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『機灰の孤島』編

見えない戦闘

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「――……」

依然として、この灰色に潜んでいるであろう化け物達。

しかしさっきの姿を見れたおかげか、目の前の光景の違和感に気付く事が出来る。

コイツ等が居る所は、微かだが空間が歪んだ様に見えるのだ。



「――らあ!」


俺はその空間に向けて全速力で走り、スタッフを振った。



「――!」


俺の攻撃は間一髪避けられる。だが、俺の考えは当たっていた。

大丈夫だ、俺達の攻撃は通じる。


「っ!」


左から跳んで来た一匹を避け、もう一度前に居る一匹を狙って蹴りを放つ。


「――――!」


避けられた、だが元々の狙いはお前じゃない。

攻撃を仕掛けてくるであろう、もう一匹。その方向、タイミングは見なくても分かる。

これまでの戦闘経験による勘は、きちんと働いてくれたようだ。


「――らあ!」


視認出来ずとも、予測と感覚で反撃出来る。

俺は右から襲ってきていた化け物にスタッフを振るった。


「――……」


潰れていく、嫌な感覚。

渾身の一撃と、手に伝わって分かる。

機械の部品の様な物がばらばらになって俺の元に落ちた。

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