5 / 6
05
しおりを挟む胸の中央を止めていたリボンを解かれると、身体を包んでいた衣装が左右に割れて素肌があらわになる。
リュートが息を呑むのが聞こえてきた。
「綺麗だ」
うっとりとした声音で呟きながら、素肌に沢山のキスをされた。
体中、触られていないところがないくらいに求められて、ふにゃふにゃと骨がなくなったみたいに身体から力が抜けていく。
なすがままにされてしまうのが情けなくて恥ずかしいのに、相手がリュートであることがひどく嬉しい。
「あっ、やぁ……」
首筋や胸の間などの肉付きの薄い場所をキツく吸い上げられるとチリチリとした痛みが走る。
背中や、腰のくびれまで同じように愛されてリュートの執着心の底なし具合を思い知らされるみたいだった。
「濡れてる……このまま舐めていい?」
「ひあっ、だめぇ!」
べったりと肌に張りついた足の間の生地を撫で上げられ、セレンは甘ったるい悲鳴を上げた。
リュートの指の動きに合わせてくちゅくちゅと卑猥な音が響くのがわかる。
身体を包んでいた衣装と同じレースで作られた下着も、リボンをほどけばすぐに脱げてしまう作りなのに、リュートはわざと脱がそうとせずにそのままセレンの弱いところを探し始める。
「ここ。ぴったり張りついてるからぷっくりなってるのわかるよ」
「いっ、言わないでよぉ」
あまりの羞恥に足をばたつかせてみるが、逆に掴まれて片足を肩に担ぎ上げられるようにして思いきり足を開かされてしまう。
「あ、ああぁ……やぁ!」
「舐めちゃダメなんだろ? だったら触らせてよ」
「んぅう……も、そこだめぇ……」
くにくにと指で押しつぶすようにこねまわされ、まだ触れられていないところからとろとろと蜜が溢れていく。
執拗にそこだけを攻め立てられ、お腹の奥からせり上がってくる熱が一気に弾けた。
「やっ、あっ……ああっ……!!」
全身がこわばって、腰がガクガクと震えた。
「は、あっ……いま、の……」
「イッちゃった……?」
リュートの問いかけにセレンは悔しそうに唇を噛む。
娼館育ちの二人は性行為の知識だけは豊富だった。だから、何が起こったのかわかるのだ。
自分だけ乱されてしまった事実に悶えるセレンにリュートは笑みを深くする。
「次は一緒に気持ちよくなろう?」
「ひゃっ……!」
ようやく下着が取り払われ、びっしょりと濡れた秘所がリュートの眼下に晒される。
蜜を溢れさせる入り口にリュートの指が近づき、ノックするように指先を軽く沈めては出ていくを繰り返した。
「痛くない?」
「んっ……平気、かも」
違和感があるが、不思議と怖くはなかった。
相手がリュートだからだろうか。
「ゆっくり慣らすからね」
「あっ、うううんっ……!」
男性の太い指がゆっくりと胎内を埋めていく。何も受け入れたことのない硬い内壁が驚きに震えるが、リュートは根気よくそれらをほぐしていく。
優しく抜き差ししながら、時折広げるように関節を折り曲げてその存在を覚え込ませてくる。
違和感が抜けた頃に指が増やされ、さぐるように奥をこねまわしていった。
合間に、もう一つの手で胸の先端や先ほどいじり回された突起を摘ままれると、違和感の奥からじわじわとした快感が湧いてくるのがわかった。
「あ、ああっ……」
もう入れて欲しい。何度懇願してもリュートは指を抜いてはくれなかった。
痛みを感じさせたくない、気持ちよくなって欲しい。
愛情からというよりは、そうしなければならないと思い込んでいるような必死な声音に、愛しさとは違う理由で胸が締め付けられる。
「だいじょうぶだから、だってリュートは私を愛してくれてるんでしょ……?」
娼館で姐さんたちがされていた行為とは何もかも違う。
だから安心してと囁いて、セレンは自分からリュートの唇にキスを落とした。
「セレンっ……!」
リュートの声から余裕がなくなる。
ズボンを破きかねない勢いで脱ぎ捨てれば、腹につきそうなほどに反り上がった雄槍が存在を主張するようにびくびくと震えていた。
凶悪な姿はずなのに愛しく思えてしまうのは、恋心故だろうか。
雄幹に手を添えたリュートは、先端をゆっくりと蜜口に押しつけた。
指とは全然違う存在感と熱さに腰がわななく。
「入れるぞ」
「うん……あっ……」
ずっ、と生々しい音が響く。
引き攣れるような僅かな痛みと圧迫感に呼吸が乱れる。
それでも散々にならされたおかげなのか、想像よりも痛くはない。
むしろゆっくりと押しつけられるリュートの腰や、ぽたぽたと肌に落ちる汗の雫がやけに生々しくて、抱かれているという事実に心臓が痛いほどに早く脈打っていた。
「あ」
密着したお互いの腰と、お腹の奥にこつんと何かがぶつかった感触におもわず声が出た。
みっしりと身体の中を埋める圧倒的な質量。自分のものではない脈拍が粘膜を震わせる。
繋がった。一つになれた。多幸感に心が酔いしれる。
「リュート……」
名前を呼ぶために顔を上げたセレンが見たのは、セレンを見つめながら涙を流すリュートの顔だった。
まるで子どもみたいに顔をくしゃくしゃにして水晶みたいな綺麗な涙粒を溢れさせている。
「セレン。俺のセレン。全部俺のだ。もう二度と離さない」
ただでさえ大きな存在がお腹の中で更に硬度と質量を増した。
ゆるゆると動き出され、待って、と叫ぶつもりで開けた口からは言葉にならない声しか出てこない。
余裕のない律動が切なくも苦しい。だが、リュートがそれほどまでに愛してくれていることが嬉しくて、心も身体も満たされていく。
「あっ、ああっ……リュート、リュー……」
たくましい腕にすがりつくように爪を立て、揺さぶられる動きに身体を合わせることしかできない。
ずんずんと腰をたたきつけるような抽挿に合わせて、あ、あ、と間抜けな声がこぼれた。
硬く尖った先端が、隘路を蹂躙し抉っていく。
お互いの弱点を晒し合うこの荒々しい行為が、どうしてこんなに気持ちいいのか。
「あっああっ……!」
「くっ……セレン……!!!」
唸ったリュートにきつく抱きしめられ、最奥を突き上げられる。
本能のままに甲高く叫んだセレンのお腹の奥にぶわりとあたたかい何かが広がったのがわかった。
胚を満たす愛しい男の子種。
溺れるような恋しさを感じながら、セレンは自らの薄い腹を愛しげに撫でた。
「あ……!」
ぴくん、とまだ中に収まっていたリュートの雄が再び膨らんでいくのが伝わってくる。
困惑しながら顔を上げれば、リュートは汗で額に張りついた前髪をかき上げているところだった。
見下ろす瞳には明らかな情欲が宿っている。唇を舐める舌の動きが官能的で、隘路がきゅうっと勝手に収縮してしまう。
「まだたりない」
「ひぅう……や、まだまってぇぇ……!」
両足をひとまとめにするように抱えられ、再びの律動がはじまる。
先ほどとは違い、怖いくらいに緩やかに穿たれ、セレンはぐずるような声を上げた。
ひと突きされるごとに、身体が高みに押し上げられてしまう。弱い場所を全部抉られ、撫でられて。最奥のその奥に、溢れるほどに熱を注がれて。
「すき、すき、リュート」
「セレン……セレン、愛してる」
お互いを必死に求め合うだけの獣じみた二人の睦みあいは、空が白むまで続けられたのだった。
86
あなたにおすすめの小説
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
勘違い妻は騎士隊長に愛される。
更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。
ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ――
あれ?何か怒ってる?
私が一体何をした…っ!?なお話。
有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。
※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。
愛しい人、あなたは王女様と幸せになってください
無憂
恋愛
クロエの婚約者は銀の髪の美貌の騎士リュシアン。彼はレティシア王女とは幼馴染で、今は護衛騎士だ。二人は愛し合い、クロエは二人を引き裂くお邪魔虫だと噂されている。王女のそばを離れないリュシアンとは、ここ数年、ろくな会話もない。愛されない日々に疲れたクロエは、婚約を破棄することを決意し、リュシアンに通告したのだが――
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
【完結】初恋の彼に 身代わりの妻に選ばれました
ユユ
恋愛
婚姻4年。夫が他界した。
夫は婚約前から病弱だった。
王妃様は、愛する息子である第三王子の婚約者に
私を指名した。
本当は私にはお慕いする人がいた。
だけど平凡な子爵家の令嬢の私にとって
彼は高嶺の花。
しかも王家からの打診を断る自由などなかった。
実家に戻ると、高嶺の花の彼の妻にと縁談が…。
* 作り話です。
* 完結保証つき。
* R18
呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました
しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。
そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。
そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。
全身包帯で覆われ、顔も見えない。
所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。
「なぜこのようなことに…」
愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。
同名キャラで複数の話を書いています。
作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。
この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。
皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。
短めの話なのですが、重めな愛です。
お楽しみいただければと思います。
小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!
愛さないと言うけれど、婚家の跡継ぎは産みます
基本二度寝
恋愛
「君と結婚はするよ。愛することは無理だけどね」
婚約者はミレーユに恋人の存在を告げた。
愛する女は彼女だけとのことらしい。
相手から、侯爵家から望まれた婚約だった。
真面目で誠実な侯爵当主が、息子の嫁にミレーユを是非にと望んだ。
だから、娘を溺愛する父も認めた婚約だった。
「父も知っている。寧ろ好きにしろって言われたからね。でも、ミレーユとの婚姻だけは好きにはできなかった。どうせなら愛する女を妻に持ちたかったのに」
彼はミレーユを愛していない。愛する気もない。
しかし、結婚はするという。
結婚さえすれば、これまで通り好きに生きていいと言われているらしい。
あの侯爵がこんなに息子に甘かったなんて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる