運極さんが通る

スウ

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存在進化パレード

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まずは私が習得したスキルから。【恐怖耐性】はもう知ってるから飛ばして、と。

【下克上】…自身の体力or Lvが相手より低い場合、戦闘時、自身のステータスが補正される。

ほほぅ。これはありがたい。
して、称号は?

☆ゴブリン愛好家…ゴブリンor元ゴブリンが4体以上パーティーにおり、かつ、そのパーティーでボス戦に勝ったものに捧げられる称号。

☆救う者…ワールドクエストをクリアした者に捧げられる最高の称号。

ゴブリン愛好家って…そんなに故意に集めているわけじゃないんだよ?偶然に偶然が重なって、何故か元ゴブリンがここに4人もいるんだから。そういう趣味じゃないからね?

お次はジン達の習得したスキル。

【単独行動】…このスキルがあることによって、ギルドに冒険者登録をすることが出来る。また、単独で行動する際、スキルが習得しやすくなる。

ゴフッ。吐血したぜ。なんだい、このチートスキルは。一人で行動すると、スキルがガッポガッポだって?くっ、ずるい!!

☆単独者…単独でボスを倒した者に贈られる称号。

うん、これは妥当なスキルだ。
私だって、ベリトの介入がなければ貰えたもんね。
ゴオッと、ベリトの方から冷たい圧が。
…デスペナで貰えなかったです。はい、ベリト様ありがとうございます。


さてさてさーて、気を取り直して、お楽しみの進化の時間がやって参りました。
一番バッター、パーティーブレーン、ジン。

『テイムモンスター“ジン”が存在進化が可能です。進化しますか?Yes/No.』

Yesを押し、進化先種類一覧を見る。

『守鬼…守りたい者が出来た小鬼がなれる種族。☆4

 鬼人…人に最も近い鬼。基本型。☆4

 知鬼…知の力を持つ小鬼がなれる唯一の種族。☆4』

ジン、守りたい人…好きな子が出来たの?お母さんに聞かせて!!相談に乗るわよ?
ウォッカとテキーラと鬼ごっこをしていたジンを呼ぶ。

「ジン、どれがいい?」

装備の力を駆使し、瞬間に私の横にジンが現れた。

「うーん、迷うけどー僕はー今回はーこれにするー」

涼し気な顔でポチッと押したのは、知鬼。
光の繭に包まれていく様子を、集まってきた皆で見守る。

「るし、ジンが変なのになったら笑えるよな!!」
「るし様、私、ジン様がガリガリになる気がします」
「ちょっ!二人共やめてよ!!」

テキーラの言う通り、頭がいい人ってガリガリなイメージがある。…偏見だけど。
もしそうだったら、私、吹いちゃう。
光の繭が薄れ、進化したジンがその姿を見せた。
黒に少し紫がかったサラサラな髪は変わらないが、額から覗く黒い1本の角は洗練され、長さも伸びた。顔つきは少し大人びている。
そして、何より背丈が高くなった。前は1m20くらいだったのに、今は1m40はあるのではないだろうか。

「ジン、大きくなったね!!」

ギュッと抱き締めれば、ジンは嬉しそうに笑った、ということはなく、どこか恥ずかしげに私の腕から抜け出そうとしていた。

「るし、恥ずかしいよー!」
「うへへへへ。可愛いぞぅ!!」
「やめてぇー!」

思春期ですか?お母さん、親離れされてほんのちょっと寂しいです。腕の中でもがくジンを解放し、ウォッカを呼ぶ。
二番バッター、パーティーの兄貴、ウォッカ。

『テイムモンスター“ウォッカ”が存在進化可能です。進化しますか?Yes/No.』

Yesに決まっておろう!!さぁ、ウォッカは何になるのかな?

『守鬼…☆4

 鬼人…☆4』

おっと、今回は二択のようだ。どうやらウォッカも好きな子が出来たらしい。やっぱり…テキーラかな?それとも、台風の目のラム…?あっはっはっ。そんな馬鹿なことあるわけないじゃん。うん、ないない。ないよね?

「ウォッカはどっちがいい?」
「そうだな、俺はこれに決まってる」

悩む素振りを見せず、即断即決で、守鬼になった。
髪型は変わらず、額から出る二本の角は、ジンと同じように洗練され、細く伸びた。
切れ長の目には優しい光が宿り、ふわりと笑う。

「ウォッカー!!好きだよー!!」
「ん?そうか!!ありがとな、るし。俺も好きだよ」

ウォッカは思春期ではないみたいだ。お母さん、嬉しいよ。ウォッカまで思春期になっちゃったら、欝になるね。
ウォッカを解放し、バレンシアを呼ぶ。
立ち上がろうとすると、背中に重みがかかった。犯人はウォッカである。

「もしかして邪魔か?俺」
「ううん、大丈夫」

ウォッカは進化したことによって甘え上手へと変化したようだ。くっつく度に殴られたあの頃と違うギャップに萌えるね!

「るし、妾抜きでイチャイチャは駄目じゃ。駄目なのじゃ!!」

プンプンと怒るバレンシア。
3番バッター、お婆ちゃん、バレンシア。

『テイムモンスター“バレンシア”が存在進化可能です。進化しますか?Yes/No.』

はい、Yesで。流れ作業みたいになってますね。

『ドラゴンゾンビ…ドラゴンが腐敗した姿。所々肉が剥がれ落ち、腐敗臭を漂わせているが、強い。  ☆5

 スケルトンレイス…骨が透明な希少なスケルトン。砕けた骨も、一瞬で元通り。  ☆4

 幽鬼…実態を持った幽霊。肌は青白く、見るものを震え上がらせる。  ☆4』

「ドラゴンゾンビ良くない?」
「嫌じゃ!!」
「だって、ドラゴンだよ?かっこいい…はずだよ?」
「そんな馬鹿なこと申すでない!!大体、説明に腐敗してあると書いてあるじゃろうて!!妾は鼻がいい。よって、そんな自らを陥れるような進化だけはしとうないんじゃ。これになるなら死んだ方がましじゃ」
「いや、バレンシアはもう死んでるし」
「あ」

「ドラゴンゾンビ」を押そうとすると、バレンシアに必死に止めたれた。面白かったからそのまま少し続けたが、途中で涙を目尻に貯め始めたため、慌ててあやしに入る。

「ううっ…るし、お前さん、最近妾に冷たいのじゃ…グスン」
「ごめんごめん、ついつい。バレンシアの反応が可愛くて、あはは」
「か、可愛いじゃと!?」

フルフルと震えるバレンシアの頭に手を乗せる。

「バレンシア、そろそろ決めてほしいな」
「じゃな」
「るし様、バレンシア様はドラゴンゾンビになるのを遠慮しているみたいです」

そこでスッと入ってくるテキーラ。
バレンシアのチョップを避け、ベリトの後ろへ逃げる。それを見てベリトは鼻で笑い、早せい、と言うように顎で促してきた。

「バレンシア、どれがいい?」
「妾は、幽鬼でよいのじゃ」

ポチッと幽鬼を押し、バレンシアは見事幽鬼になった。個人的にはドラゴンゾンビになったらもっと面白い気がしたのだが。
進化したバレンシアの外見に変化はなし。
ただ、

『テイムモンスター“バレンシア”が存在進化した事により、スキル【幽体離脱】を習得しました』

変なスキルを習得した。【透化】が進化したらしい。よって、スキル一覧から【透化】が消え、新たに【幽体離脱】が増えた。

【幽体離脱】…身体から魂だけ抜け出し、どこにでも行ける。(Lvによって発動時間が増える)

早速試そうとしているバレンシアを止め、ベルモットを呼ぶ。
4番バッター、癒し系、ベルモット。

『テイムモンスター“ベルモット”が存在進化が可能です。進化しますか?Yes/No.』

ほい、Yes!

『堕竜…堕ちた竜だけがなれる唯一の種族。☆8

 闇竜…闇魔法を得意とした竜。☆8

 聖竜…光魔法、又は回復魔法が使える竜がなれる種族。☆8』

おおっと、ここで聖なるドラゴンに変われるチャンスが到来しましたね。私は勿論、聖竜を押しますとも。

「ベルモット、どれがいい?」
「きゅっ!」

ファイナルアンサー?と、問う前に素早くポチッと押された。
ベルモットか選んだのは、モチのロンで堕竜。そうだろうと思ってましたよ。ええ、知ってました。
ベルモットは、今まで1mあるかないかの大きさだったのが、今回の進化で一気に3mまで大きくなった。特徴的なのが、身体よりも、漆黒の翼の方が大きいことだ。

『テイムモンスター“ベルモット”が存在進化した事により、スキル【竜魔法】を習得しました』

【竜魔法】があれば、バレンシアのようなブレスも撃てるようになる。…カッコイイ。

「ベルモット、今度私を乗せて飛んでくれたりしない?」
「きゅ!」

可愛らしく右手をあげる。
身体は大きくなったけど、声の高さは変わらない。やはり可愛い。

そろそろこの体勢も辛くなってきたので、背中に乗っているウォッカを下ろし、グルグルと肩を回す。

存在進化が終われば、今回のワールドクエストにて得た報酬を開けよう。
因みに、ワールドクエストとは、ストーリークエストと関連する重大なクエストである。ワールドクエストの進み具合によっては、進めるストーリークエストが限られてくるのだ。

アイテムボックスより、○金の宝箱、ランダムスキルの書、星を取り出した。
ベリトは金の宝箱を興味ありげに見つめる。
これ、私が開けるからね?
ランダムスキルの書は、巻物状になっている。
最後に、星なのだが、これの使い勝手が全く分からない。【鑑定】しても全てがハテナマークになっている。
ツンツンと押すと、

『星を使用しますか?Yes/No.』

このままアイテムボックスに仕舞うのもあれだし、用途もわからないから使ってみようと思う。
Yesを押し、何が起こるか待つ。

『星が適用しました。自身のステータスを見てください』

アナウンスに促されるままステータスを開く。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 種族  堕天使:子爵(ヴィスカウンテス)  ☆8
 名前  るし   ★
 Lv  23
 HP  1260/1260     MP  1460/1460 
 LUK  592
 パッシブスキル
【運の底上げ】【神域拡張】【詐欺】【カリスマ】【下克上】【恐怖耐性】【不浄拡張】【運の底下げ】
 アクティブスキル
【鑑定】【剣術】【大太刀術】【双剣術】【大鎌術】【時空魔法】【光魔法】【闇魔法】【運盗(スティールラック)み】【飛行】【蹴り技】【登り上手】【挑発】 【無心】【終焉のラッパ】【衝撃光】【確率死】【鎮魂歌(レクイエム)】【魅了】【反転】
 称号
 ☆偽善者
 ☆救う者
 ※装備分のステータスは書かれていません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前の横に星が付いてるや。

『名前の横に星があるのを確認しましたか?それは、戦闘時、任意のステータスを確率で大幅に補整する物です。これがあれば、世界五本の指に入るトップランカーの仲間入りです。補整するステータスを選んでください。
 ・SPD
 ・STR
 ・ATK
 ・DEF
 ・MND
 ・DEX
 ・LUK                                                                  』

運に決まっているじゃないか。ポチッとLUKを押すと、表示が消えた。

『星、LUKが適用されました。以後、変更は出来ません』

変更出来ないのか。それは、決める前に言って欲しかった。まぁ、変える気はないけどね。
星が終わったら、次はランダムスキルの書を使おう。
使い方は、欲しいスキル引換券と同じく、ビリッと破る。
破れた巻物は、金色の粉へと変わっていった。

『スキル【探索サーチ】を習得しました』

おお、有用そうなスキルだ。

探索サーチ】…選択したいものを探すことが出来る。(Lvによって探せる範囲が広がる)

例えば、何か盗まれたり、探したいプレイヤーを探せるってことでしょ?いいスキルだ。流石、私。【探索サーチ】を引き当てるなんて天才だ。

よし、最後は金の宝箱だ!!
期待してるぞ。私は満月(みちづき)を失ったから、武器が出てきてくれると嬉しい。
ん?ゲイ・ボルグ君?あの子は必殺武器だからね。私が欲しいのは、常時使える武器。
凝った金の装飾が施された宝箱をゆっくりと開ける。
入っていたのは、十字架のアクセサリーが付いた白い布だった。
武器が入っていなかったことに落胆しながらも、【鑑定】を入れる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 種類  布  
 名前  封魔の白布
 QUA  S
 …暴れる魔力を鎮める為に使われる純白の布。☆7

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

暴れる魔力を鎮める?
魔力って、暴れるの?怖っ。
その時が来れば有用だと思うが、現時点では使い道がないため、アイテムボックスに収納される。

「るし、悲しい顔しないでー!!帝国のガチャ屋さんに行けば、いい武器あるよ!きっと!!」
「ゔん…」

ジンに励まされ、出てきそうになる鼻水をすする。

「おっしゃ、るし、早速帝国に行こーぜ!!って言いたいところだけど、俺達も流石に疲れたからな。帝国へは明日行くことにして、今日のところは、家に帰ろうぜ?」
「そうですね。お風呂に入りたいです」
「じゃな。るし、帰るぞ?」
「私もお風呂入りたぁい!!汗でベトベトだわぁ」
「きゅっ!」

皆が早く早くと急かしてくるが、私達は帰る前にやらなければいけない事がある。

「皆!ここに1列に並んで!!」
「えーなんでー?」
「いいから!!早く帰りたいんでしょ?」

渋々と私の横に皆が並ぶ。
ベリトも私の意図を察したようにニヤリと笑い、空を見上げた。

「そこな家畜共!!我らの余興は面白かったか?面白くなかったとは言わせぬぞ?」
「楽しんでくれているとするならば、私は嬉しい。ここまで観ていてくれて、ありがとう。そして、またの機会に会おう」

優雅に一礼を決める。
きっとそこにミクカメがあると信じて。
…無かったら恥ずかしい。
ジン達も私の真似をして、ミクカメがある筈の場所に礼を向けた。
帰る前に最後、ペーターが立っていた場所を見る。
あの禍々しい空気はそこにはなく、ただただ虚無感があった。そこに居ないのに違和感を感じる。

「さて、帰ろうか」

皆と家に帰ろうと、くるりとその場所に背を向けた。

「あれ?」

先程までいたはずの仲間の姿が見当たらない。
代わりに、ベリトが一人佇んでいる。

「家畜、ここへ来い」

ピッと、ベリトは自身の前を指した。
ベリトに呼ばれ、指された場所に立つ。ふと、視界が一段暗くなった。視線を上にあげると、影を落とした手が頭に迫った。
た、叩かれるっ。
身をこわばらせてその時を待つが、やって来たのは優しさだった。ベリトは私の頭をそっと撫で、

「良くやったな、るし」

確かにそう言った。幻聴かと疑うが、それは無い。だって、冷酷無慈悲なあのベリトが優しげに笑っているのだから。

「あ、と。あの、ベリト…?今、名前…」

最後まで言う前に、ベリトは戦いの途中で落ちた私の軍帽を、私の頭の上に乗せた。

「ふっ…」

ベリトは鼻を鳴らし、光と共に消えた。恐らくは家に帰ったのだろう。
私は、ベリトの大きな手で撫でられた頭をそっと触る。
夢ではない。夢ではない。
いつも馬鹿にして、褒めることは無かったあのベリトが、褒めてくれたのは凄く嬉しかった。
人に褒められるのは、嬉しい。
それが誰であろうと、認めてくれるのは嬉しかった。
それが、私の居場所であるとそう教えてくれる気がして。
ニヤケる頬を抓りながら、私は帰宅の途についた。
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