増幅使いは支援ができない

aaa

文字の大きさ
7 / 100
異世界での、あれこれ

宣告

しおりを挟む
朝。

今日から戦い方を学ぶための訓練が始まる。

俺達が集まったのは、王宮から少し離れた騎士の訓練場である。
ちなみに、服装は王国から配布された訓練着?を着ている。

周りを見渡せば、騎士が訓練を行っているようだ。また、昨日見た魔法使いの方々もこっちを見学に来ている様子。

俺達が全員集まったことを確認すると、訓練していた中の一番偉そうな騎士の人が俺達の前にやってきた。

「よう!堅苦しい挨拶とかは俺の性分じゃないんでね。俺の名前はアルゴン・フランベルク。一応この国の騎士団の副隊長をやっているものだ。団長はちょっと今忙しいんでね、今は代理で俺が訓練を行うことになった。よろしくな!」

挨拶が終わると、アルゴンさんは見学している魔法使いをチラッと見ると、こっちに向き直り。

「さて、まずお前らにはそれぞれの能力をもろもろを調べさせてもらおうと思う。」

そういってアルゴンさんは、大きい透明の板を取り出した。

「これは魔力量、魔法適正を調べることができる便利な代物でな。名前は忘れた。大昔、どこかの魔法国家が開発したらしい。魔力量は分かると思うが、魔法適正を調べるってことは、そのままの意味の魔法を使う適正がどれぐらいあるかどうかと、基本の火属性、水属性、土属性、風属性、聖属性のどれに適正があるか調べるってこった。」

「座学で詳しく説明すると思うが、大雑把にいうとその適正がないとその属性魔法は使えん。さっぱり諦めるんだな。まあ属性がどれも使えないってことはないはずだ。なんたって勇者様だからな。一般的には、魔法は誰でも使えるが、属性魔法は百人に一人。」

「また、固有能力ってのも存在する。そうだな…王女マーリン様は毒魔法、騎士の中にも装甲魔法ってやつがいた。それらは決まって強力な物が多いんだが、これに関しては五千人に一人が持っているなんて言われている。物によっては世界で一人しか使えない固有能力なんてものだってある。まあ持ってたら喜んでいいぞ。歴代の英雄ってのは、基本固有能力持ちだったからな。」

そういうと、アルゴンさんは周りを見渡していく。

「さて…それじゃあ順番に調べていく。えー、そこから順番にこっちに来い。」

おいおい、その順番だと俺が最後じゃないか……?まあいいか。

最初は俺が話した事のない男子だった。仮に男子Aとしよう。さてどうなるかな…

「まず、この板のここに手を置いてくれ。それから少し待つと結果が出て……おお!これは出たな!いいんじゃないか?」

そう言ったアルゴンさんの目にある板には、このように表示されていた。

魔力量     1000000

魔法適正    8

属性魔法適正  水7 火8 風8 土9 

固有能力    土属性魔法強化


「こいつを例に説明するぞ。魔法適正は10が最高で、これが高いと詠唱が短く済んだり、属性魔法以外の魔法をうまく扱えるようになる。次に属性魔法適正だが、これも10が最高で、この場合は水、火、風も使えて、土に関しては一級品といったところだ。最後に固有能力だが……言わなくても分かるとおり、土属性魔法が強化される。詠唱はいらなくなり、魔力効率も大幅に上がる。名前は地味だが、素晴らしい能力だ。」

言い終えたアルゴンさんは、はっと思い出した顔をして、

「そういや言い忘れていたな。一般的な人の数値は、魔力量一万、魔法適正3、属性魔法適正はなし。固有能力も当然ない。魔法使いだと、魔力量は十万、魔法適正は6、属性魔法適正は1属性で5が平均ってとこか。まさか最初からこんな数値をたたき出すとはな……我々にとっては羨ましいばかりだ!」

はっはっは、と笑うアルゴンさん。たしかにこれは可笑しい。チートもいいところだ。
これは俺も期待できるんじゃないか……?そう考えるとニヤニヤしてしまうな。自分にそんな力があるかもしれないと考えると、嬉しくなってしまう。

見ろあの男子Aの姿を。なんてニヤニヤっぷりだ。

それからも続々とチート野郎が生産されていく。男子も女子も関係なく数値がおかしい。

そして隼人の番になったのだが…

魔力量     10000000

魔法適正    10

属性魔法適正  水9 火9 風9 土9 聖10

固有能力    聖剣使い 神聖魔法 

まさしく主人公だ。いやゲームだとバランス壊れるなこれ。アルゴンさんも黙るレベル。

「最初見たときから何か感じていたが…まさかこれ程とはな…この数値だけでも異例だが、固有能力2つとは……それに聖剣使いとは。おいヴァレン!このことを国王様に伝えてこい!」

アルゴンさんがそういうと、騎士の一人が頷き走っていった。

「気を取り直し、次だ!」

次は雫。雫は、隼人の後だというのにまったく物怖じしていない。

そして雫が板に手を触れると…

魔力量     50000000

魔法適正    10

属性魔法適正  水10 風8 土8

固有能力    氷魔法

「ふむ…魔力五千万とは…お前も相当な数値だが、それに劣らず固有能力がかなり強力だ。氷魔法ってのは大昔に存在したと言われる、魔王が使っていた魔法でな。この魔法適正なら必ず使いこなせるはずだ。」

雫もすげえな……さっきといい、二人はかなり異例だ。周りとすべての値がかけ離れている。

それからも様々なチートが生み出される中、樹の番となった。

魔力量     100000000

魔法適正    9

属性魔法適正  水8聖10

固有能力    回復魔法強化

「魔力量一億だと?異例すぎる…しかもこの魔力量で回復魔法強化とは。回復魔法は魔力を大きく使うんだが、場合によっては休む暇なしに回復魔法をかける必要がある時がある。それで魔力切れを起こしてそのパーティーは壊滅って事はよくある事なんだがな。この魔力量、それにこの固有能力。お前に関してはその心配はいらないようだ。……次きてくれ!」

樹がべた褒めされてて俺も嬉しいよ。うん。俺の番か…さてどうなる。

「お前には期待してるぞ。なんたって最後だからな。」

緊張するからやめてくれ!あー……大丈夫かな……

そうして出てきたのは。

魔力量     1000

魔法適正    3

属性魔法適正

固有能力    増幅使い

「……うん?俺の見間違いか?……すまないな。もう一回やり直してくれ。」

何度やり直しても『それ』は変わらなかった。

後ろからは、何あれ?とかあいつ弱くね?とかかわいそうとかいう声が聞こえてくる。
不安と焦燥で、冷や汗が背中を伝っていく。

「……」

アルゴンさん!なんか言ってくれ!

その思いがアルゴンさんに伝わったのか、はっとしたように俺に向き直ると、

「属性魔法適正や魔法適正は仕方ないが、魔力量は鍛錬で伸びるもの。この数値は低すぎるが…それでもだ!固有能力がお前にはある!聞いた事がない能力なんだが、この名前からすると人体、魔法に干渉して、それを強化するものだと考えられる。お前は魔力量を増やす事を目標にしろ!おそらく攻撃は無理だが、支援に関しては一級品の能力だ!落ち込むんじゃないぞ!」

アルゴンさんが必死に慰めてくれた。固有能力ってのは、本当に凄いものなんだな。

というかこれなかったら本当にただの一般人じゃないか……

後ろの声も収まったみたいである。……アルゴンさんのおかげだ。アルゴンさんには感謝だな。



……俺は支援しかできないが、それでも。それでも役に立てるならそれでいい。

樹も俺なんか比較にならないぐらいだったし、よかったさ。

そうだ、そう思うようにしよう、……はー、かっこ悪いなあ俺。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】「異世界に召喚されたら聖女を名乗る女に冤罪をかけられ森に捨てられました。特殊スキルで育てたリンゴを食べて生き抜きます」

まほりろ
恋愛
※小説家になろう「異世界転生ジャンル」日間ランキング9位!2022/09/05 仕事からの帰り道、近所に住むセレブ女子大生と一緒に異世界に召喚された。 私たちを呼び出したのは中世ヨーロッパ風の世界に住むイケメン王子。 王子は美人女子大生に夢中になり彼女を本物の聖女と認定した。 冴えない見た目の私は、故郷で女子大生を脅迫していた冤罪をかけられ追放されてしまう。 本物の聖女は私だったのに……。この国が困ったことになっても助けてあげないんだから。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します。 ※小説家になろう先行投稿。カクヨム、エブリスタにも投稿予定。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

処理中です...