オネェな東宮に襲われるなんて聞いてないっ!

鳩子

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75.わたくし、愛でられてますわ

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「いいのよ、一杯感じて。……そうでなかったら、アタシだって、やりがいがないわ」

 香散見かざみさんが、わたくしに、馬乗りに跨がったまま、ご自身の装束を脱ぎはじめる。

 お、お手伝いしなければならないかしら。

 と思って居たら、香散見さんに制された。

「こういうときは、イイのよ」

 手伝わなくても良いと言う意味だろう。わたくしは、目の前で、香散見さんが……その、男の方が、装束を脱いでいるところから、目が離せなくなっていた。

 香散見さんは、精悍な体つきをしていた。

 余分な肉のない、丹精な身体。引き締まった身体は、大分、馬や太刀に馴染んだ身体だと思う。

 ほどよく贅肉の乗ったぽっちゃりさんが主流の、今の時代で言ったら、こざっぱりとしていて、身分卑しそうな体型と言うことになると思います。

 けれど、わたくしはね、ぽっちゃりさんでも、引き締まった身体でも、どちらでも良かった。

 香散見さんが、わたくしを愛でて下さる……のだとしたら、わたくしの……ちょっと(ではないのだけれど!)貧相な身体でも、わたくしは、それは、愛おしいと感じますわよ。

 香散見さんの裸の腕の中に抱きしめられる。

 ああ、不思議。

 抱きしめられたというだけだったら、装束の上から、何度も抱きしめられたことはある。けれど、素肌で抱きしめあうと、本当に、気持ちが良い。ぜんぜん、違う感触だし、より強く満たされたという感じを味わうことが出来る。

 香散見さんの脚が、わたくしの脚に、するりと絡ませてきた。

「あっ……香散見さんっ?」

「今日は、アタシ、最後までするわよ」

 囁かれた言葉に、目の前がゆらめく。「だからアンタは、思いのままに声を上げて、乱れてイイのよ?」

 頬に、口づけが降りた。



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