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ファッションセンス
しおりを挟むピロリん。
『ログインしました。』
今日はもうやることは決めてある。
この世界を探索しつつスキルの確認だ。
酒場はまた今度行こう。
チラッと見たけど、私にはまだ早そうだ。
ってことで、早速出発だ。
お金も心許ないしね。
視界、右上端にマップがある。
どうやら今、私は第一の街の目の前にいる。
地図を確認しなくても分かることだけどね。
それでも、マップを見て驚いたことが2つある。 今いる場所がフィールド1ということだ。
とういうこは、フィールド2、3があるということ。
そしてもう一つ。
この第一の街の名前が「ブラストス」っていう名前だったことだ。
確かギリシャ語で芽吹きという意味だったと思う。
いい名前だ。
ここら辺でスキルの確認をしたいところだったけど、第一の街周辺だけあってプレイヤーがいっぱいいる。
人の目を気にしながらスキルの確認は流石にしたくないし、自分の持ってるスキルを知られたくない。
個人情報は死守しなくちゃね。
あまり人がいないところに行こう。
草原をずんずん進んでいると、草の高さが肩くらいまで伸び、深いところまで来たことに気づいた。
周りにもう人の気配はしない。
ふぅ、ここまで徒歩できたから疲れたぜ。
えっ?空を飛んでいた方がプレイヤーの場所とかモンスターの場所とかを見つけやすい?
ごもっともです。
空飛べること忘れてました。
だってリアルでは翼生えてないんだもん!
周囲を警戒しながら進みと、草が生えていない拓けた場所があった。
丁度いい大きさの石があったから、そこで腰を下ろす。
まず、スキルの整理を始める。
今持ってるスキル何だったっけかなぁ。
ーーーーーーーースキル一覧ーーーーーーーーー
パッシブスキル
【運の底上げ】 【神域拡張】
アクティブスキル
【鑑定】 【剣術】 【時空魔法】
【運盗み】 【飛行】 【暗闇】 【蹴り技】
【挑発】 【無心】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつの間にかスキルが初期の状態から6個も増えてた。
使ったことがないスキルが4つ程あるから、とりあえず初期からあって、かつ気になる【時空魔法】を使ってみよう。
【時空魔法】
・ミニテレポート: 質量の少ない物体を半径5m以内の場所に自由に移動させることができる。
(レベルが上がるごとに使える魔法の種類が増える)
説明だけだとよく分からないから足元にある石に向けてミニテレポートを使う。
「ミニテレポート」
シュインッ
おおっ!消えた!
移動先は私の手の中で!
瞬間に、握りしめてた手の中に違和感。
手を開くとそこにはさっき消えた石がっ!!
マジックとかで使えそうだ。
私自身のレベルを上げることによって更なる魔法を覚えることができるようだね。
ふふ。楽しみだ。
ルー〇、もといテレポートが使えるようになることが最初の目標だな。
次に使うスキルは【暗闇】である。
使う相手がいないから、ここは自分自身にかけてみる。
「シャットアウトっ」
おお…
視界が真っ暗になりました。
何も見えない。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
微動だにせずにいるとスキル効果時間の20秒を過ぎたようで、視界が開けた。
まるで死が迫ってきてるかのようだった。
こっわ。怖すぎるわ。
こんなんくらったら発狂するわ。
しかもレベル上がるごとに効果時間も伸びるんでしょ?
狂気スキルだわ。
もう自分自身に掛けないでおこう。
トラウマになるわ。
でも、対人戦の時は有利なスキルだ。
最後に確認するスキルは【運盗み】と【剣術】だ。
【運盗み】については気になることがある。
効果が、触れた相手の運を20盗むだから、別に剣で触れてもいいんじゃないだろうか。
流石にこれは相手がいないと確認しようがないから、【挑発】を使ってモンスターを呼び寄せましょう。
ガサガサ
・・・緑色の小鬼が出てきた・・・
初めて見るモンスターだ。
だけど、私はこいつを知ってる。
ゴブリンってやつだ。
一応鑑定しとこう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
種族 ゴブリン ☆2
Lv 2
パッシブスキル
なし
アクティブスキル
・身体強化(戦闘時、自身のDEF、SPD、STRを+5する。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
実際に見るととてつもなく酷い顔をしている。
いや、ホンマに。
説明しようがないほど酷い顔だ。
言っちゃ悪いけど、醜い…。
その割に、強いスキルも持ってますね!?
ゴブリンのステータスってよく分かんないけど、☆2ってことは、あのスライムとか、グリーンワームより強いってことだよね?
しかも何気に服を来て棍棒も持ってるよ。
服っていっても、縄文時代に人類が着ていたような服だけどね。
それでも着てなかったら着てなかったで…ね?すごく嫌だけどさ。
棍棒…当たると痛そうだな。
強敵現る…だね。
ジリジリとお互いの距離が縮まる。
先に攻撃してきたのはゴブリンだ。
「…………っ!」
少し掠ったけど、初心者にしては上手く躱した方じゃないだろうか。
スピードが速いな…これが元からなのか身体強化を使ったからなのかは知る由もないけど、それでも、充分強い相手だ。
油断してるとこっちが殺られそうだ、しかも、私の基本攻撃力は0。
この剣で少し上げられているだけなのだ。
「Gehi Gehi」
こっちを見て挑発するようにニタリと笑いやがる。
ムカッ。
ガキんッ。
ギリギリギリギリッ
私の剣とゴブリンの棍棒がぶつかる。
重いッ!!
ここですかさず【剣術】スキルを使って相手の棍棒を受け流す。
その瞬間に【運盗み】を使い、剣の腹でゴブリンをふっ飛ばす。
「スティール・ラックッ!」
運を奪った感覚はないけど、ここはスキルを信じるしかない。
ゴブリンはそのまま飛ばされた方向に進み、地面から出ていた何かの太い根っこに足を引っ掛け、地面に頭をぶつけた。
まるで漫画みたいな展開だ。
多分、運がマイナスにまで陥ったのが原因だろう。
これは実験成功と言える成果だった。
頭上をピヨピヨと鳥が旋回しているのが見える。
旋回しているように見える、じゃなくて旋回しているのが見える、だ。
気絶時のモーションが凝っていてることに気づいたよ。
気絶が解ける前に早めに倒しておこう。
ごめんね、ゴブリン。
私の糧となってくれ!
あれ?
おかしいな。
レベルが上がんないぞ?
くっ…☆2のゴブリンさんだったんだぞ?
どうやらコイツは美味しくなかったらしいな。
あっ……ドロップ品が落ちてるや。
拾っとこ。
○石…そこら辺に普通に落ちているただの石
☆1
そぉぉいっ!!
全力で石を投げました。
「Geaaa!!?」
……。
何かに当たったみたいだね。
私は知らんよ。
だって、ゴブリンさんがわるいんだもん!
ゴブリンさんは不味い。
経験値もドロップ品も顔も不味い。
もう嫌いっ
ガサガサ
ガサガサ、ガサガサっ
・・・ゴブリンの群れが現れたっ・・・
少し体格の大きい、リーダー格と思わしきゴブリンの頭から石が生えてるや。
どうしたんだろうね。
「いいファッションですね。」
「GAAAAAAAAAAAa!!!」
凄い怒ってるよ…頭に青筋が見えるよ。
なんでそんなにこっちを睨むのさ。
奴らは全部で5体。
さて、どうしようか。
→▲逃げる
▲戦う
▲謝る
▲ストレスの発散
これはもう決まってる 。
スススッとカーソルを下げまして、
▲逃げる
▲戦う
▲謝る
→▲ストレスの発散
経験値寄越せぇぇぇぇ!!
「スティール・ラックッ」
ゴブリン共が群がってきたから翼を広げて思いっきりぶん回す。
奴らのの体が軽いのからなのか、はたまた私の翼が重いのかは分からないけど、1m程吹っ飛んでいく。
そのまま、リーダー格以外のゴブリン下っ端は気絶状態に陥りました。
一丁上がりッ!
後はリーダーさんのみ。
頭のファッションの事で相当怒っているとお見受けします。
手負いの獣ほど怖いものはないって言うからね。
モンスターだけど…。
気を引き締めていこう。
先制攻撃はこっちからだ!
卑怯かもしれないけど、砂を顔に投げつけて足をすくおうとする。
だけど、ガシッと足を捕まれ近くの木にぶん投げられる。
「………っこひゅっ。」
背中に激痛が走り、息が止まりそうになる。
これが痛覚100%の効果かっ、リアルの痛みがそのまま来ているから凄く痛い。
だが私の防御力を舐めてもらっちゃ困る、0だぜ?体力が3分の1削られたよ!
痛みに怯んでいるふりをすると、奴が油断しながら近づいてきた。(実際に痛い。すごく痛い。)
「Gehi Gehi♪」
「そこッ!!」
痛みに堪え、涙を溜めながらも剣を真っ直ぐに奴の腹に突き刺す。
「GAhaaaaッ!!」
剣を抜こうと必死に?き、生きようとするが、こっちも負けてられない。
私だって死にたくないのだ。
抜かれないように必死に力を込める。
「Ga…a…」
抵抗が弱まってきて、ついに、金色の粉に変わった。
まだだ。
まだ気は抜けない。
下っ端達がまだ残ってる。
幸いにもまだ気絶状態が続いているから、今のうちに倒しておこう。
ゴブリンを五匹倒したところで、
ピロリん。
『レベルが上がりました。』
っっしゃぁぁぁぁあ!
『2ポイント獲得しました。任意のステータスに振り分けてください。』
運にどうぞ!
『スキル【詐欺】を習得しました。』
そんな…詐欺なんてしてないよ。
酷いなぁ。
怯んだふりして止めを刺しただけじゃんかよぉ、しかもあまりの痛さに涙が出たよ、
うぅ…。
【詐欺】…常に相手を欺き、油断させ、MNDを10減らす。
なんてセコイ。
誰よこのスキル考えた人。
…ってパッシブスキルじゃないか!
恐ろしや…コイツはoffにしとこう。
然るべき時に使うべきだ。
今はお蔵入り決定だな!
おっと、ドロップ品があること忘れてたよ。
どれどれ。
○ゴブリンの耳…成人したゴブリンの耳 ☆1
…。
そっと閉まっておこう。
リーダーさんは強かった。
けどさ、棍棒くらい落としてくれてもいいじゃんかよ。
なんで一緒に金色の粉に変わるのか、意味わかんないよ!
はぁ。
それにしても、まさか成人してるとは思ってなかったよ。
背中痛かった…,。
今も痛いけど、痛覚設定100%はやばいね。
って言っても100%から下げるつもりは毛頭無いけど。
だって、生きてるって感じしないし、戦ってる相手には失礼にあたるよね。
HP650/880
うへぇ…一撃で230も減ってるよ。
さっきのゴブリンリーダーは結構強かったみたいだ。
さぞかしレベルも高かっただろうに。
頭に石が生えてちょびっと可哀想だったな。
その…ごめんね?
でも、もっといいアイテム落とせるよね?
これで、おあいこだよ。
落ちていた石3個をそっとアイテムボックスに仕舞う。
今度は投げるような真似はしないよ?
今日はもう疲れた。
これぐらいにしとこう。
当初の目的のスキル確認と痛覚設定100%実験は成功したからね。
また明日。
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