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世界戦当日
しおりを挟む『プレイヤーの諸君!おはよう!一昨日来た時よりも何もかもが広くなったことに気づいたかい?君達の周りに見慣れないプレイヤーがいる事に気がついたかい?これがメンテ後の世界だ。これからは、より広大になったこの世界を海外の人とも共に攻略していって欲しい。あわよくば貴方がこの世界の真理に気づけることを祈っている!
では、今から世界戦開会式を始める。
今回の出場国は45カ国。
全部で225名のプレイヤーにトーナメント形式で5日間争ってもらう。
勝ち抜けば世界1位の椅子は君のものだ。
そして、1位から10位には、金貨、金の宝箱、名誉、リアルでの賞金、ガチャ券100枚、そして、欲しいスキルを一つ与える。
…全世界の代表の諸君っ!
君達が欲しい物がここにある。
金も名誉もある。
だから、全力で他のプレイヤーを潰せ!
勝ち残れ!自分の為に!全てを使い切って!悔いの残らないようにっ!!
以上っ!!
運営代表、綾崎!
世界1位を目指して、最高の舞台で輝いて下さい!!』
「「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」
『今日は試合はありません。広場で他国との交流をするもよし、闘争心を磨くもよし、戦いに行ってもよし。とにかく、自分のやりたい事をやって下さい!あ、リアルでの生中継は先程の開会式からですので、皆様、人に迷惑のかかる行為は避けましょうね?』
日本代表5名は、世界戦の対策を練るために、とある店に来ていた。
「本当に街が大きくなったね」
「…だね」
「皆!僕、海外の大会の動画を拾ってきたんだ。一緒に観ない?」
「ナイス!流石ヴェティ」
「流石です。これで日本で世界1位から5位を占めるのも出来そうですね」
ジャンヌ…まだそんなことを言っとったんかい。
まぁ、出来ればそうなって欲しいんだけどね。
他国の大会の動画を数本観て…。
「ん、何というか…弱い?」
「…私も…そう…思った」
「僕も」
「で、でもよ!実力を隠してるってことは?」
「なさそうですね」
思っていたことと全然違うものが映っていた。
弱い。
弱すぎる気がするのは皆も同じなようだ。
このレベルの戦いは日本の本戦で散っていった人達の方が高いと思った。
だけど、
「まだ10本も観てないからね。たまたま弱いとこを映していただけかもしれないし」
「…その可能性…ある…」
「あるな」
「だな、だから他の奴も観ようぜ?」
「それは名案です」
記念すべき100本目を観る。
…突出して強い人も何人かいたけど、それでも、何人かだけだ。
「これは…酷いね」
「…もう…観るのは…いい…屋台…行こ?」
「屋台か。まぁ、これ以上観ても何にも得られなさそうだしな」
「じゃ、屋台行こうか!」
「私もお腹が空きました」
対策講座は終わりを告げ、5人は屋台が展開してある広場に向かった。
ザワザワザワザワ
「見ろよ、軍服だぜ?素顔まじ好みだわ」
「アレが日本代表か」
「天使ちゃんもいるわ!今日も可愛い!」
「煉獄…ゴクリ」
「軍服様ぁぁ!」
「聖女…」
「あの男、1人だけ舞台だぜ?やっぱり☆3でも世界戦に出れるもんなんだな」
5人で屋台を回っているとヒソヒソされる。
「…るし…大丈夫…?」
「うん。ありがと」
ポンポンとNoelの頭を撫でる。
「「「きゃぁぁぁぁぁぁあ!!!」」」
黄色い歓声が上がる。
え…怖っ。
カインがニヤニヤしながら近づいてくる。
その顔、うざいわぁ。
「人気ですのぉ。軍服様」
「…カイン…そういうの…ダメ。…るしに…すごく…迷惑…」
Noelがカインをしたためる。
何ていい子だろうか。
またポンポンする。
Noelも心なしか嬉しそうにしているから良かった。
「たこ焼き5人分買ってきたよー!」
「私はケバブというものを買ってきました!」
この2人、行動力のある人達だな。
でも、どこで食べるべきか。
ベンチは人で埋まっているし…。
「…街…外…ピクニック…どう?」
流石Noel!
頭の回転が早い。
「「「「行こう!」」」」
街を出て数里。
今日の天気は快晴。
広くなった草原に高い丘が出来ていた。
「あの丘の上、見晴らし良さそうだね」
「行きましょう!」
「おぉう、ジャンヌ…即決だな。」
という訳で、5人で丘を登り始めた。
遠足みたいだ。
「なんか、ハーレムみたいだ。俺、幸せ?」
何故そこで疑問形?
ハーレム要素は確かにある。
男1人に対し女4人だけというところだ。
だけど、皆は友達だし、カインを恋人として見ることはないのでハーレムじゃない。
「…私…カインより…るし」
Noelちゃんん!!
可愛いわぁ!
「私もカインより、断然るしがいいです」
「僕も」
「皆ぁ酷いよ。俺、泣きそう」
カインは心に大傷を食らった。
今にも泣き出しそうな顔をしている。
自分から振ったハーレム話でここまで心を痛めるとは。ドンマイ。
和気藹々と丘を登っていると…。
ゴゴゴゴゴゴッ
地面が揺れた。
「な…何だ!?地震かっ?」
「Kishyaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
どうやら地震ではないようだ。
地面から出てきたのは、大きな土竜。
【鑑定】だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
種類 土竜外来種
名前 アースモッグー
Lv9
HP 1000/1000 MP 200/200
パッシブスキル
・気配遮断 (己の気配を断ち、相手に悟られなくなる。)
・威圧
・使役化
アクティブスキル
・土魔法 (土属性の魔法)
・毒魔法 (この魔法が当たった相手に毒状態を付与する)
・攻撃力底上げ (一定時間、攻撃力を底上げする)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
外来種ってことは、海外との世界の合併によってやって来たモンスターか。
この大きさ…もしかしてフィールドボスとか?
まぁ、このメンツなら大丈夫でしょ。
「…フィールド…ボス…だね…」
「だよね」
「ですね」
「さぁ、征こうか」
「えっ…まじか、皆やる気かよ」
一人やる気がないカイン。
「…誰が一番早く倒すか…ゲーム…する?」
「「「いいねぇ!!」」」
「ええぇぇっ!!!」
フィールドボスのリポップ時間は30分。
屋台で買ったものをを食べながら生で観戦出来るし、充分楽しめる。
「お前らっ!!この戦いがもしかすると、広場で流れるかもしれないんだぞ!?」
「…だから?」
「俺らの戦い方が海外の代表の奴らにバレちまうんだよっ!!」
なるほど。
それは一理ある。
確かに、研究されたらヤバイよね。
「えー。カイン、弱気な男はモテないよ!どうせ戦ったらバレることなんだし、今のうちに日本の…僕達の力を晒そうよ?」
ヴェティの言うことにもまた一理。
どうせバレることなんだし、いいよね。
「…瞬殺…すれば…バレない…」
「そうですね!」
瞬殺…確かにバレないね!
「…言い出しっぺ…私…だから…先…行く…。皆…奥の手…使えば…一瞬…」
そう、一瞬で殺るということは、奥の手を使うということ。
しかも、日本代表とはいえ、勝ち残れば当たるかもしれない。
…けど、戦いは全力で。
皆でやれば、怖くない!
怖くない!
「俺…奥の手なんて、ないんだけどぉ!!」
「じゃ、カインはなしで。」
「…せめて、誰か一緒にやらねぇ?」
チラリと助けを求める目を向けるカイン。
「っしゃーねぇ。僕と殺ろう。」
「ヴェティィ。お前、いい奴だなぁ。」
「…行くね…。」
「「「「行ってらっしゃい!!」」」」
~Noel side~
純白の翼をはためかせ、ボスの方に向かうNoel。
「…いいとこ…見せなきゃ…ね。」
彼女は珍しく微笑む。
日本代表達にしか見せない表情。
二週間前にパーティーを組んでいた者達からすれば驚きだろう。
何せ、彼女はずっと無表情だったから。
「…奥の手…行くよ…」
「頑張れー!」
「いけ行けー!」
「ファイトです!」
「行けるぞ!」
遠くから声援が聞こえる。
頬が緩む。
リアルではなかった事が、ここではある。
ちゃんと動けるし、喋れる。
これは、素晴らしい事だ。
架け替えのない友達も出来た。
だから彼女は、友達の期待に答える。
「Kishyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
「…終焉のラッパ」
空が黄金に輝き、ラッパを持った天使達が現れた。
天使達はぐるりとボスを囲み、ラッパを吹く。
その音色は、まさに、終焉を促すかのような悲しい音色。
「Kishyaaaaa!!k…kKishykkkaaaaa!!!」
ボスは狂ったように叫ぶ。
スキル【終焉のラッパ】は、自分の指定した相手を天から降りてきた天使が囲み、悲しいラッパの音色を聞かせ、強力な精神攻撃をする。ただ、自分よりMNDが低いものにしか効かない。
強力な精神攻撃は、大幅に相手のHPを削る事が出来る。
このスキルは1位になる為に使う予定。
「Kishya…a…aaaaa…………」
ボスが光の粒に変わっていく。
友達はどういう反応をするだろうか。
前の友達みたいに、化物を見るような目で見たり、媚びてきたりするのだろうか。
「Noelーー!!かっこよかったぁ!!」
「僕、その攻撃食らってみたい!」
「終焉のラッパ…美しかったです!」
「ヤベェな。Noel可愛かったぞ!」
…。
私はこういう友達が欲しかった。
素直に心を見せれるそんな友達が。
「…皆…ありがと」
~ヴェティヴィエルズside~
Noelの奥の手はすごかった。
凄さなら、僕も負けてられない。
「次リポップしたら、僕が行くよ」
「いいよー」
「いいんじゃね?てか、俺も一緒に戦うからな」
「いいですよ」
「…ファイト…」
僕はこの四人が好きだ。
出会って1日も経ってないのに、打ち解けてしまった。
リアルでは、こういうことはないから驚きだ。
流石、ゲーム。
ゲームであって欲しくない世界。
これが本当の世界だったらと思ってしまう。
「ほい、たこ焼きもーらい!」
カインが僕のたこ焼きを横からかっさらって行った。
それをるしが捕まえる。
「カイン、ダメ」
「…すみません。調子に乗りました」
カインは…うん、馬鹿だけど、イイヤツだ。
「…ヴェティ…たこ焼き…欲しい」
「私も欲しいです」
「しょうがないなぁ」
私はこうやって甘えあえる友達が欲しかった。
リアルでは沢山いるけど、それは上辺上な気がして仕方が無い。
ゴゴゴゴゴゴッ
「Kishyaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
「あ、来たよー」
「っし、行くよ、カイン」
「お…おう。ドキドキするな」
「大丈夫だって。一瞬だよ。一瞬」
2人でボスの前に立つ。
「じゃあ、僕のは詠唱がいるから、カイン、守ってな?」
「おう!…ってはぁ?俺1人でか?マジすか」
「まじのマジ。あ、来たよ。30秒ほど宜しくね」
私の奥の手は時間がかかる。
「I hope. Fall meteor. I hope. To annihilate the enemy in front of you. I hope. For friends. I hope. I want more power. I hope. To get everything. I hope. Now realize hell here. Collect here. 」
土竜の爪の攻撃を何とか防ぐカイン。
「まだかよ!!」
あと少しだ。
「It is a star. Fall off.」
カインの残りのHPは7割程か。
待たせたね。
「流星群」
空から大きな隕石が幾つも落ちてくる。
「カインっ!!アイテムボックスから大盾出して!」
「お、おう!」
カインの取り出した大盾の中に避難する。
直後。
ドゴオォォンッ
全ての隕石がボスに直撃した。
「Kishyaaaaa………a………」
金色の粉に変わっていった。
辺りには砂が舞っている。
スキル【流星群】は自分の指定した相手に隕石を降らせる。
攻撃力はピカイチだが、消費魔力が大きい。
「お疲れ、カイン」
「お…おう。凄かったわ。俺、まだドキドキしてる」
「お疲れー!カインよく耐えたね。流石、極振りw」
「…乙…カイン…少し…見直した…」
「お疲れ様です。メテオラ、綺麗でした。まるで、氷河期の再来を観ている様でした」
そこまで褒められると、嬉しいなぁ。
カインも満更でもない顔をしている。
「皆、応援ありがとね」
「もっと、俺を褒めてもいいんだぞ?」
「カイン、慢心は怪我の元」
~ジャンヌside~
ゴゴゴゴゴゴッ
「Kishyaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
罪ある魂が再度息を吹き返しました。
そろそろ私も行きましょうか。
「次は私が行きます。るし、オオトリは任せましたよ」
「うん。任せて」
「「「いってらー」」」
私はリアルでは教会で働いています。
毎日神に祈りを捧げ、周りの人に笑顔をばらまいています。
でも、とても窮屈な気がするんです。
だけど、この世界は広い。
様々な種族がいて、聞けば、多くの神様がいるとか。
Noelちゃんは天使の羽が生えていて、本物の天使の様です。
性格をもう少し明るく出来たら、完璧な天使になれますね。
対してるしは、黒い羽が生えていて、堕天使らしいです。
リアルでは悪魔の類として恐れられている堕天使で、私も嫌悪していましたが、この世界の堕天使には、嫌悪の欠片も浮かびませんでした。
寧ろ、好感度が高いです。
るしだからでしょうか?
…これを機に、私の偏見を直せたらなと思っています。
「Kishyaaaaaaaaaa!!!」
五月蝿い土竜ですね。
あんまりにも五月蝿いと、神は貴方を見放すかもしれません。
ですから、見放されない為にも、その魂を早く神に返してさしあげましょう。
「魂の断罪」
宙に光の十字架が12本現れる。
それらはボスに狙いを定め、一気に突き刺す。
「Kishyaaaaaaaaaaaaaaa……!!!!」
スキル【魂の断罪】は、狙った相手に光の十字架を刺すスキル。
ただ、1度使用すると、その日1日は使えないというデメリットがある。
土竜の磔とは、あまり美しくないですね。
やはり、人でないと…ね。
サラサラと粉々になった魂が天に帰っていった。
美しいです。
「お疲れー!綺麗だったよー!」
「…十字架…」
「ジャンヌ、ヤバイな」
「僕、串刺しだけは嫌だな。アレは痛そう!」
皆一様に褒めてくれました。
やはり、いい方達ですね。
ですが、世界戦で当たった時は、容赦はしませんよ?
~主人公side~
皆強すぎるでしょ。
たこ焼き食べてたら普通に吹きかけたよ。
本戦で当たらなくて良かった…。
「最後はるしだな」
「…楽しみ。」
「やっぱりるしもスキル?」
「種族固有スキルですか?」
「いや…?武器だけど」
「「「「へ?」」」」
皆、何でスキルがそんなに強いのかは分からないけど、多分種族固有スキルなんだと思う。
私、☆8だけど、そんなカッコイイスキル貰ってないよ!!
「武器って…まだ持ってたのかよ」
「うん。準々決勝の後にgetしたんだ」
「そんなホイホイget出来るもんか?」
「うん。まぁ、見てて。結構エグイから」
おもむろに神槍を取り出す。
「じゃあ、行ってくるねー」
ゴゴゴゴゴゴッ
「Kishyaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
確か、投げるか突くか、だよね。
では、今回は投げる、で。
「そーれっ!」
軽く投げると、瞬間に神槍が、鏃30本に変化してボスに突き刺さった。
「Kishyaaaaaaaaaa………………」
うん、エグイね。
投げるだけでこの威力。
恐ろしや。
ボスが消えると同時に、増えた神槍も消えていった。
神槍を回収して、皆の元に戻る。
「…あれ…武器…ちがう…」
「お前、いい武器持ってんのに、更にいい武器ゲットしたな」
「増殖する武器、美しかったです」
「僕も欲しい!」
私の出番も終わり、楽しい楽しいピクニックは終わりを告げた。
「皆、明日、勝とうね」
「…当たり…前…」
「お…おう」
「当たり前じゃん?」
「ふふふ、1位から5位を占めましょうね?」
「外国に日本の力を知らしめるぞっ!!じゃあ、解散っ!」
その頃、広場は騒然としていたという。
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