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そして芽吹いて実のる冬
しおりを挟む治療の後はいつも自分で自分を慰めていた。
気が付けば、自分で胸元を弄らなければ達することも叶わないほどになっていて、その時ばかりはまるで女の子みたいにぷっくりと膨れた自分の胸元が恥ずかしくてしょうがなかった。いつもこうならこんなことにはならなかったのに。
胸に触れていた弘明の手が離れていき、省吾はやっと終わると詰めていた息をゆっくり吐き出す。
すぐに家に帰って今すぐ熱を吐き出したくてたまらなかった。
しかし、離れたと思っていた弘明の指はシャツのボタンを外し始める。
その手際の良さに慌てた省吾が起き上がろうとすると、やんわりと押し返されまたベッドに横たわることになった。
「最近、吸ってあげてなかったからね」
「だ、大丈夫だよ、もういいから!!」
もがく省吾を容易く押さえつけて、ボタンを外し終わった弘明はあっという間にシャツをめくって胸元を露出させた。
先ほどの刺激でつんと顔を出している乳首に弘明は薄く微笑むとふうと優しく息を吹きかけた。そして弘明がメガネを外してベッドのサイドボードに置く。それが合図だと知っている省吾は慌てて身体を起こそうとするが、弘明の腕によって阻まれる。
「ヒロ君!やだ!恥ずかしいから!!」
「そんな今更じゃない?」
言うが早いか噛みつくように吸い付かれて省吾は悲鳴を思わず呑み込んだ。
ちゅうちゅうとまるで赤子が乳を吸うかのごとくの吸引にそのまま心臓まで吸い上げられてしまうような感覚に襲われて背中が自然と浮き上がる。
口に含まれていない片方は指腹で撫でられ続けていてどうしょうもなかった。
頭の奥が焦げ付きそうなほどに熱くて真っ白で何も考えられなくなる。カリッと弘明の歯が先端を甘く噛んだ。
「っ・・・アッ・・・!!」
いけないと思うより早くお腹の奥がぎゅうっと縮まるように痙攣して、全身の血が沸騰したように熱くなり、頭の中に星が飛ぶ。
耳の奥がキンとなって体が浮き上がるような快感で目の前が真っ白だ。
数秒の間の後に訪れる下半身を包む独特な不快感と血が冷めていく感覚に思考がクリアになっていく。
「・・・ふぇ・・・」
羞恥と屈辱で真っ赤になった省吾は、自分に覆いかぶさっている弘明を涙でいっぱいになった瞳で見つめていた。
見つめられている弘明は省吾の体に訪れた事実に気が付き、もろ手を挙げて歓声をあげそうになる自分を抑えるのに必死だった。
これまでの努力が報われた瞬間なのだから。
「ねぇ省吾」
ゴクリと喉を鳴らしたいのを我慢してこっそりと唾を飲み込みながら、極力優しい声音で呼びかけつつ、省吾の頬に手を伸ばす。
触れる瞬間、怯えたように震えたけれど逃げられなかったことに安心しつつ、掌に押し当てた頬は熱いほどだった。
「もしかしてイっちゃったの?」
弘明の言葉に省吾の顔全体が鮮やかな赤に染まったかと思ったら、次第に色を失くしていく。
「ごめんヒロ君、おれ、おれ、はずかし・・・!!」
覆いかぶさっている弘明の体から逃げるようにズルズルと体をずらし、ボロボロと瞳から大粒の涙を流す省吾。
はだけたシャツをかき集めるようにして胸元を隠し、必死に体を隠すように丸めようとしてる。
「変なんだ、ヒロ君は、ち、治療してくれているのに俺、こんな」
自分の体の変化が信じられないのだろう、焦点のあわない視線を彷徨わせながらいやいやと顔を振るたびに瞳から落ちた涙がシーツに染みを作った。
「省吾」
弘明はそんな省吾をゆっくりと抱きしめるように腕の中に囲い込む。
「ホント恥ずかしくてエッチな身体だよね」
耳に吹き込むように囁いてベロリと舐め上げれば、ヒィッとか細い悲鳴が上がった。
逃げ出そうともがく体を強く抱きしめて、優しく耳朶に歯を立てる。
「大丈夫、僕が責任取ってあげるから」
優しすぎる弘明の声に、目を丸くした省吾が信じられないものを見るような視線を向ける。
「僕に全部まかせてね」
にっこりとまるで天使みたいな顔で悪魔のように微笑む弘明に、省吾は、ああ逃げられないのだと己の運命を悟ったのだ。
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