったような口をきくな」
「確かにあんた、ぶっちゃけケテルより才能なさそうだし小者っぽいけど、研究所でそこそこまで上り詰められたんだし、知識もまあある方みたいだから、そこそこの自信は持ってもいいんじゃないの?」
「それは私への侮辱か?」
「私は思ったことをそのまま言っただけよ。そんなに怯えて自分よりも立場の弱い者に対してだけ吠えてても、自分の価値を下げるだけじゃない。そんなのやめて弱い者に優しくした方が尊敬できるし、カッコイイのに――」
「カッコイイ……?」
シリルの小さな呟きに被さるようにカツンカツン――という靴音が響き、白い狐面が姿を現す。薄茶色のコートに付いたフードを目深に被った狐面の首筋には、やはり痛々しい縄の痕と呪いの刻印が刻まれている。
「おい、ふざけた狐面など付けて、私達をどうする気だ?」
シリルの言葉の中に私のことも含まれていることに驚きを感じつつも、私は狐面の反応をうかがう。狐面は、どうやら答える気がなさそうだ。無言のまま、悲しげにこちらを見つめている。
「ねぇ――これは、あなたのご主人様の命令?」
呟きのような私の声に、狐面は一瞬だけピクリと反応した。
「あなたの苦しみに気付いてあげられなくてごめん。ごめんなさい――」
耳障りな声に眠りを妨げられ、私は唸り声をあげながら隣に転がっていた紫髪の男を睨みつけた。
「うるっさいなー、なんの用よ!?」
「な! 貴様、使い魔の分際で――」
「アア゛ン!? 使い魔がなんだって!?」
「き、貴様、その、なんだ……寝起きが悪すぎじゃあないか? 女がそんな乱暴な言葉を――」
「使い魔だとか、女だとか、さっきから小さいことでグダグダと――って、シリル? あんた、何してんの?」
「ようやくそこか! 何をしてるも何も、見て分からないのか、この愚鈍! 捕まったんだよ!?」
暗い倉庫の床に縄でグルグル巻きにされた状態で転がっているシリルの姿に、今まで奴に対して抱いていた負の感情がどこかに吹っ飛び、プッと吹き出してしまう。
「アハハ、ダッサー」
「だ、ダサッ――そ、そういう貴様こそ捕まってるじゃないか!?」
「私はか弱~い女の子だから仕方ないけど――」
「さっきは、男だとか女だとか小さいことって言ってのは貴様だよな! 貴様だったよな!?」
「ええ~、私寝ぼけてたからよく分かんなーい。それで? 今、どういう状況?」
ふざけるのを止めて、真剣な声音で問いかけると、シリルがキョトンとした間の抜けた顔をした後、深いため息をついた。
「はあ…………貴様、随分と自由で落ち着いているな」
「そりゃあ、きっとグレイスが助けに来てくれるからね」
「それは無理な話だな。俺達を縛っているこの縄は魔力を打ち消す。魔法使いと使い魔は魔力で繋がってるものだから、魔力が感知できないと見つけようがない」
「たかが、そんな理由?」
「なんだ、奥の手でもあるのか?」
「私とグレイスの愛の力があればそんなもの――」
「さて、ここからどうやって抜け出すかだが……」
「最後まで聞いてよ! まったくもう。ま、とりあえず、それは冗談として……たぶん、誘拐犯の狙いはグレイスだから必ずここに来るわよ。で? あんたはなんで捕まったの?」
「敵の目的がグレイスって――」
「それはもう終わった話だから、質問に答えてよ」
「貴様、本当に勝手だな!? はあ――まあ、隠しても後で分かるだろうから言うが、研究所に置いていた私専用の空間移動用魔法具が盗まれたんだ」
「研究所の警備、ザルね」
「外部からの警備は完璧に近いんだがな。内部に関してはそうとしか言いようがないなって――なんで、そんなに驚いた顔をしてるんだ。アホ面がドアホ面になってるぞ」
「いちいちうるさいわね。ただ、小者臭半端ないあんたのことだからもっと反論するかと思っただけよ……まあ、それはいいや。で?」
「本ッッ当に貴様は一言も二言目も多いなッッ!? まあ、この非常事態に無駄な言い争いをしてるのは時間の無駄だからな。この寛ッッ大な私が! 心の広~い私が!! 貴様のその無礼な態度を今だけ赦してやる!!」
「ハイハイ、アリガトウゴザイマス。はあ……話の続き、聞かせてもらっても良いかな?」
シリルの無駄に恩着せがましい言葉に、今度は私の口から深いため息が出てしまう。
「ああ、話が少し脱線したが、私が研究所で使っている魔法具には、念のため発信機を付けているんだ。騒ぎが公になる前に回収してしまおうと学校まで追って来たのだが――面倒なことになった。この間の研究のこともあるし、これでは降格確実……チッ、だから報告しなかったのに! 余計に自身の首を絞めることになるとは……」
ブツブツと呟くシリルを横目に、私は起き上がる。どうやら、私は上半身しか縄で縛られていないらしい。
「じゃあ、そこからは私と同じように捕まったわけ、ね――あ、さっきの空間移動って、もしかして……」
「ん? ああ、おそらく私の魔法具だろう。あれは空気中の魔力を使うから魔力の消費もないし、魔力の残り香でも犯人は分からないからな。それに、あれは私達だけでなく、校内に残っていた生徒達にも使用したようだ」
「そっか、そうすると私達の誘拐が分かりにくくなるもんね……。そういえば、さっき、校舎で爆発があったみたいだけど、あれって魔法具が魔力を使いすぎて壊れたってこと――?」
「だろうな。ただ、魔法具は基本的に空気中の魔力を吸収しただけでは壊れないはずだから、おそらく、周囲の生徒達の魔力を吸収させる魔法を発動させたんだろう。あの時、ちょうど爆発現場の近くにいたが、魔力が抜ける感覚があった――それにしても、貴様、ヘッポコ使い魔のくせになかなか話が分かるじゃないか」
「へ、ヘッポッ――一言余計なのはアンタのほうよ! ま、まあ、アンタも知識だけはシッカリしてるようね。基礎知識の説明なく会話できるのは良いわね。それにしても、魔力が抜ける感覚……ねぇ。移動先の空間座標を比較的近くにすることで魔力の消費量を少なくはしたけど、移動させた人数が多すぎて魔力が足りなかったのね……あ、一応聞くけど、爆発現場の近くにいて怪我はなかった?」
「私は優秀だからな。怪我などするわけないだろう?」
「ああ、そうですか、それはようございましたねぇ」
「…………貴様は――私のことが嫌いなんじゃないのか?」
「は? 嫌いだけど、それが何?」
「使い魔の分際で随分とむかつく対応だな!」
「嫌いだけど、怪我してざまーみろとは言わないわよ」
「さっき捕まってダサいとは言ったがな……ああ、まったく思い出しただけでも苛立たしい。この縄さえなければすぐに貴様の首を絞めてやったものを!」
「本当に細かい男ね……ん? そう言えば、あんた、アローナの首を絞めようとした時、蛇を出してたけど――それって、いつも?」
「ああ、そうだが。それが?」
(じゃあ、やっぱり、あの【夢見】は……)
白い狐面の首にあったのは縄の痕だった。私は【夢見】で見たのがアローナだと思っていたが――間違っていたのだ。
「――はあ、それにしても、あんたって本当に悪趣味ね」
「どうとでも言え。私に従わず、私を軽んじる奴らが悪い」
「あんたって――可哀想な奴ね。自分に自信がないけど相手の優位には立ちたい……だから、恐怖によって相手を支配しようとする。でも、そうやって負の力でいくら圧力を加えても、反発して返ってくるのは負の力じゃない」
「うるさい――分かったような口をきくな」
「確かにあんた、ぶっちゃけケテルより才能なさそうだし小者っぽいけど、研究所でそこそこまで上り詰められたんだし、知識もまあある方みたいだから、そこそこの自信は持ってもいいんじゃないの?」
「それは私への侮辱か?」
「私は思ったことをそのまま言っただけよ。そんなに怯えて自分よりも立場の弱い者に対してだけ吠えてても、自分の価値を下げるだけじゃない。そんなのやめて弱い者に優しくした方が尊敬できるし、カッコイイのに――」
「カッコイイ……?」
シリルの小さな呟きに被さるようにカツンカツン――という靴音が響き、白い狐面が姿を現す。薄茶色のコートに付いたフードを目深に被った狐面の首筋には、やはり痛々しい縄の痕と呪いの刻印が刻まれている。
「おい、ふざけた狐面など付けて、私達をどうする気だ?」
シリルの言葉の中に私のことも含まれていることに驚きを感じつつも、私は狐面の反応をうかがう。狐面は、どうやら答える気がなさそうだ。無言のまま、悲しげにこちらを見つめている。
「ねぇ――これは、あなたのご主人様の命令?」
呟きのような私の声に、狐面は一瞬だけピクリと反応した。
「あなたの苦しみに気付いてあげられなくてごめん。ごめんなさい――」
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる